IZ*ONE 正式に活動終了 海外ツアーが異様に盛り上がった理由は「一体感」の演出

ファンの熱量がハンパなかった台北公演

 ファンの熱量の高さは同年6月29日に開催された台北公演でも同じだった。開演前からファン7000人の大合唱が始まるなど異様な熱気に包まれ、メンバーのステージ登場と同時に歓声爆発。1階席はスタンディングのため少しでもメンバーに近付こうとファンが前へ前へと移動し、ぎゅうぎゅう詰め状態だ。筆者の印象としてはソウル公演以上の盛り上がりだった。

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 ソウル公演、台北公演は大成功だった。その理由を考えてみると、まず挙げられるのは熱烈なファンの存在だ。日本のコンサートと比べてファンの声量が全体的に大きいという印象がある。とにかく最初から最後まで騒ぎたいだけ騒いでアイドルのコンサートを楽しんでいる。そんなファンのてらいのない応援にメンバ―もパフォーマンスに力が入ったことだろう。

スマホ撮影黙認がアイドルとファンの距離を近付ける

 さらに、アイドルとファン相互のコミュニケーションを促しているのは会場の設営とそこまで厳格ではない警備体制だ。ソウルでも台北でも、ステージ上のメンバーとファンの距離が近く位置によってはお互いが手を伸ばせば届いてしまいそうなほど。また、とくにアンコールになるとファンがいっせいにスマホを取り出してステージ上でパフォーマンスするメンバーの動画を撮影し始める。メンバーも少しも嫌がることなく撮影者に“指ハート”を送ったりして楽しんでいる。お互いの距離感が近いのだ。あちこちに監視員がいるが、ほとんど口出ししない。ほぼ黙認だ。無数のスマホが揺れ輝く会場の光景は圧巻だった。

 著作権上の問題があるのは運営側もファンも承知だろうが、いまこの輝く瞬間を記録したいというファンの熱量の方が上回っている。「EYES ON ME : THE MOVIE」のエンディングにもその様子ははっきり映っている。付言すると、欧米のコンサートでもスマホ撮影は一般的だ。

 IZ*ONEのソウル公演と台北公演のとくに1階スタンディング席はまさしく戦場のようだった。会場に迫力がみなぎっており、ファンの大歓声と大合唱で一体感がハンパない。メンバーがすぐ目の前に立っているかのような錯覚すら感じた。日本ではIZ*ONEが出演した幕張メッセ公演を取材したが、最前列の客席からステージまでの距離がけっこうあってメンバーとの距離が遠い印象だった。もちろんスマホでステージ風景を撮影するなんてご法度だ。K-POPファンの多くは「アイドルとの距離感が近い海外公演を経験すると必ずハマる」と話す。それだけにIZ*ONEの海外ツアーに参戦できなくなったことが残念でしかたない。

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