ホリプロ60周年記念作品で主演の大役 24歳・井上祐貴を突き動かす“原動力”

ホリプロ創業60周年記念作品「NO CALL NO LIFE」が3月5日より全国公開(テアトル新宿ほか)された。事務所の節目となる一作で主演を務めた井上祐貴(24)がENCOUNTのインタビューに応じ、“大役”抜てきへの思いや作品への熱い思いを語った。

「NO CALL NO LIFE」で主演に抜てきされた井上祐貴【写真:山口比佐夫】
「NO CALL NO LIFE」で主演に抜てきされた井上祐貴【写真:山口比佐夫】

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 ホリプロ創業60周年記念作品「NO CALL NO LIFE」が3月5日より全国公開(テアトル新宿ほか)された。事務所の節目となる一作で主演を務めた井上祐貴(24)がENCOUNTのインタビューに応じ、“大役”抜てきへの思いや作品への熱い思いを語った。(取材・文=中村彰洋)

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 井上が演じたのは親からの愛情を知らずに育った不良少年・春川真洋(はるかわ・まひろ)。さわやかなイメージを持つ井上にとって対象的な役柄となったが、「難しかったです」と率直な感想を口にした。

「原作を読んでも、1回では世界観を自分の中に落とし込むことができなくて、なんとなくの流れを理解したうえで、もう1回読んで『あぁなるほど』となりました。でも、さらに春川真洋を演じるという目線で読むと、より分からなくなっちゃって……。自分が演じるにあたって『この時ってどういう感情なんだろう?』とか本当に理解に苦しんで……。原作はもちろんですが、台本も読んで、監督やプロデューサーさんといろんなお話をして春川真洋っていう男の子を自分の中に刷り込んで作り上げていったって感じでした」

 普段であれば台本を読み、「あの俳優さんがあの作品で演じていたあの役だな」とお手本にして想像するというが、今回は想像ができず、これまでとは異なる手法で役作りをしていったようだ。「本当に全然浮かばなくて、(台本を)読んでディスカッションして、読んでディスカッションしての繰り返しでした」と、自分自身で“春川像”を作っていったと明かした。

 作中では母親へ決別を告げるという切ないシーンがあるが、演じた際の井樫彩監督の後押しが忘れられないという。

「撮影の頃には(春川の)気持ちをすごく理解していて、演じていて、めちゃくちゃ苦しかったんです。なのでお母さんとのシーンで自分の感情がピークにいくように監督が現場で後押ししてくださったのがすごく印象強くて。普段あまり多くを語らない監督がそのシーンの撮影では『今どんな気持ち?』と寄り添ってくださったことで、自然と監督と僕の空気感で『(感情が)いま、きた。行きます!』みたいな感じでスタートすることができました。なので、お母さんとのシーンはすごく思い出深いですね」

 続けて、「あのシーンは秒数にしたら短いんですけど、春川のことを思うと、本当に苦しかったですね。1番大好きで愛情を受けたかったはずのお母さんに対して『あんたの前には一生現れない』って言うんですよ。想像しただけで『やばい……』ってなって。台本を読んだだけでも切なくなりましたが、いざその状況になるとより苦しかったですね」と振り返った。

 コロナ禍で行われた撮影だが、現場の雰囲気は明るかったようで、共演の優希美青についても「現場を明るくしていたムードメーカー」と説明。一方で、自身については「春川と向き合うことに必死で周りを気遣えるような余裕がなくて……。そこが僕の未熟なところなんですが、だからこそ役に対しての気持ちだけは負けないように毎日現場に行ってましたね」と明かした。

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