「今際の国のアリス」の撮影秘話、超ミステリアスな役・村上虹郎が語る“新感覚”の現場

フォトブック「虹の刻」から
フォトブック「虹の刻」から

心に刺さった「パラサイト」監督の言葉“最も創造的なことは、最も個人的なこと”

 今後はどんな生き方を考えているか。「僕らの仕事(俳優)は他人がずっとやりたいと思っていた小説や企画に、職人として呼ばれているのだと思う。言ってみれば、大喜利みたいなもので、そのお題を演じる。音楽もやりたいとは思ったこともありますが、(母のUAと暮らしていたから)近すぎて、未知のものという感覚はなくて」。

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 別府の街を歩いていても、虹郎は人々から声をかけられる。マネジャーは同伴していないから、対応するのは虹郎本人。誰にも気さくに対応するし、握手を求められれば、「今はコロナだから」と言って、グータッチで対応する。

「俳優は、ミステリアスであるべきだという人もいて、パーソナリティーを見せないという人もいるけど、僕はSNSもキーだと思っているんです。この世界はオンとオフの2つの世界があるんだと思っていますが、1つの世界にプロフィールがないのは危険じゃないかと思うわけです。もちろん、SNSって、ある種の中毒性もあるし、ファンの方々との距離感が難しい。僕は結構、気まぐれというか、まだ自分の哲学もできあがっていないのですが、どんどんブレてもいいと思っているんです」

 まだまだ、いろんなものを貪欲に吸収したいとの思いがあるのだろう。心に刺さった言葉もいくつか引用してくれた。「オスカー授賞式で、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督が『最も創造的なことは、最も個人的なこと』だと言っていたじゃないですか。これは、(マーティン・)スコセッシ監督の言葉と言っていましたが、(ロバート)デ・ニーロも言っていたと記憶しているのですが、これは僕も大事なことだと思っているんです。今後は、もっとメジャーな作品にも出てみたいとは思っていて、その先を見てみたい。その一方で、インディーズにも出たい。そうすれば、インディーズの輝きも見せることができる。マスとインディーズを行き来している感覚は楽しいんです」

 その言葉通り、今後はメジャー作品への出演も控えている。コロナ禍で公開延期になった「燃えよ剣」(21年10月公開)では、幕末の人斬り、岡田以蔵を演じたほか、21年は、話題作への出演もあるという。

□村上虹郎(むらかみ・にじろう)1997年3月17日、東京都出身。2014年、第67回カンヌ国際映画祭出品作「2つ目の窓」で主演を務め、俳優デビュー。映画「武曲 MUKOKU」(17年)にて第41回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。主演映画に18年「銃」、20年「ソワレ」など。

※山崎賢人の崎の正式表記はたつさき、河瀬直美の瀬の正式表記は旧字体

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