福田麻由子が明かす“子役出身”女優の悩み「ありがたい環境だが、私はからっぽなんじゃないか」

4歳から子役として活躍してきた福田【写真:舛元清香】
4歳から子役として活躍してきた福田【写真:舛元清香】

戸田恵梨香の姿を見て「主役は特別な存在。主役ができるような役者になりたい」

 劇中では、ピアノ演奏しながら、園児たちと歌を歌う場面も。「ピアノは子供の時に習っていたんですけど、続かなくて。でも、古いプロフィールには“特技ピアノ”とあったので、監督は弾けると思ったようで…これは弾かないわけにはいかないと思い、友達の家でピアノを借りて、必死に練習しました。ここは緊張しましたね」と笑って振り返る。

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 家族構成も、ヒロイン・さくらと同じ一人っ子だ。「私の親は会社員と専業主婦で、(映画とは違って)今も仲がいいですし、平和だと思いますが、それでも家族って、いろいろあるじゃないですか。はたから見たら大したことではなくても、あの時は実はさみしかったみたいなことを引きずったりしますよね。私は父親との距離感は映画とは違いましたが、母との距離感は結構似ていて、友達みたいな母娘でもないし、過保護というわけでもなく、個々で存在しつつ、どこかで甘えながらも、そんなにいろいろ話すわけじゃない。結構、自分を重ねながら、演じた部分はあります」

 3年前の悩みは解消し、役者としての気力も充実している。「今後はまずは、人としてちゃんと生きていたい、と思っています。役者さんにもいろいろな形があると思います。人々を楽しませるエンターテイナーのような役者さんもいますが、私はそういうタイプじゃない。映画がそれほど好きではない人が観ても、面白いと思ってもらえるものを作りたい。街中で起きていることをちゃんと表現できる人になりたい。映画は作り物ですけど、時には、面と向かって話すよりも、リアルを感じられるもの。観てくださった方の近くに行けるような役者になりたいです」

 こんなことを思うようになったのは事務所の先輩、戸田恵梨香が主演したNHK朝の連続ドラマ「スカーレット」で妹役を演じたことが大きかったという。「『グッドバイ』の時は、主役も脇役も関係ないと思っていたんです。でも、最近は、“主役は特別な存在。主役ができるような役者になりたい”と思っています。それは恵梨香さんのお芝居を見て、改めて感じるようになりました」。悩んだ時期を抜けて、かつての自分と“決別”した福田は新たな目標に向かって歩き出そうとしている。

□福田麻由子(ふくだ・まゆこ)1994年8月4日、東京都出身。2005年、ドラマ「女王の教室」で注目を集める。その後も「白夜行」「Q10」「未来日記-ANOTHER:WORLD-」「連続テレビ小説 スカーレット」「メンズ校」のほか、映画「L change the WorLd」「20世紀少年 最終章 ぼくらの旗」「桜、ふたたびの加奈子」「FLARE フレア」「ラ」「蒲田前奏曲」など出演作多数。

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