元AKB48・梅田彩佳が選んだ女優の道 “葛藤”する背中を押したマネジャーの言葉

「梅棒 12th WONDER『おどんろ』」では猪突猛進な警察官を演じる【写真:山口比佐夫】
「梅棒 12th WONDER『おどんろ』」では猪突猛進な警察官を演じる【写真:山口比佐夫】

活躍の場が広がり、年々増す期待と責任「ステージに立つのも怖い」

――初舞台から6年が経ち、今では帝国劇場で上演される作品に名を連ねるまでになりました。

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「年々、怖くなってきています(笑)。初舞台のときは、謎の自信だけがあって1ミリも緊張しなかったんです。まだ若くて怖いものなんてなかったんですね。でも、帝劇の初日なんて、つけまつげを付けることができないくらい緊張して手が震えて、『もうムリだ』と思ったりして……。そのときは、座長が舞台袖で肩をポンと叩いてくれたのですが、あれがなかったら立てなかったかもしれないです。

 年々、背負うものや期待されるもの、『ちゃんとやらなきゃ』という意識も重くなっていって、ステージに立つのも怖い。初日や2日目を経験すると、あとはもっと奥の深い楽しさが待っているんだと、どの舞台に立っても思うんです。それに、千秋楽が終わったあとの達成感を味わうと、もうやめられないですね」

――梅田さんはミュージカルに出演されている印象が強いのですが、今回出演される「梅棒」はどんな舞台なのでしょうか。

「実は、ストレートの舞台にはほとんど出たことがないんです。梅棒さんはセリフもなくてダンスだけなので、また違うジャンルですよね。梅棒さんのことは、2016年の第6回公演『GLOVER』に出演させていただいたときに、恥ずかしながら初めて知りました。それ以来ファンになって、ずっと見続けていたので、2回目の出演が決まったときはうれしかったです! 梅棒さんは“梅棒”というジャンルだと思います。ダンスが難しいという方でも気軽にダンスを知れて、好きになれる舞台です」

――「梅棒」の1番の魅力はどんなところにありますか。

「ダンスと熱さ! 私もそうですが、年齢を重ねてくると、熱くなったり、青春っぽく感じるものをちょっと恥ずかしくなったり、『もっと客観的にやればいいじゃん』とかって思ったり……。効率よく生きることや、効率よく何かをすることが当たり前になってくる中で、熱さや情熱を1番に持っているグループなんです。そこが1番の魅力ですね。梅棒さんの舞台って、笑いにいったつもりなのに、最後は泣けてしまうんですよね(笑)」

――今回演じる役について教えてください。

「警察官の役を演じます。梅棒さんの舞台では、プロット段階で『こういう役です』というものはいただけるんですけど、曲を作っている間にイメージが変わったり、やっぱりこうしたいという箇所も出てくるので、まだ確定のものはありません。でも、真面目で真っすぐすぎる猪突猛進。何事にも全力でぶつかっていっちゃったり、自分の気持ちが先行して、後のことを考えずに先走った気持ちでいっちゃうようなところは今の段階で感じているので、そこを大事に作りたいです」

――役作りで難しいと感じていることはありますか。

「年齢を重ねると、『こう言ったらこうなるかも』と考えながら生きている年数の方が長くなっていて、『感情で動くってどんな感じだったっけ?』というところが今、めちゃくちゃ難しいです。稽古中に『それだと優しすぎる』と言われたことがあったのですが、優しすぎるということは後々のことを考えて動いてるということだよなと思ったり。後先を考えず、気持ちで行動するというのは最近なかったことなので、難しいですね」

(後編に続く)

□梅田彩佳(うめだ・あやか)1989年1月3日、福岡県生まれ。2006年、第2期AKB48追加メンバーオーディションに合格。その後、総選挙16位となり選抜メンバーへ。チームBキャプテンとなる。NMB48での活動を経て、10年間所属したAKBグループを16年に卒業。14年に出演したブロードウェイミュージカルや、宮本亜門演出「ウィズ」への出演をきっかけに、ミュージカルに目覚め現在、本格的にミュージカル女優としての確立を目指している。

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