アイドル、ファン、島民が三位一体 STU48矢野帆夏がつなぐ“江田島ファミリー”の絆

西日本豪雨災害時の広島県内でのボランティア活動の様子【写真:(C)STU】
西日本豪雨災害時の広島県内でのボランティア活動の様子【写真:(C)STU】

広報大使として情報を積極的に発信し、ファンと江田島をつなぐ“架け橋”に

 広報大使就任はSTU48メンバーで初。故郷に関わる大役に、矢野は喜びをかみ締めた。そして、この「江田島市広報大使」の肩書が強い責任感を芽生えさせる。

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 母親がオーディションに応募したのがきっかけでSTU48に加入した彼女は当初、選抜落ちも経験して“アイドルの自分”に思い悩んだ。「私は何をしたいんだろう……」。そんなもやもやした気持ちを、大好きな歌とともに振り払ってくれたのが、地元・江田島と広島への熱い思いだった。

「広報大使という役職をいただいて、江田島が好きな思いはこれまで以上に強くなりましたし、市のお仕事ということで責任感が増しました。右も左も分からずにアイドルになって、なんのためにやっているのか悩んだ時期もありましたけど、こういうことをするためにSTU48に入ったんだなって。広島に恩返しがしたい――。その気持ちですべてがつながる感じです」

 瀬戸内での活動を大切にしているSTU48メンバーのなかでも、矢野の郷土愛は随一だ。広報大使就任前も、18年7月に西日本エリアが豪雨で大きな被害を受けた際には、広島の被災地でボランティア活動を行った。被災状況や日程の都合もあって江田島に行くことはかなわなかったが、「大好きな場所のために何かしたい」という思いの表れだった。

 そんな何事にも一生懸命な矢野の人間性に、小西氏も感銘を受けたという。

「矢野さんはとても熱いハートを持っている方。西日本豪雨災害の時も、土砂をシャベルですくったり、ボランティアのハードな仕事を率先してやりたいという気持ちには感銘を受けました。実際にお会いした時もとても明るい方で、きっとグループの中でもムードメーカー的な存在なのかなと。自然と応援したくなります」

STU48のイベントでも江田島を訪問した(左から)薮下楓、中村舞、矢野帆夏、今村美月【写真:(C)STU】
STU48のイベントでも江田島を訪問した(左から)薮下楓、中村舞、矢野帆夏、今村美月【写真:(C)STU】

 矢野は広報大使に就任以降、江田島の名所や店舗の情報を積極的に発信。ツイッターでは店名のほか、オススメ、営業時間、定休日、ワンポイントメモ、実際の写真まで掲載する充実ぶりだ。今年4月には、STU48 CHANNELの企画「第一回 温泉ロケ参加権争奪! ガチプレゼンで対決してみた」で、「Uminos Spa & Resort」(以下「Uminos」)の魅力を的確に伝えて見事に1位を獲得。その後、「瀬戸内温泉巡り企画」やSTU48 5thシングル「思い出せる恋をしよう」のスペシャルプレゼント「デジタル江田島観光ツアー」でも江田島訪問を実現させている。

 矢野が「Uminos」で購入し、オススメした特製タンブラーは、すぐさま在庫がなくなって、入荷待ちとなる盛況ぶりだった。支配人の下原勝氏は、反響の大きさに驚くと同時に、ファンの温かさにも心を打たれたと話す。

「矢野さんが来てくださった翌朝、最初のファンの方がいらっしゃってびっくりしました。タンブラーは白と黒の2種類あるうち、その時は黒が1個しかなかったんですが、『このあともファンの方が絶対に写真を撮りにくると思います。購入する分は(展示用として)置いていくので、入荷したら送ってください』と、厚意で言ってくださいました。それから普段の4倍は発注をかけて、予約をいただいたお客様には入荷次第届けています。矢野さんは広報大使としていろいろ情報を発信してくださっていますし、思いやりのある素晴らしいファンの方ばかりなので、本当にありがたいです」

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