年内引退の上福ゆきが激白「やりたくなかった」最高峰王座挑戦の裏にあったファンへの思いと荒井優希戦

昨年9月、プリンセス・タッグ王座獲りを狙っていた上福ゆきにインタビューをした際に「これからも等身大の自分でやっていこうと思う」と語っていた。その上福が、年内でのプロレスラー引退を発表。東京女子プロレスの最高峰王座であるプリンセス・オブ・プリンセス王座挑戦直後の発表だったため、「らしいな」と感じたファンも多いだろう。173㎝という長身とビジュアルに恵まれ、これまでの女子プロレスラーとは異なるイメージを作ってきた上福へのインタビュー前編は、タッグ王者時代、そして最高峰王座への挑戦について聴いた。

プリンセスタッグ王者時代を振り返った上福ゆき【写真:橋場了吾】
プリンセスタッグ王者時代を振り返った上福ゆき【写真:橋場了吾】

Ober Eatsでは東京女子を広めるためにできることは全部やってみようという感じだった

 昨年9月、プリンセス・タッグ王座獲りを狙っていた上福ゆきにインタビューをした際に「これからも等身大の自分でやっていこうと思う」と語っていた。その上福が、年内でのプロレスラー引退を発表。東京女子プロレスの最高峰王座であるプリンセス・オブ・プリンセス王座挑戦直後の発表だったため、「らしいな」と感じたファンも多いだろう。173㎝という長身とビジュアルに恵まれ、これまでの女子プロレスラーとは異なるイメージを作ってきた上福へのインタビュー前編は、タッグ王者時代、そして最高峰王座への挑戦について聴いた。(取材・文=橋場了吾)

 2025年9月。上福ゆきは、上原わかなとのタッグ・Ober Eatsでプリンセス・タッグ王座を獲得。その後、半年間にわたって同王座を保持するも、今年3月末の両国国技館ではジ・インスピレーション(ジェシー・マッケイ&キャシー・リー)相手にベルトを明け渡した。

「上原はどう考えているかわからないですけど、自分としては過去イチで東京女子を“外”に広めようとしたタッグだったなと思います。もちろん試合でも勝負していたと思うんですけど、どれだけ自分たちが影響力を持って活動できるかという点では、それぞれの気持ちを持って意識していたなと。上原はテレビだったり大食いだったり、プロレス以外の部分でも存在を広めようとしていましたし、自分はそもそも東京女子を広めたいという気持ちが強かったので、ベルトをいい意味で使ってでも広めようという気持ちがあったので。できることは全部やってみようという感じでしたね」

 上福はかつて桐生真弥と“東洋盟友”という東洋大学の同級生タッグを組んでいたが、上原とのタッグは後輩と組むという、上福にとっては新しいチャレンジだった。

「真弥とタッグを組んでいたときは、タメだけどキャリアもすごく違うわけではなかったので、無理やり引っ張っていこうと頑張っていた部分はあったんですけど、上原に関しては(キャリア的に)完全に下の子だったので、余裕を持ってアドバイスしたり、器量を持って引っ張ったりできる上で組めたかなと思っています。オリジナル曲は……あいつ(上原)の意思ですからね(笑)。でも、この時代には必要かなと思って上原に引っ張ってもらいました」

荒井優希とのプリプリ戦は壮絶な戦いに【写真:(C)東京女子プロレス】
荒井優希とのプリプリ戦は壮絶な戦いに【写真:(C)東京女子プロレス】

自分がやりたいことだけをやっている人生ではなく、周りの期待にも応えないといけない

 その後、上福は荒井優希の持つプリンセス・オブ・プリンセス王座への挑戦を表明。ついに東京女子プロレスの最高峰王座に挑むことになった。

「タッグのベルトを落としたときに、上原のそばにいても(上原の)成長にならないというか、自分で泳ぐようにならないと本当の成長にはならないと思った部分はあります。(Ober Eatsにおける)自分の役目は果たせたかなと。実はシングルのベルトは全然やりたくなかったんですけど、周りからの圧が……『お前、やってなくね』みたいな(笑)。

 ファンの方も、勇気を振り絞って私に伝えてくるということは、それだけ見てみたいんだなと思って。誰かを引っ張るとか支えるとかではなくて、お前ががむしゃらなところも見たいんだよと言われているような気がしましたね。自分がやりたいことだけをやっている人生じゃダメで、周りの期待にも応えないといけないと思って、やりたくなかったんですけどやるって言いました」

 6月7日、後楽園ホールのメインイベント。荒井と上福の王座戦は、顔面を数えきれないほど蹴りあう激闘となった。最後は荒井のFinallyで上福は脳天を撃ち抜かれ、タイトル奪取はならなかった。

「次の日、めっちゃ頭痛かったです(笑)。お互い使う技が似ているんですよね、荒井とは。ブーツでやり返そうかなと思って『お互い蹴りあったら。すっきりするっしょ』みたいな感じで。疲れることをやるしかないんですよ、頑張りを見せるには。(荒井は)涼しい顔して、執念を感じましたね。SKE48という場所から東京女子に来るってことは、それなりの覚悟を持ってプロレス一本になったわけでしょうし。辛いことももちろんあると思うんですけど、アイドルで培ったアイデンティティというか自分の見せ方は、そのまま保ちつつプロレスで堂々とやっていく覚悟を持っている子だなと思っていますが、プロレスを除けばまだまだ可愛い女の子だと思っています(笑)」

(16日配信の後編へ続く)

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