青木真也がコロナ禍のシンガポールで激勝 PCR検査4回、ホテルに缶詰、驚きの入場…核心直撃

平本蓮にもプロモーションの協力を

――あー、仮想敵の作り方がうまいですね。

「カウンターですよね。実際、世の中もそれを求めていると思ったんです。負けたら何かを失うみたいな重さみたいもの。だからこそこの試合を受けて。だから割と納得して挑戦したんですけどね」

――キャッチコピーも「幸せな時間が来る」でした。

「それは、今までは怖さに勝つっていうのを打ち出してたんですけど、今回は好きなことがやれて、それをみんなに見てもらう。それが2020年に学んだことの一つだから。大量消費、大量生産に耐えきれなくなった人たちに対して、僕は流されないものを売っていますよっていうのを打ち出したんです。その方が僕の生活にも、皆さんの生活に張りが出ますよねっていう作り方をしたら、やっぱり深く刺さった」

――ちなみに今回のMMA戦も「格闘技戦」っていう言い方をしていたじゃないですか。

「ひたすら無骨に。今回はふざけたプロモーションはゼロ。シリアスなもの、一生懸命さしか出していないんです。何かをとがめたり、対立することによって盛り上げることはしていないんです。とにかく無骨にっていうのが今回のテーマでした」

――それがハマった?

「ええ。それと今回、 DDTのマッスル坂井さん、平本蓮選手にも協力してもらって。要は恥も外分もなく、使えるものはなんでも使わせてもらって。平本選手のような、数字を持っている若者に、照れずに『お願いします』ってやったわけだから。他には元日からAbemaのスタッフに取材してもらったり。全力でプロモーションをすることによって、引けない状態を作った。それを作れないと、年齢的に甘えちゃうと思う。要は、合わせる顔がないっていうところに追い込めたのは良かったと思います」

――今回、“バカサバイバー”は自分のことを「妖怪」だと言っていました。

「それは、(格闘技が)好きでやっているのが自分くらいしかいないじゃないですか。たぶん、ここまで好きなのは北岡悟と宇野薫くらいでしょ。クレイジーだと思いました。これは本気で思ったです。同世代の選手でも、それぞれの生き方がすごく出てくる」

――北岡選手は今回、Abemaの中継で、すごく愛のある解説をしていたと思います。

「信頼関係がありますからね」

――例えば、青木VSナカシマの勝敗予想を聞かれた際にも、「それは邪推(野暮)。青木選手に勝ってほしいでいいじゃないですか」と。すごく愛を感じました。

「ありがたいよねえ」

――ああいう姿勢はありがたいですね。

「後は、業界に対してなんとも思っていないんだなっていうのは思いました。それはライトなファンが近づいてきてもなんとも思わないけど、俺のことを本当に応援してくれるファンとやっていきたいなと思っちゃいましたしね。それと試合してみて、自画自賛だけど、いいものが作れたなって思いましたね」

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