【ルポ 浅草】東京・浅草のホテルが値崩れ状態 半額でも客室埋まらず 破格値に若者は大喜び

閉館したザ・ビー浅草。フェンスで囲まれていた【写真:ENCOUNT編集部】
閉館したザ・ビー浅草。フェンスで囲まれていた【写真:ENCOUNT編集部】

ビジネスホテルは軒並み値下げ 半額でも客室埋まらず

 特に浅草を擁する台東区は18年から19年にかけて約70棟ものホテルが開業するなど東京23区の中でもダントツ1位の盛り上がりぶりだった。だが、コロナまん延に伴って過熱感は一気にしぼみ、ホテル開業ラッシュによる供給過剰があだとなって値崩れ状態に陥っているのだ。

 別のデータもダメージの深刻さを示している。台東区が6月に発表した観光統計分析(観光庁と東京都の調査データから推計)によると、18年の同区の観光客数は5583万人(外国人953万人)だったが、昨年は1631万人(同145万人)にまで減少。年間宿泊者数は824万人(同206万人)から223万人(同27万人)にまで落ち込んでいるというからホテルが値崩れするのも無理もない。

 ある大手ビジネスホテルに入ってみると、エントランスは豪華で内装も清潔に保たれている。消毒液は完備されており手指消毒を呼びかける表示があちこちに掲出されていた。フロントで直接聞いてみると、「本日ならシングル1泊5000円から5500円です。コロナ前は1万円以上の部屋です。室内に空気清浄機がありますので換気もできています」という返事だった。「フロントで直接部屋を手配するよりも、旅行サイトで予約した方が安くなりますよ」とアドバイスしてくれるスタッフもいた。

宿泊料金が半額となり夏休み中の若者に人気

 実際にネットで検索すると有名チェーンでも3000円前後というビジネスホテルがけっこうある。通常6000円~7000円の部屋を3000円ほどで予約できたので実際に泊まってみた。エントランスは広く開放感がある。部屋は決して広くはないが、可動式の机がありWi-Fiもサクサクとつながる。空気清浄機、大型液晶テレビ、ダブルサイズのベッド、ふわふわの枕、広々としたバスタブ、水圧の強いシャワー、ウォシュレット付きトイレ、冷え過ぎないエアコン、コンパクトな冷蔵庫……。快適な環境で久々にぐっすり眠れた。この料金でこのグレード。浅草では破格の安さだ。

 コストパフォーマンスの良さゆえかホテル内には若者の姿が目立つ。チェックアウトしてロビーで休憩していると、20~30歳ほどと見られる宿泊客が次々と客室からロビーに降りてきた。あどけなさが残る男女カップルは「ネットで安く見つかったので予約しました。1部屋3000円、1人あたり1500円という料金なのにとてもいい部屋で満足しています。これから浅草観光に向かいます」と笑顔を見せた。

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