『メガテン』鈴木一也氏が予告する“新作ゲーム”の存在「システムも世界観も斬新…楽しみにしていて」

『女神転生』シリーズで一世を風靡(ふうび)し、ゲーム史にその名を刻んだクリエイター・鈴木一也氏。その創作意欲は、還暦を過ぎた今もなお、衰えることを知らない。連載小説の執筆を続けながら、新作ゲームの企画も進行するなど、その活動はますます精力的だ。なぜ彼は、これほどまでに創作への情熱を持ち続けられるのか。生涯現役を貫くクリエイターの、終わらない挑戦を追った。

インタビューに応じた鈴木一也氏【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じた鈴木一也氏【写真:ENCOUNT編集部】

精力的な小説執筆活動、終わらない創作への情熱

『女神転生』シリーズで一世を風靡(ふうび)し、ゲーム史にその名を刻んだクリエイター・鈴木一也氏。その創作意欲は、還暦を過ぎた今もなお、衰えることを知らない。連載小説の執筆を続けながら、新作ゲームの企画も進行するなど、その活動はますます精力的だ。なぜ彼は、これほどまでに創作への情熱を持ち続けられるのか。生涯現役を貫くクリエイターの、終わらない挑戦を追った。(取材・文=関口大起)

『メガテン』(女神転生)を生み出したクリエイターとして知られる鈴木氏だが、その活動はゲームだけに留まらない。現在、小説投稿サイト「小説家になろう」で新作を公開している。今回のインタビュー中も「今日もうちの作品がランクインしてる。3日連続ランクインで幸先いいですよ」とうれしそうに報告してくれた。

 連載中の『カクリヨ東京 ~自宅警備員★神の使徒となって異世界で死闘する~』の物語は、かつて資金難で頓挫してしまったゲームプロジェクトのシナリオが元になっているという。

「シナリオを書いて、モンスターも100体以上作ってくれたのに、資金がなくなって潰れちゃったんですよ。そのシナリオがもったいないんで、生かそうと思って書き始めたんです。ただ、そのままだとあまりにゲームくさいので修正を重ねて、今の形になっています」

 ちなみに、『カクリヨ東京』の物語のゴールはある程度決まっているという。

「ただ、ゴールに至るまでのかなりの部分をまだ書けていないんですけどね。ゴールはあると言っても、書いているうちに物語の内容はどんどん変わっていきますし。でも、『カクリヨ』についてはゴールのあとにまた別の世界線を構想しているんで、まずは早めに結末に向かいたいと考えています」

 終わらない創作への情熱。広がり続ける構想。それこそ、“鈴木一也”というクリエイターの本質なのかもしれない。

『メガテン』が後継に与えた影響とオマージュへの喜び

 現在は、メジャータイトルよりもインディーゲームの動向を注視しているという鈴木氏。その理由を「“面白み”を感じるのがインディーゲームのほうが多いんですよね。個性があるし」と語る。最近では、『UNDERTALE』に心を動かされたそうだ。

「絶対メガテンを通っている人が作っているなと思っていました。そうしたら、『UNDERTALE』の作者が『メガテン』の会話システムを参考にしたと言っているのを知って、単純にうれしかったですね」

 自身の作品が血脈となり、次世代ゲームにも流れている。鈴木氏にとって、それは誇りでもあるという。

「あとは『Shadowverse』にルナっていうキャラクターがいて、彼女はお父さんとお母さんのアンデッドを引き連れているんです。で、『お友だちになって?』と言ってくる。OKすると、『じゃあ死んでくれる?』って。お前はアリス(※1)か! と思いましたよ。ここでオマージュしてくれるんだ、うれしいなって感じですね」

※1:『真・女神転生』に出現した、アンデッド・ヒロイン。ルナのせりふの元になった言葉のやり取りのあと、後ろに控える悪魔2体と戦闘になる。その後もメガテン・シリーズ

自らのクリエイティビティーを100%発揮できるインディーという光

 小説執筆と並行し、鈴木氏のクリエイター魂はゲーム制作の現場でも燃え盛っている。

「暇なときは暇なのに、忙しいときはなんでこう重なるんだろうね?」と笑いながらも、その表情は充実感に満ちあふれている。現在、鈴木氏は2本の新作ゲームに携わっているという。

「1つはホラーもののシナリオ。これは今年中(2026年中)には日の目を見ると思います。そしてもう1本は、本格RPGです」

 鈴木氏が手がけるRPG。この事実に、往年のファンは胸を熱くするに違いない。「システムも世界観も斬新ですので、ぜひ楽しみにしていてください」と自信をのぞかせた。

 過去には、シナリオを納品先で勝手に改変され、自身の作品とは似ても似つかぬものが世に出てしまったという苦い経験もした鈴木氏。

「キャラの設定や性格まで変えられちゃって、『ひどすぎるぞ』って怒りましたよ」

 そんな経験があったからこそ、すべてを自分でコントロールできるインディーゲームというフィールドは、鈴木氏には輝いて見えた。予算や規模の制約はあれど、自らのクリエイティブを100%反映できる環境には、何物にも代えがたい魅力がある。「とにかく今は楽しいですね」という言葉には、強い実感がこもっていた。

 クリエイターに定年はない。年齢を重ねるごとに知識と経験は深まり、新たなテクノロジーは表現の幅を広げてくれる。鈴木氏は、生きざまでその事実を証明し続けている。

関口大起(https://x.com/t_sekiguchi_

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