矢吹奈子、声優初挑戦で“一人三役” 明かした運命のひと言「自分の声を好きだと思ったことはないけど(苦笑)」

HKT48・IZ*ONE出身で俳優の矢吹奈子が、アニメ映画『縁の手紙』(9月25日公開。キム・ヨンファン監督)の日本語吹替版で声優初挑戦を果たした。憧れだった声優としての“初演技”や、実力派声優として知られる小野賢章との共演の感想など、初々しい今の気持ちを語ってもらった。

インタビューに応じた矢吹奈子【写真:増田美咲】
インタビューに応じた矢吹奈子【写真:増田美咲】

アニメ映画『縁の手紙』で主人公ソリ役

 HKT48・IZ*ONE出身で俳優の矢吹奈子が、アニメ映画『縁の手紙』(9月25日公開。キム・ヨンファン監督)の日本語吹替版で声優初挑戦を果たした。憧れだった声優としての“初演技”や、実力派声優として知られる小野賢章との共演の感想など、初々しい今の気持ちを語ってもらった。


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 本作は、友人をかばったことでいじめの標的となり、祖母の家がある田舎の学校へ転校することになった主人公の少女イ・ソリが、机の中に隠された不思議な手紙を発見したことをきっかけに新しい友人と出会い成長していく物語。手紙には、新しい学校で過ごすためのヒントと、「続きを探してみて」という謎めいた言葉が書かれていた。その言葉に導かれて出会ったのは、ぶっきらぼうな同級生のパク・ドンスン。差出人を知っているという彼とともに手紙の続きを探していくうちに、手紙に込められた“本当のメッセージ”が明らかになっていく。

 日本語吹替版では、声優初挑戦の矢吹が主演のソリ役を務め、同級生のドンスン役を小野が演じ、みずみずしい息吹でエモーショナルな青春ストーリーを紡ぎ出す。

――『縁の手紙』は韓国発、第26回プチョン国際アニメーション映画祭で審査員特別賞・技術賞・音楽賞の3冠を達成し、「人生最高のアニメ」「Kアニメの新たな可能性」と称賛を浴びた感動作です。作品や主人公ソリの印象は。

「お話をいただいた時、(IZ*ONEのメンバーとして)韓国で活動していたこともあったし、ずっと声のお仕事をしたかったので、すごくうれしかったです。韓国アニメを観るのは初めてでしたが、絵もきれいだし、韓国のカップラーメンが出てきたり、学校のチャイムの音も日本と違ったり、韓国文化を楽しみながら観れました。私は新しい場所に飛び込むのが楽しみでワクワクするタイプです。最初は不安いっぱいで転校したソリが、そこで手紙を見つけて、新しい発見にワクワクするところは自分と通ずる部分だなと思いながら演じました。ラストではやっぱり涙が出て泣いてしまいました」

――声優として初めて挑んだアフレコの感想は。

「声だけのお芝居は今回初めてでした。アフレコ映像ではキャラクターの表情がもう付いているから、そこに合わせて自分の感情を合わせるのがすごく難しかった作業の1つでした。最初はハキハキとしたアニメっぽいお芝居にしようかなと考えていたんですけど、音響監督さんとお話しして、ソリは学校に慣れているわけではないし、リアルさが出た方がいいということだったので、自分の思うままに演じたものが使われました」

今作で声優に初挑戦する【写真:増田美咲】
今作で声優に初挑戦する【写真:増田美咲】

実力派声優・小野賢章との共演は「緊張した」

――声優をやってみての発見はありましたか。

「まず台本を見て、映像作品にはない息のト書きに驚きました。『あ』、『は』、『うん』みたいに書かれていて、『これはどうやって表現するんだろう』となりました(笑)。今回は吹替版ということですでにオリジナル版の作品があって、“お手本”がある状態で収録できたのは私にとってはすごくありがたかったです。カラオケで映像を見ながら、台本片手にたくさん練習していました」

――ドンスン役の小野賢章さんとの共演の感想は。

「私の収録の前に小野さんがアフレコをされていたので、見学させていただきましたが、もう圧巻でした。動いている時の息遣いが、映像にリンクしすぎていて、『なぜ声だけであんなに動きが表現できるんだろう』と思いました。初めて一緒にアフレコをさせていただいた時は、すごく緊張しました」

――韓国の人気デュオ・AKMUのイ・スヒョンさんが担当した主題歌『Your Letter』の日本語版も矢吹さんが担当しています。主題歌を歌うのは初めてだそうですね。

