アイドルグループ「乃木坂46」が28日、無観客生配信ライブ「乃木坂46　9th YEAR BIRTHDAY LIVE ～2期生ライブ～」を開催。昨年卒業を発表した堀未央奈は、本公演がラストステージとなり、2期生の仲間たちと特別な楽曲をファンに届けた。（取材・構成＝イシイヒデキ）

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　2013年3月28日に乃木坂46としての活動をスタートさせた2期生は、昨年3月、2期生のみでのライブが決定も、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から開催を見送ることに。その1年後、2期生の最終オーディションが行われた特別な日「3月28日」に、堀、伊藤純奈、北野日奈子、新内眞衣、鈴木絢音、寺田蘭世、山崎怜奈、渡辺みり愛、2期生8人だけの最初で最後のライブが実現した。

　待望の2期生ライブは、堀がプロデュースした衣装で8人が登場すると、2期生楽曲の「アナスターシャ」「ライブ神」「Am I Loving？」、さらに「走れ！Bicycle」でスタート。MCで堀は、「今、すごく楽しくて、ぜんぜん悲しい気持ちじゃない。今日はみんなでいい思い出を作りたいので、いっぱいアイコンタクトしてください」と、胸を躍らせた。

　円陣を行う際のスローガン「努力」「感謝」「笑顔」をテーマにしたブロックでは、各メンバーがセンターに立ち、それぞれの思い入れのある楽曲を披露。このブロックで堀が選曲したのは、「別れ際、もっと好きになる」だった。同曲は、15年にリリースされた「太陽ノック」に収録されたアンダーチームによる楽曲で、堀がセンターを務めた曲だ。

　ENCOUNT編集部が行った単独インタビューでも、「（夏のツアー・神宮球場ライブで同曲を披露した際）自分で考えて、気持ちを込めて作ったものは、ちゃんと伝わるということが実感できました。自分の中で自分のものにしてからパフォーマンスする、とこだわるきっかけでした」と、思いを明かしていた。

　そんな特別な曲で、アイドルとして完成された堀未央奈の姿を見せつけると、当時の複雑な心情を吐露する。

「乃木坂46に加入して、自信も実力も何もなかった私は、突然センターに選ばれました。そこからは、毎日、少しずつ落ちていく、そんな自分を見ていく毎日でした。もう、乃木坂を辞めようかな……、そう思っていた時、（太陽ノックで）選抜落ちし、アンダーメンバーになりました。ずっと離ればなれだった2期生と一緒に活動できる喜び、アンダーセンターとしてのプレッシャー、選抜として歌番組やライブに出られないくやしさ、いろんな思いが降りかかってきました」

　そして、涙で声を詰まらせながら、こう語った。

「次の選抜こそは、2期生全員であがりたい、そう思いながら、パフォーマンスにすべてをぶつけました。しかし、13枚目のシングル（今、話したい誰かがいる）では、2期生は誰ひとりとして……、選ばれませんでした。ですが、私には怖いものなんかありませんでした。それはみんながいてくれたから。みんなは、励ましてくれて、支えてくれて、強くてやさしい自慢の仲間です。私たちなら、どこにいたって強くなれる、強くありたい、そう思っています」

　このコメントのあとに披露されたのは、13枚目のシングルに収録されたアンダーチーム曲「嫉妬の権利」。さらに、「今、話したい誰かがいる」と続き、あの時のくやしさ、背負ってきた思いを全力のパフォーマンスでぶつけた。

　卒業の時が迫る中、堀は「卒業した2期生もきっと配信を見てくれているし、今いるこの8人もライブをしていて、出会えてよかった、この曲を2期生で歌えてよかったというのがいっぱいあって幸せでした」と笑顔。そして、秋元康氏が、昨年の「幻の2期生ライブ」のために書き下ろした楽曲「ゆっくりと咲く花」で心をひとつにして本編を締めくくった。