「確定申告の活用を」 バー経営の“はぐれ税理士”が指摘する給付金政策の改善点
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を踏まえ、十分な申告期間を確保するため1か月間延長の4月15日までとなった令和2年分の確定申告。自営業者やフリーランスは作業に追われている時期だが、一方で一般的なサラリーマンにはなかなかなじみのないもの。著書「桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?」(ダイヤモンド社)で税の基本知識をわかりやすく解説した高橋創税理士に、とっつきづらい税の面白さと、事務所を構える夜の街・新宿の人間模様を聞いた。
著書「桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?」で税についてわかりやすく解説
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を踏まえ、十分な申告期間を確保するため1か月間延長の4月15日までとなった令和2年分の確定申告。自営業者やフリーランスは作業に追われている時期だが、一方で一般的なサラリーマンにはなかなかなじみのないもの。著書「桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?」(ダイヤモンド社)で税の基本知識をわかりやすく解説した高橋創税理士に、とっつきづらい税の面白さと、事務所を構える夜の街・新宿の人間模様を聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)
「『税金』って言葉にどんなイメージがあります? できるなら聞きたくない言葉でしょ。税ってとにかく嫌われもので、必要に迫られないから、とっつきづらい実用書ばかり。でもこの仕事をやってると、人の不幸は蜜の味といいますか、実際に相談に来る人の話って結構面白いんですよ。税に興味がない人ほど、他人事で楽しく学べるような、漫画のような本を目指しました」
「鶴の恩返し」の鶴の食費は経費になるかに始まり、わらしべ長者の物々交換にかかる税、かぐや姫の“パパ活”交際費に確定申告が必要かなど、誰もが知る昔話を“無粋”な税の話で次々と切っていく同書。最終章では竜宮城から帰ってきただけの浦島太郎が、家や財産すべて差し押さえにあっていたという、救いようのない結末を迎える。なんとも理不尽な話だが、現実の税の世界も耳を疑うような例は昔話に引けをとらない。
「過去には脱税がバレて、開き直って脱税資金を経費に認めろと争った裁判がありました。結局は負けましたが、それがきっかけで法律が変わった。法律を変えざるをえなかったということは、当時は勝ってもおかしくなかった事例なわけです。扶養証明が必要なかった時代に、中国人が故郷の村に扶養家族が17人いると扶養控除を求めたこともありました。税制には穴だらけなところも、時代の変化に合わせていかなきゃいけないところもある。そういう先人たちの屍の上に、今の税制が成り立っているんですね」