「究極の心理戦」制した那須川天心が“スーパーサイヤ人”で“トリケラトプス拳”を見せた理由

「運命に対決」を終えて明暗が分かれた白鳥(左)と原口【写真:(C)RISE】
「運命に対決」を終えて明暗が分かれた白鳥(左)と原口【写真:(C)RISE】

「残酷な天使のテーゼ」「魂のルフラン」の生歌披露

 また、女子でも話題の一戦が行われた。

 女子ミニフライ級(49キロ以下)のスーパーファイトで、初代RISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵(TEAM TEPPEN)が田渕涼香(拳聖塾)を迎え撃った。お互いに20歳という若き女子ファイター同士の一戦は、互いに決め手を欠いた結果、寺山が3-0で判定勝利。田渕の強さを出させずに女帝・寺山が勝利をもぎとった。

「勝ててホッとしている。右ストレートをもらったら倒れるなと危険視していた。練習(の成果)も1割も出せていないので、もっと出せるように。どんどん進化して世界に挑めるようになりたい」(寺山)

 ちなみにこの一戦は、「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌であり、寺山の入場曲の「魂のルフラン」と「残酷な天使のテーゼ」と2曲をアニソン歌手の高橋洋子が生熱唱して始まった。戦前、寺山は「驚きの方が大きくて……まさか本人が来てくれるとは思っていなかった。入場からかみしめて試合をしたい」とコメントしていたが、勝利後のリング上から「入場前から心強くて元気をもらった」「背中を押してもらった」と喜びをあらわにしていた。

 全試合終了後、伊藤代表は「セミ(原口VS白鳥)、メイン(天心VS志朗)は格闘技=倒すだけではない。これぞキックボクシング」と総括。

 さらに、来年の春にも訪れる「天心ファイナル」(キックボクシング卒業試合)に向け、現在、天心の対戦相手を育てる算段を思案中とのことで、今後のRISEの方向性も含め、近日中に発表することが公にされた。

 令和の格闘技界がさらに風雲急を告げる様相を呈してきた。

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