誰もがやりがち“歩きスマホ”の危険性は想像以上 心理学博士が解説する3つの危険要素

東京都板橋区の踏切で7月、31歳の女性が電車にはねられて死亡した事件はショッキングだった。場所は東武東上線「東武練馬駅」脇の踏切。女性はスマートフォンを操作しながら踏切内に入り、目の前で遮断機が下りたためその場に立ち止まった。警報音が鳴り響く中、踏切内に立った状態で、通過した電車に巻き込まれた。警視庁によると、女性はスマホに気を取られて、自分が踏切の外にいると思い込んだ可能性があるという。

痛ましい事故の再発防止策が必要ではないのか(写真はイメージ)【写真:写真AC】
痛ましい事故の再発防止策が必要ではないのか(写真はイメージ)【写真:写真AC】

“歩きスマホ”による事故はひとごとではない

 東京都板橋区の踏切で7月、31歳の女性が電車にはねられて死亡した事件はショッキングだった。場所は東武東上線「東武練馬駅」脇の踏切。女性はスマートフォンを操作しながら踏切内に入り、目の前で遮断機が下りたためその場に立ち止まった。警報音が鳴り響く中、踏切内に立った状態で、通過した電車に巻き込まれた。警視庁によると、女性はスマホに気を取られて、自分が踏切の外にいると思い込んだ可能性があるという。

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“歩きスマホ”をしたため駅のホームから転落したとか、赤信号なのに道を横断してしまったという事例をよく聞く。一つ間違えば、今回のような死亡事故につながる。“歩きスマホ”をしている人は少なくない。事態は深刻だ。

 そもそも、なぜこうなるのか。

 心理学博士の鈴木丈織氏によると、3つの要素が絡んでいるという。まずは「自分は大丈夫だ」と思い込む偏型バイアスという心理。危険が身に降りかかってくることを実感できないのだ。あとの2つは何か。鈴木氏が解説する。

「もう一つはスマホが小型であることです。昔の小学生は漫画雑誌を読みながら田舎道を歩いたものですが、漫画は判型が大きいので人の視野も広く、前方から車が走ってこないかを上目づかいで確認できた。ところがスマホは画面が小さいので視線を落とし、集中してしまう。加えて文字が小さいため、スマホを目に近づけてさらに没入。画面に目が食いついてしまいます。つまり歩きスマホをすると、自分が安全かどうかを客観的に認識できくなるのです」

 鈴木氏によると、被害に遭った女性はカンカンカンという警報音は聞こえていたが、スマホ操作に集中するあまり、それが自分の危機を知らせるものだと認知できなかった可能性があるという。

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