【愛車拝見】バイオリニスト・古澤巖は車の好みもクラシック 現在はタイプ2のワーゲンバスがお気に入り

ワーゲンバスをご機嫌で運転する古澤巖さん【写真:山口比佐夫】
ワーゲンバスをご機嫌で運転する古澤巖さん【写真:山口比佐夫】

レースで“女性が男性になった”というほど人生が変わった理由とは?

 マツダのロードスター・パーティーレース(モータースポーツベースグレードNR-A NDクラブマンによるアマチュアレース)に出始めたのは、今年で5年目になります。“ミスター ル・マン”といわれるレーシングドライバーの寺田陽次郎さんに誘われたのがきっかけです。僕は寺田さんが発起人の東日本大震災被災児童自立支援プログラム「Support Our Kids」に参加していて、あるパーティで紹介されたんです。寺田さんは「そんなに車が好きならやってみない?」と軽い気持ちでおっしゃったのに、僕が「ぜひ」と食いついて寺田さんが率いる“チーム・テラモス”に入れてもらったんです。カーレースにはロマンを感じていたし、入りたい人はたくさんいるけど、誰でも入れるわけではありませんからね。

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 1戦目の前日、筑波サーキットに練習に行って、1、2周走行しただけで、翌日もう本番。マニュアル車の運転さえおぼつかない、ヒール&トゥなんてもってのほかだったのに。接触事故でも起こしたら大変だから、「お願いだから僕のそばに来ないでください」なんて周りのレーサーに言って位置に付いたんですけど、そんなことを言う必要はなかった。「ヨーイドン!」でスタートした瞬間に、僕の周りに誰もいなくなって、みんな僕の前を走っていましたから(笑)。今年、ようやくビリから脱出できるようになったのですが、それまでずっとビリ。若い女性だけで参加しているチームがあって、それがまた速いので彼女らの車のお尻を追いかけていると、男として情けないやら、悔しいやら(笑)。寺田さんは「速ければいいってもんじゃない。レースは人となりが大事なんだ」って励ましてくれるんですけどね。

 レースに出るようになって、“女性が男性になった”というほど人生が変わりました。余計なものをそぎ落として、神経を集中させてスピードを出す。これって、ものすごい非日常体験で、ストレスが解消されます。おかげで公道ではゆっくり走るようになったから、スピードを出すのが好きな人にとってレースは必要なものじゃないかな(笑)。初めてマニュアル車を運転するようになった経験も大きくて、ギアの繋がり方とか坂道発進とか、車のエンジンとコミュニケーションをとりながら運転している感覚があってロマンを感じるんですよ。

次のページへ (3/5) 免許取得28歳と遅かったのは一流バイオリニストならでは
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