「被災地から逃げていい」タクシー使ってホテル療養…“二次避難のススメ”が大反響「日常に涙が…」

熊本地震発生から1週間あまり、いまだに復旧の見通しが立たないなか、被災地では過酷な日常が続いている。避難所生活を余儀なくされている被災者も多い一方、ネット上では一時的に被災地を離れ、被害の少ない地域へ身を寄せる「二次避難」の選択肢が話題を呼んでいる。「ハッとした」「救われました」など、被災者からの感謝の声も相次いだ投稿について、投稿者の女性に詳しい話を聞いた。

地震翌日から行列が絶えないアンテナショップ「銀座熊本館」【写真:ENCOUNT編集部】
地震翌日から行列が絶えないアンテナショップ「銀座熊本館」【写真:ENCOUNT編集部】

一時的に被災地を離れ、被害の少ない地域へ身を寄せる二次避難

 熊本地震発生から1週間あまり、いまだに復旧の見通しが立たないなか、被災地では過酷な日常が続いている。避難所生活を余儀なくされている被災者も多い一方、ネット上では一時的に被災地を離れ、被害の少ない地域へ身を寄せる「二次避難」の選択肢が話題を呼んでいる。「ハッとした」「救われました」など、被災者からの感謝の声も相次いだ投稿について、投稿者の女性に詳しい話を聞いた。

「ほんの1万円タクシーを走らせるだけで日常があります。動ける人は被災地を離れて!!」

 地震発生翌日の先月29日、SNS上で話題を呼んだ投稿。災害発生直後、被害の大きい地域を一時的に離れ、安全な場所で生活の基盤を再建する考え方は「二次避難」と呼ばれ、近年注目が高まっている。

 投稿では「避難所は動けない怪我人やお年寄りに譲って、密度を減らしましょう」「片付けは一度ホッとしてからでも大丈夫。ゆっくり足を伸ばして眠って、美味しいものを食べて、正常な判断が出来るようになってから戻って、現実と向き合っても遅くないですよ。逃げましょう!」と被災者の心情に寄り添う言葉がつづられており、「ほんとにハッとした」「これ本当に大事な話」「教えてくれた方へ。ありがとう」など、今回の地震で被害に遭った当事者からの感謝や共感の声も。1.3万件のリポスト、7.5万件もの“いいね”を集めるなど、大きな反響を呼んでいる。

 投稿者は2011年に東日本大震災を経験し、その後一家そろって移住を経験したという57歳の女性。現在は夫と大学生の長男次男、高校生の長女、2匹の愛猫とともにタイの首都バンコクの郊外で暮らしているという。

「東日本大震災の時、私は幼い子どもたち3人抱えて千葉・市川市に住んでいました。すぐ隣の新浦安は壊滅的にやられている一方、我が家の周辺は水が少し出たくらいで、被災したお父さんたちが、3メートル隆起したマンションのエントランスをよじ登って、通常運転の電車に乗って通勤していました。まさに、天国と地獄はピッタリ隣合っていました」

 女性は自身の被災経験から、被害の大きい被災地を一時的に離れ、生活基盤を立て直す「二次避難」の考えをことあるごとに発信。10年前の熊本地震の際にも同様の投稿を行い、「ハッとしました」「恐る恐る離れてみたら、そこは拍子抜けするほど日常で涙が止まりませんでした」など、多くの感謝の声が寄せられたと振り返る。

「実は今回、私が投稿するより先に、5年前の私の投稿が回ってきたんです。5年前は、道が悪い、二次災害で逆に迷惑、無責任など否定意見も多く、『できない理由』ばかりが飛び交っていましたが、今回は95%くらいが肯定的な印象でした。

 私が主張したいのは、被災地での避難所運営をすることの大変さ。体育館や公民館で、空調のない中で長時間過ごすことは現実的ではありませんし、避難所を運営する自治体職員もまた被災者です。一時避難は仕方ないとしても、物資輸送ルートの確保ができたら、そのルートで逆に被災者を県外のホテルや民宿に移送できるはず。国や自治体は平時からそのためのネットワークやシステムを構築しておくべきだと思います」

 今回の熊本地震では、大きな被害を受けたエリアは局所的で、同じ県内であっても変わらぬ日常が続いている地域も多い。被害の少なかった地域では、観光への影響も深刻化している。被災者が一時的に地元を離れ、生活再建の足がかりを築く二次避難という選択は広がっていくか。

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