思わず吹き出す「顔ハメ看板」で新年から福笑い。顔ハメ看板の魅力をウォッチ

香川県にある総本山善通寺で上司(左)との「2ショット顔ハメ」(2013撮影)
香川県にある総本山善通寺で上司(左)との「2ショット顔ハメ」(2013撮影)

良き上司であり「顔ハメ看板」の大切なパートナー

 普段は製造業で総務・経理を担当しています。会社に入って12年くらい。僕の上司は若い頃、全財産を叩いてフランスW杯を見に行ったそうで、そういった趣味に対しては、とても寛大な方です。会社も趣味のひとつとしてみてもらっているので、おかげでこうやって活動を続けることができています。出張先で撮影するときは上司にも「顔ハメ」してもらいます。また出張先の宿を予約するとき、僕は変わった宿が好きなので、いつも上司に相談せず、勝手に宿を予約するのですが、行ってみたら相部屋でベッドが1個しかなかったとか。そんなハプニングも許してくれます。

著書「顔ハメ百景」で訪れた長崎・小浜食糧 長崎銘菓クルス(2018撮影)
著書「顔ハメ百景」で訪れた長崎・小浜食糧 長崎銘菓クルス(2018撮影)

昼休みを使って毎日情報収集

 普段、昼休みに入ると、昼食はだいたい15分くらいで済ませて、すぐにパソコンに向かい、全国の看板情報のチェックを開始します。新しい看板を見つけたら、グーグルマップにピンを立てて、撮影したらピンを抜くという作業を入社からずっと続けていて、15年間で4100枚を超える全国の顔ハメ写真を撮りました(2019年12月現在)。 それでも、まだ2000か所ぐらい地図にピンが立ったままです。ただ、最近はネットですぐに出てくるような看板だと味気ないので、現地の方や、看板を作っている方に聞いたり、色んな情報を集めています。「こんな看板ありますよ」といった情報を提供してくれることもたまにあります。

「顔ハメ看板ニスト」塩谷朋之氏と著書「顔ハメ百景 長崎天領ぶらぶら編」
「顔ハメ看板ニスト」塩谷朋之氏と著書「顔ハメ百景 長崎天領ぶらぶら編」

観光と顔ハメのコラボ本「顔ハメ百景 長崎天領ぶらぶら編」を発表

 1冊目に出した「顔ハメ看板ハマり道」(2015・自由国民社)はこれまで撮った顔ハメ看板を数多く紹介するというテーマで作りましたが、「顔ハメ百景 長崎天領ぶらぶら編」(阿佐ヶ谷書院)は、旅の本を扱う書店さんとの縁で、出版関係者の方と出会い、毎回お酒を飲みながら企画会議をやっていたら、各都道府県の「顔ハメ看板写真」とその土地を紹介するというアイデアが思いつき、僕がよく出張に行っている長崎を手始めに紹介することになりました。形になるまでに1年かかりましたが、過去に撮った看板と出張の合間に撮ったものを集めて完成させました。制作中に看板が置いてあった施設が閉鎖されたり、撤去されてしまった看板もありますが、存在していたという記録が残せたのはよかったです。また今回本を出したことで地元・長崎の方たちにとても喜んでいただけたのが何よりも嬉しかったです。
(後編に続く)

協力:旅の本屋のまど、阿佐ヶ谷書院

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