【気になる人】実母に運転免許証を強引に返納させたダイアモンド☆ユカイが明かす今も苦しい胸の内

ヤンチャだったユカイさんだが母親には弱かった【写真:山口比佐夫】
ヤンチャだったユカイさんだが母親には弱かった【写真:山口比佐夫】

老いていく母を見ながら悩みに悩み説得を続けたが…

 そんなオフクロも80歳頃になると、あやしくなってきました。きれい好きでいつも部屋はキチンと片付いていたのに、家の中の1か所だけ全然片付けられていなかったり、作ってくれたみそ汁がしょっぱかったりして。決定的だったのは、車の助手席側がへこんでいたこと。「なに、これどうしたの?」と聞いたら「ぶつけられた」と言うんですよね。問い詰めても「大したことないから」とはぐらかすので「おかしいな」と。事故なら警察を呼んだり、病院へ行ったり、保険で修理してもらったりするでしょ。そんな様子がないから。

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 それからは高齢者の交通事故のニュースが流れるたび、心配が募りました。オフクロがもし事故を起こしてしまったら。それまで順風満帆にキチンと生きてきた人が、晩年になって人様を傷つけ、塀の中の人になってしまったら。被害者にも申し訳ないけど、オフクロも残念な人生になってしまう。それで、顔を合わせるたび「運転はやめたほうがいい」「免許を返上しなよ」と説得を試みました。でも、オフクロは強い人だから、オレの方が言い負かされちゃう。

 オフクロからすれば、さんざん好き勝手に生きてきて迷惑ばっかりかけてきたくせに私に意見するなんて何様のつもりだ、アンタなんかに言われたくないわ、って気持ちだったろうね。上から目線で(笑)。確かに、オレは両親のように公務員になるように言われて育ったのに、大学を中退して不良のロックンローラーになったうえ、世話になった前の事務所を辞めるわ、写真週刊誌「フライデー」(講談社)に載るわ、離婚はするわ、だったから、母親がそう思うのももっともだった。30代後半の頃、弁護士事務所にいきなり呼び出されて、親子の縁を切ろうとされたこともあったんだよ(笑)。

 でも、車の運転をやめさせることに関しては、そう簡単に引き下がれなかった。その話を持ち出すたび、オフクロは不機嫌になり頑なになり、しまいには大げんか。4、5年、そんな感じだった。当時はまだ今ほど高齢者の運転ミスによる交通事故が取り沙汰されていなくて、周りに気軽に相談できる相手はいなかった。オレはオフクロが年を取ってからの子どもだったから、同級生とかはまだ親が若くて、同じ悩みをもつ友人もあまりいなかった。悩みに悩んだね。車があったら乗るから、車を無くすしかない。どうすれば無くせるか、と考えていたとき、確か、誰かが知恵を授けてくれたように思います。だまし討ちですね。

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