【週末は女子プロレス♯17】朱里、2022年は「“朱世界”の幕開けにしたい」 スターダムが見せた圧倒的スケール感

スターダム「5★STAR GP」星取表
スターダム「5★STAR GP」星取表

朱里はなぜ赤いベルト戦の舞台を両国に選んだのか

 そんな状況下で決勝戦にコマを進めたのは、渡辺桃と朱里だった。桃は最終戦でジュリアとの公式戦が組まれていたが不戦勝により、ほかの選手の結果待ち。そして、岩谷麻優が躍進著しいスターライト・キッドの足を引っ張り桃がレッドスターズ1位になった。ブルースターズでは、中野たむが林下詩美との赤白王者対決を制し、2連覇狙いの詩美を脱落させた。その前の試合で彩羽と引き分けていた朱里が得点で上回り、こちらも初めての決勝戦に進んだのである。

 両者ともこの日2試合目。若い選手との3WAYマッチを短時間で終わらせインターバルを長くとれた桃が有利かと思われたが、ここは大舞台での経験豊富な朱里が桃を振り切り、初優勝を勝ち取った。優勝したら詩美が保持するワールド・オブ・スターダムへの挑戦を改めて表明するとしていた朱里だが、意外にもシリーズ中に発表された10・9大阪城ホールではなく、この日アナウンスされた12・29両国国技館を決戦の場に指定した。女子プロレスでは全日本女子プロレス以来、実に26年ぶりという10・9大阪城ホールでは、リーグ戦で敗れた愛弟子・小波との一騎打ちを希望。同大会のメインでは、王者・詩美とリーグ戦で引き分けた彩羽が赤いベルトに挑戦。また、白いベルトことワンダー・オブ・スターダム王座戦は中野VS岩谷に決定した。こちらは別ブロックのためリーグ戦では実現しなかった好カード。白いベルトを「スターダムの象徴」とする中野に、“スターダムのアイコン(象徴)”と呼ばれる旗揚げメンバー岩谷が、満を持して挑戦する。

 では、朱里はなぜ赤いベルト戦の舞台を両国に選んだのか。9月28日におこなわれた記者会見終了後、本人に聞いてみた。なお、会見では朱里に挑戦権利証が手渡され、12・29両国前まで権利証を懸けた試合が可能となる。保持者・朱里が敗れれば対戦相手に挑戦権が移動してしまうというリスクをあえて背負ったのである。

「詩美とは6・13大田区で43分闘って(30分時間切れと延長戦13分19秒で両者KOによる詩美の防衛)、5★STAR(9・4新宿)で20分ドロー。まずは次こそしっかり決着をつけたい気持ちがあります。それに来年からは、スターダムを私が常々言っている“朱世界”にしたい。そのためにも年内最後のビッグマッチで赤いベルトを取りたいと思っているんです。年末っていろいろ大きい興行があるじゃないですか。そのなかでスターダムが8年8か月ぶりに両国でやる。前の両国には私も(フリーとして)出てるんですよね(高橋奈苗&藤本つかさ&長野美香組VS米山香織&松本浩代&朱里組)。それに、スターダムの10周年イヤー最後の大会。そういうのもあって、この大会でスターダムってすごいんだというのを見せたいんですよ。この大切な日に自分が最高峰のベルトを取って、2022年、“朱世界”の幕開けにしたいんです」

 会見では朱里が権利証マッチすべてで自身が保持するSWA世界王座も懸けると宣言した。負けたらシングルのすべてを失うことになるが、リスクを大きくすることで自分を追い込み、5★STAR GP覇者としての威厳を保とうとしているのだろう。果たして朱里は12・29両国まで赤いベルト挑戦権をキープすることができるのか。まずは10・9大阪城ホールでの小波戦が注目される。

 なお、余談ではあるがシリーズ中、安藤頼孝リングアナウンサーが通常の星取表に加え、プロ野球ペナントレースをほうふつさせる順位表を非公式に作成していた。これは、試合数が多い団体だからこそ可能な遊び心。結果、レッドスターズは首位から最下位まで4ゲーム差、ブルースターズでは6ゲーム差がついていた。こんな楽しみができたのも、層の厚いスターダムならではだろう。例えばの話、1年間のノンタイトルシングル戦で勝利数、勝率を算出、1位を年間王者として認定するのもおもしろい。いろんな妄想が膨らんだのも、今年の5★STAR GPが充実していたからにほかならない。

次のページへ (3/3) 【写真】9月28日に行われた記者会見にキュートな私服姿で登場した朱里
1 2 3
あなたの“気になる”を教えてください