日本屈指のパワー戦士は元ジュノンボーイ 涙活でリセットしリングで大暴れ

ある日の飲み会で火野に異変「うわぁ~ヤバい」

 火野の誕生日が近いある日の飲み会のこと。お祝いのバースデーケーキがこっそり用意されていた。宴もたけなわ、ロウソクの立ったケーキが運ばれてきた。すると、それまでは「ゴッドファーザー」など、強いカクテルを平気な顔で、カパカパ空けていた火野に異変が……。

 無言で微動だにせず、じっとケーキを見つめている。どうした? 何か気に入らなかったのか? もしかして甘いものが苦手なのか? 参加者に緊張が走る。そのとき、火野の大きな瞳がウルウルと潤んできた。参加者で「ハッピーバースデー」の大合唱。豪快にひと息でロウソクを消す火野。「うわぁ~ヤバい。もうちょっとで、泣きそうだったわ。ヤバかった」と、独り言のようにつぶやいた。かろうじて涙をこらえていたようだ。

 ごつい体からは想像もつかないが、火野は涙もろい。大好きな映画を観ては泣くことが多いという。「感情移入してしまう。自分がそうだったらとか思ってしまうと、もう……」と、その両目が見る間にウルウルしてきた。災害に襲われながらも、生活再建に立ち上がる人々に触れては泣き、映画の世界に飛び込んでは泣く。

 悲しい、悔しい、切ない、やるせない……時には感激して、嬉しくてなど、涙を流すにはいろいろな感情があるが、涙を流すことで、脳がリラックスするという。いわば、心のデトックスだ。涙活しているからこそ、リング上では涼しい顔で、非情とも言えるクールなファイトを爆発させて、相手を圧殺できるのかもしれない。

 現在はフリー戦士として、DDTを中心に多くの団体から引っ張りだこの火野。これからも涙活でリフレッシュを繰り返し、パワーを充電していくに違いない。さらなる大活躍に期待が膨らむ。

次のページへ (3/3) 【写真】太い腕からド迫力の逆水平チョップを繰り出す火野裕士
1 2 3
あなたの“気になる”を教えてください