小川紗良、長編映画で初監督&作家デビュー…恩師・是枝監督から「自然と影響を受けている」

映画「海辺の金魚」【写真:(C)2021東映ビデオ】
映画「海辺の金魚」【写真:(C)2021東映ビデオ】

撮影後は本作の小説家にも初挑戦「1人でずっと掘り下げていくことでまた違う広がり方」

 初の長編映画ということで、勝手が違った点はあったのか。「顔の見える関係性の中で作っていたので、今までの映画作りの延長線上ではありました。それでも当然尺は長くなるので、脚本の書き方は改めて勉強しました。撮影中は子供たちが本当に自由で、機嫌が悪い時やけんかをする時もあって、コントロールは本当に難しかったです。それでも予定調和ではない広がり方が面白くて、それを作品に落とし込むようにしていました」

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 本作は5月に韓国で行われた全州(チョンジュ)国際映画祭インターナショナルコンペティション部門にも選ばれ、ワールドプレミア上映された。「全州は役者として参加したことがあったのですが、若いお客さんも多く熱気ある映画祭でした。質問もどんどん飛んできますし、その1つひとつが深く、こんなに映画が愛されている空間があるんだという印象が残っています。今回は監督作でオンラインでの参加でしたが、1つひとつの質問に真摯(しんし)に答えました。すごく充実した時間でしたね」と振り返る。

 撮影後は本作の小説化にも初挑戦。「出版社の方にお声掛けいただき、書き始めたのですが、面白かったです。映画はたくさんの人と一緒に作っていって、それはそれで広がりがありますが、小説は1人でずっと掘り下げていくことでまた違う広がり方をします。連作短編だったので、感覚としては1本の長編を書いているような心地でした」

「海辺の金魚」は初の商業監督作にして、作家デビュー作という記念すべき作品だ。インタビューは6月8日の25歳の誕生日に行った。

 今後については「今、役者としても、監督としても、執筆家としても、1つひとつが影響を及ぼし合いながら自分の中でバランスを保てているので、それを伸ばしていきたい。次回作では、小説を書いてから映画化という試みもやってみたいです。テーマとしては、子供のことも描き続けたいですし、食をテーマにした作品も作ってみたいです。食べることは生きることだと思うので」。今後の小川監督の動向に注目だ。

□小川紗良(おがわ・さら)1996年6月8日、東京都出身。2014年に公開されたミュージックビデオ「春の歌」でデビュー。その後「イノセント15」や「聖なるもの」など主演したインディーズ映画が話題に。18年ごろから本格的にテレビドラマにも進出し、読売テレビ・日本テレビ系「ブラックスキャンダル」、NHK「まんぷく」、AbemaTV「フォローされたら終わり」などで好演。監督としては大学時代に3作品の短編・中編映画を監督し、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」に3年連続で上映されるなど高い評価を得た。本広克行監督の映画「ビューティフルドリーマー」では主演した。

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