エヴァ主人公・緒方恵美「皆さんの26年とともにあった」 集大成迎えた作品に万感の思い

舞台あいさつに登壇した(左から)庵野秀明総監督、立木文彦、緒方恵美、三石琴乃、山口由里子【写真:ENCOUNT編集部】
舞台あいさつに登壇した(左から)庵野秀明総監督、立木文彦、緒方恵美、三石琴乃、山口由里子【写真:ENCOUNT編集部】

声を震わせた葛城ミサト役の三石琴乃

 今回、SNS上でファンから寄せられた質問にキャスト陣が答えた。「あなたにとってのエヴァ」という“直球質問”。立木は「難しいですけど、エヴァは今でも自分の中でクリアできないところもある。26年ずっとやってきたリアル人生ゲームみたいなところもある」と話した。山口は「エヴァのオーディションから、思ってもいなかった声優の世界に入った。自分の運命を変えられた作品」と実感を込めた。緒方にとっては「自分自身のもう一つの14歳の記憶」だという。

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 終盤にメッセージを伝える場面で、三石が声を震わせる場面があった。「この作品の葛城ミサトという役として、のたうちまわったり、喜んだり泣いたり叫んだりした時間が、いま、とっても愛おしく思っています」と声を絞り出した。

 また、山口が今後の世界公開の展開について、「私たち行ってもいいですよね」と願望を打ち明けたことを受け、三石もこんな希望を口にした。「(物語は)終わってしまいますが、これからみんなでいろいろ考察したり、海外の方とも(作品を通して)お友達になれたり、ワールドワイドな作品だと思っています。打ち上げ、パリにでも行きたい。なんていう夢を見ています」と話した。

 そして、緒方は熱いメッセージを込めた。「まず、役者というのは努力するのは当たり前ですが、運がなければ役者として生きていけないと思っています。そういう意味で私は、本当にありえない運をいただいてここまで来ることができた。エヴァンゲリオンのおかげですし、エヴァンゲリオンという運とご縁に出会えたことを心から感謝しています」と語り始めた。

 続けて、「この26年は自分自身の26年でもあります。そのときどきにいろいろなエヴァを作るたびに、エヴァを見た皆さんの心に芽生えた気持ち、ちょっと私たちとは角度が違うかもしれないけど、同じような形として皆さんの26年とともにあったと信じています。もちろん新しいファンの方々にもそれを振り返っていただき、そういう気持ちを皆さんと共有できたことは本当に幸せでした。でもこれはきっと、なくなるものではないです。今さらですが、シン・エヴァンゲリオンには(タイトルカットの最後に)リピートマークが付いています。何度も繰り返して見る中で、自分の中で新しい発見があると思います。私自身もこれからずっとそうなんだと思います」と、ファンとともに歩んできた思いを語った。

緒方恵美「これからも皆様と一緒に生き続ける」

 今後に向けても言及。「この先、またシンジに会えるのか会えないのか分かりませんが、いつ呼んでいただいても14歳に戻れるように、そういう自分でいられるように、これからもできる限り努力していきたいと思います。これからも皆様と一緒に生き続けさせていただければと思います」と話し、庵野総監督、キャスト、ファンへの感謝を述べた。

 95年のテレビシリーズ放送で社会現象を巻き起こした「新世紀エヴァンゲリオン」。2007年からは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズとして再始動し、「:序」「:破」(09年)「:Q」(12年)の3作が公開。「シン・エヴァ」は新劇場版シリーズ最新作にして完結編だ。庵野総監督が脚本・総監督を務めた「シン・ゴジラ」(16年)の最終興行収入82.5億円を超え、庵野総監督の作品の中で最高記録を更新している。

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