フジテレビは、歌舞伎俳優・市川海老蔵主演の十三代目市川團十郎白猿襲名記念ドラマ特別企画「桶狭間～織田信長　覇王の誕生～」を3月26日午後9時から放送することを決めた。

　同ドラマは昨年夏の放送を予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により海老蔵の市川團十郎白猿襲名披露公演が延期になったため、やむなく放送を延期。コロナ禍はいまだ変わらない状況にあるが、海老蔵とも協議の結果、公演に先立ってスペシャルドラマを放送することになった。

　同ドラマは、2万人におよぶ今川義元の大軍を2000人の織田軍が打ち破った日本史上最大の逆転劇「桶狭間の戦い」をテーマとする本格時代劇。海老蔵が織田信長を演じるほか、今川義元役に三上博史、信長の正室・濃姫役に広瀬すず、堀田道空役に竹中直人、木下藤吉郎（後の豊臣秀吉）役に中尾明慶、信長の父・織田信秀役に北村一輝、柴田勝家役に松田龍平、信長の生母・土田御前役に黒木瞳、斎藤道三役に佐藤浩市という豪華キャストがすでに発表されている。

　そしてこのたび、信長の少年期・吉法師役を堀越勸玄が、濃姫の少女期・帰蝶役を市川ぼたんが演じることが決まった。2人にとっては今回が初めての映像作品で、親子3人が同じ映像作品で共演するのも初めてとなる。

　2人の出演について海老蔵は「自分たちに出演を決めさせました。プロデューサーの方にどうするか聞かれて、自分たちで“やります”と伝えに行った。僕は受け入れただけです」とコメント。撮影は、海老蔵が真剣なまなざしで見守る中で行われた。ぼたんの出演シーンでは、何度かせりふの読み合わせのリハーサルを行い、時にアドバイスをする姿も。撮影後には「ちょっとアドバイスしたら、すごく良くなった」と父親らしい笑顔を見せた。勸玄のシーンについても「モニターを通すとぐっと良くなる」とこちらも満足した様子だった。

　フジテレビ第一制作室の高井一郎プロデューサーは「撮影はもう1年前のことで、勸玄くん、ぼたんちゃんともまだまだ表情に幼さが残る頃でしたが、役衣装となって現場に入った時には立派な役者で、監督の指示や海老蔵さんのアドバイスを真剣に聞き、実践していく姿はすでにプロフェッショナルでした。視聴者の心に残るとてもいいシーンになったと思います。どちらの現場も海老蔵さんの出番はなかったのですが、撮影を見守る海老蔵さんは、時に父として、また厳しい師匠として、くるくると表情の変わるのがとても印象的でした」と語っている。