「丸々1曲を1人で歌うことと、主題歌を歌うことは今回が初めてです。韓国ではソリ役のスヒョンさんが主題歌も担当されていて、本当にすてきな楽曲だなと思って聴いていました。『私が主題歌を担当できるんですか?』とびっくりしましたが、(吹替版で)ソリの声を担当するからそのままソリの声の歌になった方が物語的にもいいとプロデューサーさんが言ってくださったので、『じゃあ頑張ってみよう』という気持ちで取り組ませていただきました。過去にグループの表題曲を韓国語から日本語に訳詞したこともありましたし、そこも生かせるなと思いながら訳詞しました」

――訳詞の難しさは感じましたか。

「韓国語をそのまま日本語にすると一文がすごく長くなってしまうけど、楽曲の音の長さは決まっているので、そこに当て込むのがすごく難しかったんです。最初はガラッと歌詞を変えてみようかなと思っていました。でも、作曲家の方と連絡を取り合った時に、映画と歌詞に散りばめられている共通のキーワードは入れて欲しいとのことだったので、日本語でも自然になるように、そしてオリジナルの歌を聴いていた方でも違和感なく聴こえるようにと考えながら、バランスを意識して作りました」

――韓国に行っていてよかったなと改めて感じたのでは。

「直訳せずに済みますし、『韓国語ではここに2音入っているから(日本語でも)行けちゃう』といった音の取り方が分かるので、スムーズにいきました。たしかに韓国語ができるからこその挑戦だったのかもしれません」

声優の難しさについて語った【写真:増田美咲】
声優の難しさについて語った【写真:増田美咲】

韓国で巡り合った『すごく日本のアニメの声だね』の褒め言葉

――主人公ソリを演じ切り、主題歌を訳詞して、さらにその主題歌を自分で歌うという“一人三役”をこなしたことになります。

「声の表現は、こんなにも体力がいるんだと知ることができました。主題歌のレコーディングも5時間ちょっとかかって、あんなにレコーディング室にいるのも初めてでした(笑)」

――声優は体力を使う、と。

「声だけで表現することはいつも以上に感情を集中させる必要があって結構体力を使ったので、毎日帰ってから爆睡しました(笑)」

――今回の声優挑戦で、改めて自分の声について感じたことはありますか。

「自分の声を好きだと思ったことはないんですけど(苦笑)、オーディション番組に出た時にファンの方から声を褒めていただくことが多くて、当時は『そうなんだ』と受け流してしまっていました(笑)。でも、韓国で初めてオーディション映像のVTRが流れた時に、それを見ていたスタジオにいる方が『すごく日本のアニメの声だね』という発言をされていて、『私ってアニメの中にありそうな声なんだ』と思って、そこから少しずつ(声優を)やってみたいという気持ちが芽生えました」

――キム・ヨンファン監督も、「ソリの初々しさと繊細な感性を見事に表現してくださっていて、すぐに『ソリ』だという確信が持てました!」と矢吹さんの声優ぶりを絶賛していましたね。

「アフレコ中は不安すぎて、休憩のたびにブースの外に行って、『大丈夫でした?』と聞いて回っていました(笑)。私からすると自分の声にどうしても違和感があったんですけど、皆さんが『すごくソリに合ってる』『ソリの声になってるよ』と声をかけてくださったおかげで、自信を持ちながら演じることができました」

――最後に、ファンの方へのメッセージをお願いします。

「この映画は、手紙を通じて繋がっていく縁のお話です。男女で学園ものと聞くと恋愛のイメージがあると思うんですけど、この3人でしか感じられない絆、深い友情も見どころだと思います。SNS時代の中、お手紙だからこそ味わえる温かさを感じていただき、大切な人を思い浮かべながら観ていただけたらうれしいです!」

□矢吹奈子(やぶき・なこ)2001年6月18日、東京都生まれ。13年8月、HKT48の第3期生オーディションに合格し、翌年4月よりチームHとして活動を開始。15年9月からは、AKB48のチームBとも兼任する。18年には韓国で開催されたオーディション番組『PRODUCE 48』に参加し、グローバルガールズグループ・IZ*ONEとしてデビュー。21年4月にIZ*ONEとしての活動期間を終了。HKT48に復帰後、23年4月にHKT48を卒業。同年10月期の朝日放送・テレビ朝日系『18歳、新妻、不倫します。』で連続ドラマ初ヒロインを務める。25年は1月期のTBS系連ドラ『御上先生』や、夏上演のミュージカル『ブラック・ジャック』などに出演。

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