なぜ「ウイニングイレブン」から「eFootball」に? “新ブランド”に込められた決意

基本プレイ無料は「なるべく多くのサッカーファンに楽しんでもらいたい」から

――本作の大きな特徴の一つとして、基本プレイ無料があります。この変化に踏み切った理由は何なのでしょうか。

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「まずは、先ほどお話ししたように現在の市場環境に合わせるということ。そしてもう一つは、eスポーツの大きなプラットフォームになっていくことを考えたときに、なるべく多くのサッカーファンに楽しんでもらいたい、参加してもらいたいという気持ちがありました。世界中のサッカーファンに遊んでもらえるサッカーゲームになるためには、参加障壁をなるべく下げないといけない。そのためには“無料であること”が最も大きな要素になると考えて、基本プレイ無料に舵を切ることにしました。遊んでくださるお客さんを増やすという目的が、大きな理由になっていますね」

――基本プレイ無料に伴い、ビジネスモデルは既存タイトルのアイテム課金制に近いものを想定しているのでしょうか。

「基本的には、アイテム課金制のビジネスモデルになっていくと思います。今までのような“ガチャ”要素も残しつつ、選手を集めたり、自分の思い通りのチームを作ったりといった面白さを追究するゲームデザインを考えています。すべてのプレイヤーが公平なゲームを楽しめることを重視していますので、これらの有料要素で試合での勝敗が決まるような、いわゆるPay to Winにならないようなゲーム仕様になっています。」

――また、今作は次世代機からモバイルまで含めたクロスプラットフォーム対応も発表されています。こちらはどのような理由で決断されたのでしょうか?

「世界中の方に楽しんでもらうプラットフォームになりたいという部分が大きいですね。家庭用ゲーム機はもちろんですが、今はスマートフォンで遊んでいただいている方が多く、グローバルで見ればダントツでスマートフォンユーザーが多い。

 その中で、家庭用ゲーム機もパソコンも、そしてモバイルも関係なく、好きなデバイス、遊びやすいデバイスでどこでも参加できる形にしたいという思いがありました。ハードルをできるだけ下げて、好きなところで好きなデバイスを使い、無料で遊んでいただくという環境するために、クロスプラットフォームに対応しました」

――ただ、PlayStation 5とモバイルの対戦など、完全なクロスプラットフォーム対応のためには、開発側に高いハードルがあるのではないでしょうか。

「機種間のスペック差はもちろんあります。その中でオンライン対戦の品質は一定以上のものを担保しなければならないので、ビジュアルはそれぞれのスペックに応じたものになります。PS5であればハイクオリティーな描画になり、モバイルはモバイルに適した表示になるということですね。

 また、家庭用ゲーム機では有線でのインターネット接続が主流ですが、モバイルは無線しかありません。通信品質にはどうしても越えられない環境の壁がある中で、それでも対戦したい方、品質は守りたい方、いろいろな方がいらっしゃると思います。そのためにマッチングオプションを設定し、デバイスの制限を掛けたり、環境の近い人と遊べたりするようなフィルターを準備しようと思っております」

――開発には凄まじい作業量を要求されそうですね。

「そうですね。しかし、ゲーム体験に最も大きく関わってくる部分だからこそ、かなり気を遣って開発しています」

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