コロナ禍で準備期間が二極化? 大打撃を受けたウエディング業界の現状

「テイクアンドギヴ・ニーズ」の岩瀬賢治代表取締役社長(左)と「ゼクシィ」の岡田麻祐子編集長(右)【写真:ENCOUNT編集部、ゼクシィ提供】
「テイクアンドギヴ・ニーズ」の岩瀬賢治代表取締役社長(左)と「ゼクシィ」の岡田麻祐子編集長(右)【写真:ENCOUNT編集部、ゼクシィ提供】

お世話になった人に感謝を伝える場という本質的考えがコロナ禍で加速

 これまでのような大々的なお披露目の場というより、周囲への感謝を示す場としての「結び目婚」。誓いの言葉を神父でなくお世話になった人へ向けたり、バージンロードに付きそう新婦の父だけでなく、両家の両親それぞれに何かしらの役割を持たせたりと、演出にも変化が見られるという。そんなもともとあった傾向が、コロナ禍でより加速したのではと岡田編集長は言う。

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「例えば、親族向けと友人向けとで式を分ける2部制ウエディングを編集部で提案していたんですが、コロナ前にはあまり広まらなかった(笑)。それが今は大人数を避ける選択肢として浸透してきています。当然、参加者の人数が少ない方が個々人と新郎新婦の交流は増える。お世話になった人に感謝を伝える場という結婚式の本質的な考えが、コロナでより如実になった印象です」

 また、結婚式の準備期間は平均8か月と言われるが、近頃では最短3か月プランなど、早めに挙げてしまおう派と、感染の動向を見つつ長めに準備期間を設けるタイプとに二極化しているという。「海外挙式も雑誌自体は売れているんです。今行けないからこそ、海外へのニーズ自体は高まっている。コロナ禍が明けるまで待つ人、それがいつになるか分からないからこそ早めに挙げてしまう人。この辺りもコロナ禍による変化のひとつと言えなくもありません」

「ハレの日消費」と呼ばれ、景気の影響を受けづらいといわれるウエディング業界。岡田編集長はこうも語る。

「結婚式は一生のうちに何十回も行くようなものではないので、イメージもそう簡単にアップデートされづらい。子どもの頃から憧れとして抱いている定番のキリスト教式が、圧倒的に人気が高いんです。個々人が選択できる領域は広がっていっても、結婚式を挙げたいという憧れの気持ち自体が薄れることはないのではないでしょうか」

 いつの時代も、人生の節目を祝いたいという気持ちは普遍的なもののようだ。

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