たかがパチスロ、されどパチスロ 射駒タケシが語るライター観「主役はパチスロ。自分はどうでもいい」

攻略誌「パチスロ必勝本」(辰巳出版)では雑誌の顔として数々の連載を持ち、CS放送では多くの番組に出演。関西で生まれ育った射駒タケシは、約30年、パチスロライターとして活躍し続けている。今回は、そんな“やんちゃな兄貴”の仕事への想いを語ってもらった。

大久保で「イタリアン酒場とみゑ」を経営する射駒タケシ【写真:ENCOUNT編集部】
大久保で「イタリアン酒場とみゑ」を経営する射駒タケシ【写真:ENCOUNT編集部】

Dragon Ash・櫻井誠との旅打ち番組は現在も放送中

 攻略誌「パチスロ必勝本」(辰巳出版)では雑誌の顔として数々の連載を持ち、CS放送では多くの番組に出演。関西で生まれ育った射駒タケシは、約30年、パチスロライターとして活躍し続けている。今回は、そんな“やんちゃな兄貴”の仕事への想いを語ってもらった。(取材・文=濱マモル)

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「始めたきっかけは、ルーキー酒井さんやディレクターと3年くらい前から仲良くなったんよね。そのディレクターが『パチスロ番組を企画しないといけない』ってなって、俺の名前をあげてくれて。『じゃあ相方を誰にしようか』ってなった時に、サクちゃんがパチスロ好きっていうのを聞いたみたいで。それで声をかけたんじゃないかな?」

 2013年、フジテレビONEで『パチスロ(旅)』がスタート。ロックバンド・Dragon Ashのドラマー・櫻井誠と全国でパチスロを打つ、従来の旅番組やパチスロ番組とは一線を画した内容で、現在も絶賛放送中だ。当初は、「パチスロ必勝ガイド」の初代副編集長としても有名なルーキー酒井もドライバー役として携わっていた。

「俺、『パチスロ(旅)』をやるまで、サクちゃんがパチスロ好きって知らなかった。もう(初収録から)14年か。でも俺、1人で実戦してた番組が20年続いたっていうのもすごくない? よくあれが続いたと思うよ。時代なんやろうね」

 今ではYouTubeなどで配信される機種説明動画。専門チャンネルで担当した実戦番組『射駒タケシの攻略スロットVII』は、その先駆け的存在だった。

「結構、数値は(番組内で)伝えた。『弱チェリーで(期待度)0.4%』とか。『設定差はスイカ出現率とボーナス』とかをずっと言ったりして。その合間、合間に感情を吐露するみたいな感じ。『なんや、この台! しょうもない』とか普通に言ってたもんな、タバコ吸いながら。

 今も動画とかに出させてもらってるけど、昔ほどはそんなにガッツリ数値とかは言わないかな。『パチスロ(旅)』は特に言わない。あれはパチスロ番組じゃないし、カットされんねん。俺、『何でカットすんの?』ってディレクターに理由を聞いた。そしたら『テロップ出すのが面倒くさい』って。『じゃあ、分かった。俺、もう絶対説明せえへんから』って。まぁだから、『パチスロ(旅)』の時は楽しい感じでやってる。あの番組、独特だから。見てる人はパチンコ・パチスロを一切しない人の方がたぶん多いのよ」

パチスロライターとしての自負「誇りもある」

 人とのつながりからオファーが舞い込み、そのオファーを受ける。一見すると流れに身を任せているだけのようだが、ライターとしてのキャリアを積み重ねるうち、責任感も芽生えてきたという。

「責任感的には、(漫画)『やんちゃブギ』が人気出た時に出たと思うんよね。『パチスロ必勝本』の看板じゃないけど、『俺がやらないと』みたいな。(ほかにライターが)いないから……みたいな感じで、たぶん、どこかで本気になったんかな。スイッチが入ったんかな。30歳前くらいですかね。パチスロライターという職業。そこまでは考えてないけど、『パチスロ必勝本』や『パチスロ7』っていう雑誌や漫画を背負ってるっていう感覚はすごい出たし、背負わされてた感覚もあったし。最初は背負わされてる感覚が強かったけど、ここまで来たらさすがにマジでやろう。本気で頑張ろうってなった」

 意識に変化が生まれると、当然、仕事への姿勢も変わってくる。

「30歳すぎたくらいからは、今と変わらないよね。俺は“たかがパチスロ”って思ってるけど、自分の中ではやっぱり“されどパチスロ”なんで。誇りもあるし。世間から見たら底辺の仕事やけど、別に、そんなのはどうでもいい。俺が好きでやってるから。だから、30歳すぎからは編集長とか、部長とか上の人たちと話すことも増えたよね。『雑誌どうしようとか、企画どうしよう』とか。20代そこそこで入った時は何にも考えてなかった。人のことなんてどうでもよかったんで。20代後半くらいまではちょこちょこ舞台もやってたけど、もう舞台もやめたし。逆を言うと、舞台の方に迷惑をかけるんで。こっちの仕事で練習いけないってなると、大人数に迷惑がかかるんで。それやったら、中途半端なことはしないでやめようっていう感じやね」

 20代はパチスロライターと並行して、演劇の舞台にも関わっていた。正直、舞台の経験は、パチスロ動画には活きていないそうだが、演者としてのこだわりはある。

「今の子たちとかって。YouTuberの子たちって、常にカメラを見るじゃないですか。強チェリー引いたり、強い演出が出たりすると。今はさすがにちょっとはするけど、基本的にカメラはあんまり見ない。なんでかって言うと、俺、主役はパチスロだと思ってるんで。それの横でしゃべってるだけっていう感覚で当時はやってたんで。俺は2歩くらい引いたところで(しゃべる)」

 昨今、パチンコ・パチスロも情報源は動画が主流だ。YouTuberや女性演者たちが台頭する中、それでもスタンスは変わらない。

「パチスロ台だけ撮ってくれればいいって感覚だったんで。『この台、おもしろいな』って思ってくれたらいいな……とか。『ここ、勝てるポイントなんやな』とか思ってくれたらいいなっていうのがあったから。俺自身がカッコよく映りたいとか、いまだに思ったことない。どうでもいい。けどまぁ、今は時代としてキャラ(演者)の方が立ってるじゃないですか。それも時代やしね。それはそれで全然いいと思うよ」

 何の気なしに始めたパチスロライターという仕事。当初は「何も考えてなかった」ものの、自身が監修する漫画が売れたことを機に「マジでやろう」とスイッチが入る。たかがパチスロ、されどパチスロ。「主役はパチスロだと思ってるんで」。このひと言に、射駒タケシのライター観が凝縮されているように思える。

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