大阪・難波を拠点に活動するアイドルグループ「NMB48」が24日、大阪城ホールで「吉田朱里卒業コンサート～さよならピンクさよならアイドル～」を開催。10周年記念ライブに続き、吉田朱里の同期である1期生、山本彩、渡辺美優紀、山田菜々らも出演した。

“アカリン”の愛称でおなじみの吉田は、2010年に1期生としてグループに加入し、トップアイドルとして10年間、グループを牽引(けんいん)してきたばかりでなく、モデルとしても活躍。いち早くYouTubeでセルフメーク動画を配信し、コスメブランドプロデューサーとしても力を発揮するなど、”女子力おばけ”の異名をほしいままにしてきた。

　会場に訪れたのは約5000人。万全な感染症対策を取るなかで、最初で最後のNMB48卒業コンサートが始まり、会場はピンクのペンライトに染まった。和傘や着物風の衣装などをまとい、和をモチーフにしたお練りでしっとりと幕を開け、次第に演舞で熱を帯びていくステージ。白間美瑠はもちろん、山本彩、福本愛菜ら卒業生を含めた1期生10人で、吉田が初めて選抜メンバーになったメモリアル曲「絶滅黒髪少女」を披露した。

　映像の中で吉田は、「青春時代をNMB48にささげてよかった」と語り、スクリーンではリアルタイムのステージ裏を公開。セーラー服姿の吉田が登場すると、6期生までの現役メンバーで「青春のラップタイム」「待ってました、新学期」「しがみついた青春」と青春ソングを3連発、フレッシュに放った。

　吉田がプロデュースしたコスメ「B IDOL」のリップにちなんだコーナーも展開。加藤夕夏と石田優美がダンスでプロローグを飾った「束縛RED」は、3人で「誘惑のガーター」を超絶セクシーに。白間美瑠との1期生コンビ“あかみる”は「無敵テラコッタ」、デュオで「スキャンダラスに行こう」をにぎやかに魅せるなど、吉田だからできるコンセプトで7曲を披露。コーナー最後は「わがままPLUM」、7周年記念の大阪城ホールで初めてソロで披露した思い出の曲「わるきー」を“わるりん”名義で歌った。

　そんな吉田から、10年のアイドル人生を書籍化することが決定したと報告が。「10年で感じたことや経験したこと、生きていくうえで大事なこと、気づいたこと、NMB48で学べたことを伝えたいと思って、本にまとめます！」と宣言した。

　吉田が渋谷凪咲、村瀬紗英、太田夢莉と結成した「Queentet」も登場。「僕だけの君でいてほしい」では、卒業した太田も参加し、息の合ったダンスと歌で魅了した。さらに、卒業生の門脇佳奈子と木下春奈が出演した「なんでやねん、アイドル」では、カメラ片手にステージ上でYouTube撮影をする一幕も。また、同期で卒業生の渡辺美優紀、上西恵と3人でユニット曲「ジッパー」も披露し、吉田は「ユニットで初めてもらった大事な曲なので、来てくれてありがとう！」と声を弾ませた。

　映像でキャプテン・小嶋花梨への手紙も読まれた。20年、混迷した時間のなかでも、いつも前向きにグループのことを考えていたと小嶋のことを振り返り、「こじりんがキャプテンだから、今年も大阪城ホールに帰って来れたと思う。こじりんがキャプテンである限り、NMB48はもっと輝ける。これからはお姉ちゃんとのような存在として頼ってね。最後に、小嶋花梨としてももっと輝いてくれることを期待しています」とメッセージ。そして小嶋と2人で歌ったのは「友達」。吉田は小嶋の涙を指で拭き、そっと小嶋の背に手を添えた。

　クライマックスは、NMB48初のオリジナル公演であるTeam N「ここにだって天使はいる」で披露した「初めての星」、吉田が「AKB48総選挙 49thシングル 選抜総選挙」で初選抜となった「#好きなんだ」など、思い出の曲を。キラキラの笑顔とはじけるダンスで魅せる吉田は、全力のパフォーマンスでグループを引っ張っていく。本編最後は、「三日月の背中」を全員で歌唱。後輩たちに囲まれて歌う吉田の目からは、ここまで見せなかった大粒の涙がこぼれ落ちた。