【愛車拝見】ボロボロのフェラーリ・ディーノ246GTを1000万円で買って30年乗り続ける元会社員の話

須山さんがレースに出場していたスーパーセブン【写真:須山泰宏さん提供】
須山さんがレースに出場していたスーパーセブン【写真:須山泰宏さん提供】

傘をさしてスーパーセブンに…

 今はこのディーノ246GT以外に、アストンマーティンではDBSスーパーレッジェーラ、ヴァンキッシュ、シグネット、そしてポルシェ・ケイマンS、MG-A、スーパーセブンなど、10台ほど所有しています。税金が大変なので、ナンバーを付けていない車もあります。念のために言っておきますが、自分はお金持ちではないです。可処分所得のほとんどを車につぎ込んできたので、お金はありませんが車はたくさんあります(笑)。

 ディーノ246GTをはじめ、古い車はいろいろトラブルが発生します。箱根の山道を走っていてエンジンが止まったこともありますし、炎天下でオーバーヒートして環状8号線をせき止めちゃったこともあります。スーパーセブンに乗っていたときは屋根がないので冬は寒いし、雨が降ってきたら赤信号で傘をさしてと……横断歩道を歩く人たちは笑ってましたね(笑)。

 車に利便性や快適性を求めるいたって常識的な考えでは「こんなに不便で手間がかかり、乗れる時間も少なそうな車」は無駄に映るかもしれません。でも、そのような非効率的なことのうえに成り立っているものが趣味だったり、文化だったりするかもしれません。僕は古い車を愛でる趣味は、「先人の偉業の産物である名車を、後世に伝えていく」素晴らしいことだと思っています。人には寿命がありますが、手間をかけてあげた名車には寿命がありません。自分が生きている間は、先人が築いてきた名車という文化遺産をあずかり、後世に引き継いでいく……そんな思いで車趣味、スーパーカー趣味を楽しんでいます。

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