“当たり前”となった要素から生まれる面白さ 傑作シリーズの最新作『Gears of War: E-Day』の魅力

サードパーソンシューター(TPS)の歴史に名を残す傑作シリーズ『Gears of War』。その最新作『Gears of War: E-Day』がついに登場した。

『Gears of War』最新作が登場【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】
『Gears of War』最新作が登場【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】

TPSの傑作シリーズから新作が登場

 サードパーソンシューター(TPS)の歴史に名を残す傑作シリーズ『Gears of War』。その最新作『Gears of War: E-Day』がついに登場した。

 舞台となるのは、地底から恐るべき脅威「ローカスト」が出現し、人類と彼らの長きにわたる戦争が始まった「エマージェンス・デイ」。シリーズ第1作より14年前の出来事であり、主人公のマーカス・フェニックスとドミニク・サンティアゴが、まだ伝説的な兵士になる前の姿が描かれる。

『Gears of War』と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、分厚いアーマーを身に着けた兵士たち、銃に組み込まれたチェーンソー、そして血と泥にまみれた苛烈な戦場だろう。2006年に登場したシリーズ第1作は、圧倒的な暴力と兵士たちの連帯を描いてきた。

チェーンソーを駆使するゲーム性は健在【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】
チェーンソーを駆使するゲーム性は健在【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】

 本作でもそのゲーム性は健在だ。押し寄せてくるローカストに銃弾の雨を叩き込み、頭を踏み潰し、チェーンソーで八つ裂きにし、そしてまた次の敵を倒す……。この暴力による原始的な喜びは、本シリーズが持つ最大の魅力と言えるだろう。マーカスが日本語ボイスで「一体殺った!」と声に出すところもまた、敵を“やっつけた”快感を高めてくれる。

戦闘の奥深さも魅力【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】
戦闘の奥深さも魅力【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】

 もちろん、ただゴアが凄まじいだけではない。本シリーズといえばカバーとタクティカルリロードだ。遮蔽物から遮蔽物に滑り込むように隠れ、敵の攻撃を避けながら発砲するアクションは今なお面白く、シリーズ初めてのプレイヤーでもどこかで体験したことがある遊びとして、すぐに手に馴染むことだろう。

 リロード時にバーが現れ、ジャストのタイミングでボタンを押すと、装填時間を短縮できるなどの恩恵があるタクティカルリロードのシステムも、多くのゲームで真似されたが、これもやはりステキな発明だったと感じられた。攻撃や回避といった立ち回りに、リロードのミニゲームが挟み込まれるおかげで、戦闘にさらなる奥深さと忙しさが追加されている。こんなちょっとした工夫によって緊張感がはるかに増していることに改めて驚いた。

ローカストのデザインも秀逸だ【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】
ローカストのデザインも秀逸だ【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】

 ローカストたちのビジュアルも素晴らしい。徐々に強大な敵が登場していき、規格外の大きさを誇るローカストの存在感も十分に描けていた。シナリオ上の演出も素晴らしく、レッチが地の底から出てきただけでも大混乱を巻き起こしたのに、ドローンたちがこちらの武器を使用して攻撃してくることに兵士たちが戸惑う姿が描かれていた。

 ただ、敵も味方もシルエットが黒いため、時折味方に発砲してしまうこともあった。その点は若干気になるところである。

ローカストを撃破するミッションがメイン【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】
ローカストを撃破するミッションがメイン【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】

 道中で武器MOD(改良パーツ)を集め、自分なりに武器をカスタマイズしていけるのも嬉しい。ミッションの内容はそこまで深くなく、大抵は攻めてくるローカストを撃ち殺していくものばかりなので、長時間のプレイで食傷気味になるところは否めないが、本作に求められていることは十分に達成できていると言ってもよいだろう。

 本作は長い歴史を持つシリーズであり、多くのプレイヤーにとって、マーカスとドムはすでにおなじみの存在だ。しかし、本作で描かれる彼らは、戦場を生き抜いてきた歴戦の兵士ではあるものの、未知なる脅威にさらされる。ゲーム序盤ではピストル一丁でアーマーも着ずに民間人の救出を行うシーンなどもあり、いつもの彼らから受ける印象とは異なるものがあった。

ストーリーには歴代作品とは異なる魅力がある【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】
ストーリーには歴代作品とは異なる魅力がある【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】

 長きにわたる人間同士の戦が終わりかけ、全く別の敵が現れ、急ごしらえのキャンプを作って臨機応変に対応していく軍隊の動きは非常にカッコよく、筆者が日本人であるという点もあり、被災者の支援に向かう自衛隊の姿を思い出した。ストーリーにおいても歴代のシリーズとは異なる魅力を感じたのは間違いない(中盤以降は全員がアーマーを着込み、予想通りの戦闘が続くが)。

 キャンペーン以外にも「Horde Siege」というPvEモードと「対戦」というPvPモードが存在する。Horde Siegeは4つのクラスを選び、さまざまなミッションに繰り出してクラスをレベルアップさせていく遊びで、対戦はその名の通り、チームデスマッチなどの往年のモードで撃ち合いが楽しめる。どちらも手堅い作りであり、長く遊べるコンテンツとして丁寧に作られていた。

PvPモードも長く遊べるコンテンツだ【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】
PvPモードも長く遊べるコンテンツだ【画像:(C) Microsoft 2026. All Rights Reserved.】

 目立って新しい要素はないが、オールドスクールなTPSの金字塔として仕上げられていた。カバーやタクティカルリロードといった今では当たり前になった要素が、こんなに面白かったのかと再認識できる作品と言えるだろう。シリーズファンでなくとも、ぜひとも触れてみてほしい一作である。

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