元Juice=Juiceエースの27歳・宮本佳林、AI開発で後輩たちと同時期ブレイクの現在地「感情に波はない」

元アイドルグループ・Juice=Juiceでソロアーティストの宮本佳林が、今月19日から東京・新国立劇場中劇場で上演の『スクールアイドルミュージカル』(岸本功喜演出)に出演する。ソロ活動にAIをフル活用した配信などで話題の27歳が、ブレイク中の後輩たちとともに勢いを増している。

インタビューに応じた宮本佳林【写真:高田啓矢】
インタビューに応じた宮本佳林【写真:高田啓矢】

『スクールアイドルミュージカル』でアイドル部のセンター役

 元アイドルグループ・Juice=Juiceでソロアーティストの宮本佳林が、今月19日から東京・新国立劇場中劇場で上演の『スクールアイドルミュージカル』(岸本功喜演出)に出演する。ソロ活動にAIをフル活用した配信などで話題の27歳が、ブレイク中の後輩たちとともに勢いを増している。(取材・文=大宮高史)


【PR】世界の公道が舞台…ラリーの最高峰『WRC』をABEMAが全戦無料生中継

『スクールアイドルミュージカル』はラブライブ!シリーズ唯一のオリジナルミュージカルで、今回が3度目の上演だ。初出演の宮本からは気負いがなくも、確かな喜びが混じる言葉が返ってきた。

「歴史あるシリーズに関われること自体、すごくうれしいです。オーディション前から映像を見ていても、2次元から飛び出してきたようなキラキラ感がありました。稽古の現場でもスタッフの皆さんがその方向性を大切にされているのを肌で感じているので、寄せていかないといけないです」

 同作は芸能コースでブランド化に成功した大阪の滝桜女学院と伝統を重んじる神戸の進学校・椿咲花女子高の「アイドル部」が舞台。宮本が演じる滝沢アンズは、滝桜のセンターだが、その責任感や母親である理事長からの期待を重荷にも感じている。そして、椿咲花女子高のメンバーとの出会いを通じて自分の進む道を探していく。

「演出的にも『これはコメディー』とされているので、楽しい舞台にすることが第一です。その上で、皆さんが想像されているアンズちゃん像を裏切らないで、宮本の色をつけていきたいと思います」

 宮本自身は2013年、15歳でJuice=Juiceの結成メンバーとしてデビュー。20年に卒業してからもソロアイドルとして活動してきた。13年間酸いも甘いも味わってきたがゆえの、アンズへの共感も明かす。

「彼女は『アイドルが本当に自分のやりたいことなの?』という思春期らしい感情を抱えています。そうやって悩めること自体が、大人になった(笑)宮本にとっては尊いので、かわいさや甘酸っぱさを感じてもらえるよう演じたいです。私の10代も楽しいだけの活動ではなかったですし、声が出なくなったり、耳の不調も経験しました。『情熱だけで叶わない』っていうもどかしさも思い出して、お芝居に生かそうと思います」

 ミュージカル出演は、昨年の『四月は君の嘘』以来。今回は、世界観の違いに慣れるところからスタートしたという。

「『四月は君の嘘』は漫画とアニメで原作がありましたが、今回はオリジナルのストーリーです。作風も正反対で、私が演じた宮園かおりちゃんは死に近づいていく役で毎日、その重みを感じていました。でも、今回は誰が見てもかわいくて、楽しい気持ちを手放しで味わってもらえる作品です。お芝居の地盤から切り替えています」

「素直な心の反応からも逃げないでいたい」と語った宮本佳林【写真:高田啓矢】
「素直な心の反応からも逃げないでいたい」と語った宮本佳林【写真:高田啓矢】

10時間AI生配信のシステム構築

 芝居の組み立ては、舞台の要になる歌にも影響を与えている。

「大きな劇場では深い発声は大事ですが、この作品でそれをやりすぎると、舞台がまとう空気が急に変わってしまって違和感が出てしまうんです。それこそ『絵のタッチが変わる』くらいに。かわいくてキラキラした世界のお話ですから、らしさを崩さないで歌っていこうと思います」

 宮本といえば、新曲『HANAKIN』にちなんだ10時間生配信のシステムを自らAIにコードを書かせて構築、その裏側をつづったブログがSNSでヒットしたばかり。Juice=Juiceの『盛れ!ミ・アモーレ』でのブレイクと同じタイミングで、テクノロジー(テック)業界からも注目されたりとにわかに追い風が吹いている。だが、本人はいたって平常心だ。

