「織田裕二を辞める瞬間がない」…共演者も脱帽の熱量 58歳で今なお輝き続けられるワケ
俳優の織田裕二はこれまで数々の名作に出演し、27日に放送されるテレビ朝日ドラマプレミアム『ダブルエッジ~甦った男』(午後9時)ではテレビ朝日ドラマ初主演を務める。現在58歳。揺らがない俳優としての熱い思いについて聞いた。

突っ走っていた若き日は「どこかでバリアを張っていた」
俳優の織田裕二はこれまで数々の名作に出演し、27日に放送されるテレビ朝日ドラマプレミアム『ダブルエッジ~甦った男』(午後9時)ではテレビ朝日ドラマ初主演を務める。現在58歳。揺らがない俳優としての熱い思いについて聞いた。(取材・文=小田智史)
1987年に映画『湘南爆走族』でデビューを飾った織田。91年に出演した連続ドラマ『東京ラブストーリー』の永尾完治役で大ブレイクし、97年にはドラマ『踊る大捜査線』で人気を不動のものとした。
今回、『ダブルエッジ~甦った男』では、元“捜査一課のエース”で現在は車いす生活を送る昭和型刑事・郡司を演じるが、その役柄になぞらえて、若いころの自分も「突っ走っていた」と振り返る。
「最近、某監督が僕のことを話しているの聞いて、『そんなに若いころ、突っ走っていて怖かったかな』と思いました。でも、冷静に今考えてみれば、確かにそうだったなと。若いころはそうじゃないと飲み込まれてしまうというか、ノーガードでいたら、どこへ連れて行かれるか分からない世界ですから(笑)。どこかでバリアを張っていたんでしょうね。いい人との出会いが多くて良かったなと思っていますし、今はそういうバリアはあまり張る必要がなくなったのもあるかもしれません」
キャリアを重ねたことでの変化について、「変な人はあまり寄ってこなくなった気がします(笑)」と冗談を飛ばしつつ、「やっぱり(俳優は)知られていないと意味がないので、どんどん知られたいと思って頑張るんですけど、知られると逆にいろんな人が(自分のところに)来ますからね。そういう意味では、“やりたいこと”よりも“やっちゃいけないこと”を重視して今に至った感じかもしれないです」と言葉を続けた。
「それ以外は、何でも自由にチャレンジし続けています。新しいことをチャレンジする時、『こんなことやるの?』というのも中にはあったりするんですけど、絶対にやってはいけないことでなければやってみることも大事だと思っています。そうすると、『こういう結果が出るんだ』と分かるので、また自分の武器になっていくんです」

「一番上の世代」となって強まる責任感
『ダブルエッジ~甦った男』の共演者からも、「織田さんが織田さんを辞める瞬間がない」「織田さんの熱量・エネルギーは尋常じゃない」との声が上がったという。58歳となった今なお、“パワフルでいられる原動力”を尋ねると、「(パワフルな)自覚はないですね」と笑顔を見せる。
「若い俳優で『熱いのをやりたいんです』とよく言ってきてくれるんですけど、僕的にはもう十分熱いんじゃないかなと思ったりします。僕らの若いころは、『もっと芝居の誇張をして!』『もっと面白く!』『それを1.5倍速で!』とかよく怒られたもんです(笑)」
1997年のアテネ大会から13大会連続でメインキャスターを担当した『世界陸上』しかり、“熱い男”のイメージは定着している。しかし、本人が俯瞰して見る織田裕二は至って「普通」だと笑い飛ばす。
「頑張っていない時の普通の自分も見せてみたいとは思いますけど、まだそういう脚本には出会っていないです。大体の作品が日常で一生に一度起こるか起こらないかの出来事を描いていることが多いので、普通じゃないんですけどね(笑)。僕も悔しさや不満を持ったり、飲んで忘れようと馬鹿騒ぎした時もありました。でも、もうこの年になると、人のせいにできない。『お前が一番上の世代だろ』という状況なんです(笑)。その責任あるポジションの中で、自分たちの言動によって次の時代がどう変わっていくかということも考えないといけない。当然、自分主体の主眼から、自然と広く見るようになっていった気がします」

連ドラで第1話からハマるのは「奇跡」
織田自身は、「生き物」だと表現する連続ドラマに対して強い意欲とこだわりがあるという。
「なぜ連ドラが好きかというと、作っていくうちにどんどんそれが生きていく感覚なんです。『初めまして』から始まることが多いので、最初からギアがかみ合うことは少なくて、ご時世的にも第1話からハマるというのは奇跡に近いくらい難しいことだと思っています。そこから合格点をちゃんと取れて、『面白い』から『次も見よう』というのがあったり、『パート2をやってくれないかな』と思ってもらえるような作品になるのが喜びです。連ドラは一番ハードでもあるんですけど、僕はいち視聴者として、気を張らず、気楽に見れるドラマを求めているので、アイデアを生かして楽しめる作品に携わりたいと思います」
今年12月に59歳を迎える中で、今後の目標について尋ねると、「目標という目標は特にないです」と再び満面の笑みを浮かべた。
「あの作品が最後だったという状況になっても、後悔のないようにしたいとは思います。自分だけ気合が入り過ぎていてもダメだし、人の組み合わせが毎回違うので難しいんですけど、『この作品に出会えて幸せだった』という喜びに持っていくためにはどうしたらいいか、なんとなく分かっています。化学反応を楽しみながら、その中でのベスト、ベターをはじき出していきたい。そしてそれを見てくれた人が『面白い』と感じてくれたら、もうこれ以上の幸せはないですね」
今、その瞬間を生きるために全身全霊を注ぎ込む限り、「織田裕二」は輝き続ける。
□織田裕二(おだ・ゆうじ)1967年12月13日、神奈川県出身。87年に『湘南爆走族』で映画デビュー。「踊る大捜査線」シリーズなど映画やドラマに多数出演し、日本のテレビ界・映画界をけん引するだけでなく、高校時代から音楽活動を行っており、2005年には歌手として第19回日本ゴールドディスク大賞を受賞するなど幅広く活躍している。世界陸上では、1997年のアテネ大会から13大会連続でメインキャスターを担当し、2025年の東京大会ではスペシャルアンバサダーを務めた。大型自動二輪免許、ダイビング(PADI)、国際レースライセンス(Cクラス)、一級小型船舶操縦士免許を保有。身長177センチ。
あなたの“気になる”を教えてください