テレビ東京は25日、4月改編に関するオンライン会見を開き、同局の看板経済ニュース番組「ワールドビジネスサテライト（WBS）」（月～金曜、午後11時）の放送時間を1時間繰り上げると発表した。枠移動は33年間の番組の歴史で初めてとなる。会見に出席した同番組の大江麻理子キャスターは「視聴者に寄り添うための選択」と繰り上げの背景を語った。

　同番組の放送時間は月～木曜は午後10時から、金曜は従来通り同11時からの放送となる。枠の変更というリニューアルについて同局の石川一郎社長は「3年ほど前から議論してきた」と明かし、「コロナの影響で生活時間帯が大きく変わり、ビデオリサーチの調査では23時台に就寝する人が半数近くいる。22時台に移ることで政治家、企業経営者など生の声をニュースとしてお届けできるのでは」と狙いを明かした。

　一方、同時間帯に放送されているテレビ朝日系「報道ステーション」との激突について同社長は「22時台はザッピングも非常に多い。ネット、SNSを含めて生き残っていくためには今日の経済事案は何かをきちんと整理して明日以降の生活、経済活動に生かせる材料を伝えたい」と気を引き締めた。

　大江キャスターはマスクを着用して出席し「『WBS』のメインキャスターはこの春で8年目となります。1年半前には想像もしなかった世界が広がっている。生活方式も変わりました。しなやかに形を変えながら皆様の生活に寄り添うために22時という選択になりました。今、経済も大きく揺れているので、経済報道に求められていることも増してきている。そうした中、改めて気を引き締め直して少しでもお役に立てたら」と意欲を見せた。

　また、同局系朝の情報番組「ニュースモーニングサテライト」から新生「WBS」へ異動となる同局の佐々木明子アナウンサーもマスクを着用し「50代に入りまして、人生100年の時代だと実感しています。50歳からの挑戦となりますが、人々の生活に寄り添いながら未来を少しでも映し出せれば」とあいさつした。

　BSテレ東「日経プラス10」（月～金曜、午後10時）のリニューアルも発表。「日経ニュースプラス9」とタイトルを変更し放送時間を月～木曜は午後8時54分、金曜は同9時54分スタートとなる。