「感情に波がないんです。表現の世界にいると、感情の起伏があった方がいいのかもしれないですが(笑)。こういう性格なので、昔から緊張もしないで生きてきました」

 それでも、劇中のセリフには心を揺さぶられたという。

「稽古がない日もラブライブ!シリーズのアニメを見たりして研究していますが、アンズちゃんも、他の子たちのセリフも心に刺さりすぎています。25歳も過ぎると、アイドルも『やりたい』っていう気持ちだけでは続かない現実が分かってきて(笑)。だから、AIを活用したり企画も考えたりと、裏方のようなアイデアもどんどん浮かんできます。でも、評価していただけるのって、大体が論理的に考えていない時なんです。『四月は君の嘘』でも初日直前までかおりちゃん像がぼんやりしたままだったのに、場当たりで突然『これでいいんだ』ってひらめきが降りてきました」

 感覚の力を認めつつも、自身の思考のあり方については一歩引いて冷静に捉えている。

「何でも論理で説明しようとするのも『逃げ』だと思っていて。人や自分自身を納得させることはできますけど、それって感情にふたをしてしまうことだと思います。あまり動じなくて平常心でいられるのが私のスタイルですが、素直な心の反応からも逃げないでいたいですね」

 Juice=Juiceでアイドルデビューしてから13年、ハロプロエッグ時代から数えると芸歴は18年になり、セルフイメージについてもやや達観しているようだ。

「『器用貧乏』と言われるタイプです。何でもそれなりに評価されてきた反面、カメレオンのようというか『宮本らしさ』ってはっきりしていないなと。そういうアイドルが似合うんだけど、自分らしさに思案しているところはアンズちゃんも近いかなと思います。そこからお芝居を練っていけば、私にしかできないアンズちゃんを見せられそうです」

心身のケアについても語った宮本佳林【写真:高田啓矢】
心身のケアについても語った宮本佳林【写真:高田啓矢】

心身ケア意識「疲れたらアミノ酸」

 パフォーマンスだけでなく、「AI配信」のようにファンを楽しませるアイデアもみなぎらせるべく、心身のケアも意識している。

「ちょっと前に『30代になると、若い頃は小バカにしていたサプリや玄米にハマる女性と同じ状況になって痛感した』っていうバズっているポストを見て、私も共感しました(笑)。若い頃の体力にはもう戻れないって宮本も痛感していて、頭が疲れたらブドウ糖だし、体が疲れたらアミノ酸をしっかり摂るなど栄養補給はよく考えています」

 そんな日々でも、今作への情熱を新たにしている。

「アンズちゃんの『やりたいからやる』っていうまっすぐな気持ちが、とにかくまぶしくて。宮本も長くアイドルをやってきて、『ステージに立ちたい』という初心だけでこんなに輝ける原点をあらためて『大事にしなきゃ』と思いました。キャスト一人ひとりのことも好きになってほしい舞台なので、宮本佳林のパフォーマンス自体も好きになってもらえるくらいの力量を出したいです」

 Juice=Juice時代は「絶対的エース」と称された宮本は、言葉通り、このミュージカルでもキラキラと輝くことを目指している。今は、その仕上げの段階だ。

□宮本佳林(みやもと・かりん) 1998年12月1日、千葉県生まれ。ハロプロエッグを経て、2013年には、Juice=Juiceの結成メンバーとなってデビュー。エースとして存在感を示し続け、20年12月に卒業。翌年からソロアーティスト活動を開始。他、24年の舞台『ザ☆アイドル!』、25年のミュージカル『四月は君の嘘』などに出演。今年7月にソロ5枚目シングル『HANAKIN/シャニカマー』をリリースした。

<公演概要>
『スクールアイドルミュージカル』
9月19日~26日 東京・新国立劇場 中劇場

原作:矢立肇 原案:公野櫻子

脚本・演出:岸本功喜 作曲・編曲:小島良太

出演:堀内まり菜、宮本佳林、浅井七海、安本彩花、南野巴那、杏ジュリア、仲村悠那、及川結依、清水理子、井上音生、由良朱合、村山結香、岡村さやか、蒼乃夕妃ほか

次のページへ (2/2) 【写真】元Juice=Juiceエース・宮本佳林のインタビュー別カット
1 2
あなたの“気になる”を教えてください