ホリプロ60周年記念作品で主演の大役 24歳・井上祐貴を突き動かす“原動力”

「ウルトラマンタイガ」では主演も務めた井上祐貴【写真:山口比佐夫】
「ウルトラマンタイガ」では主演も務めた井上祐貴【写真:山口比佐夫】

第42回TSCで審査員特別賞を受賞するも上京まで約1年半「正直すごい焦っていた」

 ホリプロ60周年という記念作での主演への大抜てき。「最初は素直にすごくうれしかったです。でも60周年記念映画と聞くとプレッシャーを感じますし、押しつぶされそうになったりもしました」と吐露。「でも選んでいただけたっていうことはやはり期待していただいているってことだし、そこに応えたいなって思いはすごく強かったのでプレッシャーを感じつつもできることは全部して、現場に入ろうと必死で準備しましたね」と、作品への真っ直ぐな思いを語った。

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 さらに「最初は喜びが95%だったんですけど、時期によってですね。(主演の話を)聞いてからクランクインまでがけっこう時間があったので、時期によってはプレッシャー95%の時もありました。ですが毎回現場に入るときにはプレッシャーももちろんあるけど、自信を持って入るようにしてましたね」と胸の内を説明した。

 2017年に開催された第42回ホリプロスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞したことを機に、俳優としての人生を歩み始めた井上だが、オーディション当初は芸能界入りを希望して参加していたわけではなかった。

「オーディションを受けるきっかけは友だちです。『受けてみれば?』みたいな感じで。『じゃあ、行ってみる』って。大学3年生の時にやりたいことが本当に見つからなくて、周りの友だちが就職活動をしていた時期で焦っていたんです。新しいことをやるのは好きだし『やってみよう!』って受けました。そしてオーディションが進んでいくにつれて『やってみたい! できるようになりたい!』って思うようになりました。最初は本当に何もできなかったので、気付いたら本気になっていました。

「ウルトラマンタイガ」(19、テレビ東京系)で主演に抜てき、そして今回の記念作での主演と順風満帆のように思えるが、「ウルトラマンが決まったのは正直、運が良かったです。そこは自分持ってたなって思っても良いのかなって」と笑う。

 そして「賞をいただいて上京するまでに約1年半ありました。その1年半は大学生だったのですが、その間の半年を使って、ミュージカル『ピーターパン』のお仕事もさせていただきました。ただ上京までの時間が自分の中で本当に長くて……。スカウトキャラバンの同期も上京したり、元々東京に住んでいたりと、正直すごい焦っていた。なのでやっと上京できるっていうタイミングでウルトラマンが決まってたというのは、うれしい気持ちと正直ホッともしていました。なので、そこからはもう必死ですよね。まずは『ウルトラマン』に必死でした。その後はこうして『NO CALL NO LIFE』のような作品に出演させていただけるたびにその期待に応えないといけないというプレッシャーを感じつつ、これからも感謝を忘れずにやっていきたいと思っています」とこれまでを振り返った。

 オーディションで自身の思うようにならなかったことをキッカケに俳優への思いを強くした井上。

「あの時できなかったのが良かったのかもしれないですね。本当に悔しかったので」

“負けん気”を原動力に期待を背負い、これからも進んでいく。

□井上祐貴(いのうえ・ゆうき)1996年6月6日、広島県出身。2017年に開催された「第42回ホリプロタレントスカウトキャラバン」で審査員特別賞を受賞。18年にミュージカル「ピーターパン」で俳優デビュー。19年「ウルトラマンタイガ」(テレビ東京系)でテレビドラマ初主演を果たす。趣味・特技はフットサル・サッカー、水泳、筋トレなど。アクション技術を向上させるべくレッスンにも通っていた。

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