【週末は女子プロレス♯15】物議を醸すスターダム・フューチャー王座 王者ウナギ・サヤカがもくろむ価値観と生え抜き選手の反論

9・6後楽園では大江戸隊の琉悪夏がウナギVS月山に視線を送った【写真:新井宏】
9・6後楽園では大江戸隊の琉悪夏がウナギVS月山に視線を送った【写真:新井宏】

王座戦乱発に「どんどん価値が落ちてる」

「(ウナギのやり方は)だいぶおもしろくないですね。生え抜きとしていろんなものを経験し、3年くらいかけて初めてベルトに挑戦できたんです。なのに、外から来て1回目で挑戦できるなんて、そんな軽いベルトじゃないって私は思ってます。しかもこのリングに上がる方が挑戦をアピールしたわけじゃないですよね。初めての選手に王者から指名するのもどうかと思うし、負けた私が言うのも変ですけど、どんどん価値が落ちてるなって。私としてはもっともっと実力をつけて、自分が納得できるときにまた挑戦したいと思います」(吏南)

「タイトルマッチは査定マッチじゃないだろ。(岩谷)麻優さんとかがオマエを査定するぞというのならまだ分かりますよ、スターダムの上の選手ですから。なんでウナギが査定するんだよって。あのやり方では3年未満なら誰でもいいって感じがする。査定するのなら、挑戦資格があるかを査定するのが先だろ。アイツはただ防衛回数を稼ぎたいだけなんじゃないの。いまの傾向はやめさせたい。アイツが持ってるくらいなら私が取って、(別のやり方で)価値を上げてやるよ」(琉悪夏)

「ウナギさんは『オマエは誰だ?』って聞いておいて、キャリアが1年だと知ったらベルトをかけると。そこに違和感を覚えましたね。知らない人、どんな選手なのか分からない人にベルトをかけていいんでしょうか? だったら生え抜きの自分が取りにいかないと、という気持ちがすごくあります。でもまずは、自分が初勝利を挙げないと納得してもらえない。だからいまはとにかく自力初勝利をめざしてます」(レディ・C)

 3人の意見は至極当然だ。タイトルマッチ未経験の選手が移籍先の初戦でベルトをかけろという発想にはなれないだろう。査定とタイトル戦を同時に行うことにも無理がある。査定を経てタイトル戦に到達というのが妥当な順序ではないか。名前も知らない選手を挑戦者にするのも納得がいかない。とはいえ、ウナギにはウナギなりの考えあっての行動でもあり、また試練でもある。では、王者ウナギはこの問題をどう捉えているのだろうか。

「初めて団体を移って、初戦でタイトルマッチ。あの2人にはこれ以上ない爆発的な緊張感だったと思います。ここに意味があったと思うんですね。いい経験になっただろうし、たぶん一生忘れられない。私は、挑戦をきっかけにその選手が変われるようにしていきたいんです。というのも、私はスターダムに来て(参戦1か月後に)いきなりアーティスト(6人タッグ)のベルトを巻いて、ベルトに変えてもらった、成長させてもらったんです。自分の道を見つけて、自分でたどり着ける力をつけて、未来を作る。諦めずにやっていけばきっとなにかにたどり着けるんです。フューチャーって期限がある尊いベルト。初挑戦をきっかけに、期限までに絶対取ってやると思ってほしいんですよ」

次のページへ (3/4) してやったりのウナギが描く未来
1 2 3 4
あなたの“気になる”を教えてください