世界的な動物写真家が伝授する…ネコをかわいく撮る秘訣、ネコとの理想的な関係とは

世界的な動物写真家の岩合光昭氏が「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族」(8日公開)を監督・撮影した。ミャンマーのインレー湖に建つ小さな家のネコの家族とヒトの家族の暮らしと、大家族のネコが暮らす北海道の牧場の四季を追った。岩合氏が語るネコをかわいく撮る秘訣、ネコとの理想的な関係とは?

(C)「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き2」製作委員会 (C)Mitsuaki Iwago
(C)「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き2」製作委員会 (C)Mitsuaki Iwago

岩合光昭氏インタビュー、ミャンマーや北海道で撮った映画が8日公開

 世界的な動物写真家の岩合光昭氏が「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族」(8日公開)を監督・撮影した。ミャンマーのインレー湖に建つ小さな家のネコの家族とヒトの家族の暮らしと、大家族のネコが暮らす北海道の牧場の四季を追った。岩合氏が語るネコをかわいく撮る秘訣、ネコとの理想的な関係とは?

――映画監督としてのフィルモグラフィーで言うと、立川志の輔さん、柴咲コウさん出演の劇映画「ねことじいちゃん」(19年)があっての「ネコ歩き」ですが、劇映画とドキュメンタリー、どちらが撮りやすいですか?

「両方、難しいですよ(笑)。柴咲コウさんとネコのシーンで、『OK!』と声をかけたら、『監督、ネコしか見ていなかったでしょ』ってズバリ言われてしまった(笑)。画面を作ることよりも、そのネコとヒト、ネコとネコや、他の動物との関係性が画面からはみ出てくるぐらいの方が面白い。それはドラマでもドキュメンタリーでも同じ。その楽しさ、苦しさがありますが、被写体を見る努力だけは怠ってはいけないと思っています」

――撮影・ナレーションを務めた「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き コトラ家族と世界のいいコたち」(17年)に続き、家族をテーマに選ばれましたね。

「ネコ科で家族や社会生活を営むのはイエネコとライオンだけなんです。ネコは母子の繋がりでお母さんが2匹以上いると、社会生活を営みます。北海道の牧場では、お母さんネコが複数の子に授乳していました。子ネコを見ると、あるお母さんのおっぱいから離れると、違うお母さんのおっぱいを飲んでいる。これはどういうことかなと思って、興味深かったんです。その共同保育と言われるものを見ながら家族を含めて社会生活を続けて見ていったら、この子ネコたちがどうやって育つのかなと。ミャンマーの場合は、小さな家で、ネコの家族とヒトの家族が一緒に暮らしている。その1年間を見届けたいな、と思いました」

――ネコたちはどうやって見つけるんですか。

「ミャンマーのきっかけはテレビ版のネコ歩きでした。現地コーディネーターに探してもらい、撮影10日ぐらい前にディレクターが見て、最終的に僕が確かめました。北海道の場合はいろいろ探したんですが、どれも今ひとつ。このままでは映画が撮れないぞ、というギリギリのタイミングで、雑誌『猫びより』の撮影に行った時に写真家の方から紹介してもらいました」

――岩合さんが現地入りして、ボツにする場合もありますか?

「ネコに拒否されるとダメですね。例えば、三脚を見ただけで隠れてしまうとか。注意しながら撮影するようにしていますが、気配りが大事なんです」

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