山崎紘菜、30代で変えた仕事と人生の距離感「友人と会う時間すら罪悪感が…」 かなえたい意外な夢
俳優の山崎紘菜は、2011年の第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞し、芸能界入りした。デビューから15年。今月1日にスタートしたカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』(水曜午後11時)では、捜査一課のエリート刑事・鶴岡楓を演じている。30代を迎えた今、仕事との距離感、先輩から受けた影響、これから挑戦したいことを聞いた。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』に出演中
俳優の山崎紘菜は、2011年の第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞し、芸能界入りした。デビューから15年。今月1日にスタートしたカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』(水曜午後11時)では、捜査一課のエリート刑事・鶴岡楓を演じている。30代を迎えた今、仕事との距離感、先輩から受けた影響、これから挑戦したいことを聞いた。(取材・文=平辻哲也)
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大林宣彦監督の現場で俳優としての基礎を学び、ラグビーのアンバサダーとしてアスリートの生き方に触れ、20代前半にはハリウッド映画『モンスターハンター』にも出演した。山崎の俳優人生を語る上で、大林監督の存在は外せない。初めて台本に名前が載り、セリフをもらったのが大林監督の作品だった。現場での居方、俳優としての心構え。その原点には、今も大林監督がいる。
「初めて台本に名前が載ってセリフをいただけたのは、大林監督の作品でした。そこで監督から、現場での居方だったり、俳優としての心構えなど、一から全部教えていただきました。今でもその教えは大切にしていますし、私の原点は大林組にあると思っています」
山崎は大林監督の『この空の花 長岡花火物語』(2012年)、『野のなななのか』(14年)、『花筐/HANAGATAMI』(17年)、『海辺の映画館-キネマの玉手箱』(20年)に出演した。若い頃には「秘蔵っ子の一人」と言われたこともある。その言葉は、今も山崎の中に残っている。
「大林監督が見いだした、という名に恥じない俳優で在りたいです。いつかまた出会えた時に『こんなに頑張りました!』と胸を張って報告できるようにしたいです」
もう一つ、大きな影響を受けたのがラグビーだ。山崎は18-19年のジャパンラグビートップリーグアンバサダーを務め、19年のラグビーワールドカップ日本大会では開催都市特別サポーターとしても活動した。世界で戦う選手たちの姿を間近で見てきたことは、俳優としての考え方にもつながっている。
「スポーツと関わらせていただけたことは、とても大きな経験でした。同世代の世界で活躍されている選手のお話を伺ったり、厳しい練習に励む姿を間近で見させていただいて、自分も仕事に挑む勇気をいただいていました」
山崎自身も中学時代はバレーボール部、高校時代はデビューまでの1年間、陸上部に所属していた。スポーツの厳しさを肌で知っているからこそ、アスリートの姿勢は俳優業に重なった。
「俳優もアスリートと共通するところがあるのかなと勝手ながら思っていて、そのワンシーンや一瞬のカットのために、人生をかけて日々努力することが求められるところが似ているのかなと思います」
仕事に向き合う姿勢は変わらない。一方で、30代になって変わったこともある。以前は、友人と会う時間にすら罪悪感があった。
「仕事を始めたばかりの頃は、今こんなことをしている場合じゃないのではという妙な罪悪感がありました。でも今はあくまで生活の上に成り立つのが仕事で、仕事が人生の全てではないと考えられるようになりました」

手本にする先輩の姿「考え方がめちゃくちゃかっこいい」
今は、忙しい中でも、友人と会う時間を大切にするようになった。そこには、これから40代、50代をどう生きるのかという視点もある。
「すてきな俳優の諸先輩方を見て、自分が30代を突き進んで40代、50代を迎えた時に何を残したいかを考えるようになりました。どうしても体力的に仕事をセーブしなければならない日はやってくると思うので、その先の自分へ何が残せるのかを考えた時に、自分の生活も同じように大切にするようになりました」
ロールモデルの一人として名前を挙げたのが、俳優のりょうだ。2023年の舞台『ジャンヌ・ダルク』で共演し、りょうが山崎の母親役を演じた。山崎にとっては2回目の舞台。経験が少なく、戸惑うことも多かった。その時、隣にいたのがりょうだった。
「りょうさんが私のお母さん役を演じてくださって、それがきっかけで今でも仲良くさせていただいています。その舞台のメンバーは今でも仲が良くて、よく集まったりするんです」
稽古から本番まで、舞台は長い時間を共にする。映像作品とは違う濃密な関係性が生まれる。りょうの存在は、山崎にとって心強かった。
「私自身2回目の舞台で経験が乏しく、戸惑うことが多かったのですが、同じシーンが多かったりょうさんがずっと横で引っ張ってくださったので本当に心強かったです」
憧れるのは、俳優としてだけではない。人としてのあり方だ。
「りょうさんは生き方だったり、考え方がめちゃくちゃかっこいいんです。俳優以前に人間としても憧れています」
特にひかれるのは、潔さだという。
「潔よさと、凛としているところがとにかくかっこ良くて。余計なこと、雑念みたいなものが全くなく、考え方がすごくシンプルなんです。私は時々くよくよ悩んだりしてしまう瞬間があるので、見習いたいです」
山崎は32歳になった。後輩の姿にかつての自分を見ることも増えた。一方で、挑戦したいことはまだまだある。2026年は午年。山崎は「駆け抜ける年」にしたいと話す。
「年明けから、去年やっていた舞台に始まり、コンスタントに作品に携わらせていただけていているので、この勢いを止めないで、とにかく駆け抜ける1年にしたいです」
意外にも、まだ出演経験がないジャンルがある。時代劇だ。
「時代劇に出てみたいんです。映画、ドラマ、どんな舞台でも良いので数年以内にかなえたい夢の一つです」
刑事役、海外作品、アクション、時代劇、殺陣。やりたいことを並べる口調は、軽やかだが、芯は強い。15年で身に付けた経験を抱えながら、山崎は次のステージへ向かっている。
□山崎紘菜(やまざき・ひろな)1994年4月25日、千葉県出身。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。12年に映画『僕等がいた』で俳優デビューし、フジテレビ系連続ドラマ『高校入試』でドラマ初出演。20年公開の映画『モンスターハンター』でハリウッドデビュー。映画『LOVE LIFE』、『ブレイブ-群青戦記-』、BS-TBS連続ドラマ『御社の乱れ正します!』、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』などに出演。171センチ。
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