デビューで傑作映画のヒロインに大抜てきされた女子高生が10年後にたどり着いた場所

2011年の東京国際映画祭で日本映画・ある視点部門作品賞を受賞し、米サンダンス映画祭でも高く評価された小林啓一監督のモノクロ青春映画「ももいろそらを」(11年製作)が6月18日から東京・渋谷のシネクイントほかで[カラー版]として公開される。本作で初主演を務めた女優の池田愛(26)は「17LIVE」のライバーとして活躍中。そんな池田が、当時と今を語った。

「ももいろそらを」でヒロインを演じた池田愛【写真:ENCOUNT編集部】
「ももいろそらを」でヒロインを演じた池田愛【写真:ENCOUNT編集部】

池田愛インタビュー、2011年製作の映画「ももいろそらを」カラー版公開

 2011年の東京国際映画祭で日本映画・ある視点部門作品賞を受賞し、米サンダンス映画祭でも高く評価された小林啓一監督のモノクロ青春映画「ももいろそらを」(11年製作)が6月18日から東京・渋谷のシネクイントほかで[カラー版]として公開される。本作で初主演を務めた女優の池田愛(26)は「17LIVE」のライバーとして活躍中。そんな池田が、当時と今を語った。(取材・文=平辻哲也)

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 本作は間宮祥太朗&桜井日奈子W主演の映画「殺さない彼と死なない彼女」などで知られる小林監督のデビュー作。女子高校生が町の新聞作りに奔走する姿を描く。「未来から見た今」を紡いだという設定で、カラーで撮影されたものをモノクロ映画にして上映された。小林監督が映画賞受賞から10年の節目に、ハードディスクドライブの中身を整理する中、カラー映像が見つかった。

“男気”あふれる、新聞マニアのヒロイン、川島いづみをキュートに演じた池田は「最初の映画で初主演だったので、本当に魂を注ぎ込みました。10年越しに復活する映画ってなかなかないなと思うので、すごく不思議な感覚です。モノクロがカラーになっただけかなと思ったんですが、より鮮明に蘇った。どういう感想がもらえるのかなと楽しみにしています」と喜んだ。

 池田は1995年、横浜市生まれ。祖父に東映映画で活躍した俳優の大木実さん(1923-2009)、叔父に大木聡さん(1960-2012)を持つ。14歳の時に大手事務所に所属し、広島ガスのCMに抜てきされ、15歳の時に本作の主役をつかんだ。映画は国内外で高く評価されたが、当時は戸惑いの方が大きかったという。「何かお芝居の勉強をしてきたわけでもなく、“祖父から受け継いだ血だけを信じて頑張ろう”みたいな状態でした。映画の中のいづみちゃんは生き生きしているんですけども、これは自分じゃないな、と思ったんです」

 伝説の作品の撮影現場はどうだったのか? 「撮影は主に千葉で行っています。現場のスタッフは5、6人。監督が言ってくれたことを真似してやれば、正解だと思って演じました。監督と役者という感じではなく、仲良しのおじさんみたいな感覚で、スタッフも親戚のおじさんのような感じでした。お仕事という感覚以上に和気あいあいとしていて、チームワークもよかった。夏みたいな格好をしているんですけども、クランクアップは12月28日。私、寒がりなんですけど、いづみちゃんになりきっている時は寒さを感じていなかったんだと思います」と振り返る。

 その後は、東京国際映画祭でのレッドカーペット、作品賞受賞、米ユタ州で開催のサンダンス映画祭へ参加。「制服姿で東京国際映画祭のレッドカーペットを歩くって、意味が分からなかったです。夢なのか現実なのか。そこから、翌年にはサンダンスへ。もうウソでしょという感じ。上映が終わった時の拍手がものすごくて、泣きそうになりました。まだ高校生だったので、うまく感情のコントロールもできなくて、家に帰ってから、ものすごく泣いた記憶があります」

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