岡本多緒が日本人初のカンヌ最優秀女優賞に輝く 濱口竜介監督の最新作が6月19日公開
フランス・カンヌで開催されている第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門の授賞式が、日本時間24日午前3時15分に行われ、映画『急に具合が悪くなる』(6月19日公開、濱口竜介監督)に主演するヴィルジニー・エフィラと岡本多緒が最優秀女優賞に輝いた。日本人での同賞受賞は史上初の快挙となる。

ヴィルジニー・エフィラとW受賞
フランス・カンヌで開催されている第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門の授賞式が、日本時間24日午前3時15分に行われ、映画『急に具合が悪くなる』(6月19日公開、濱口竜介監督)に主演するヴィルジニー・エフィラと岡本多緒が最優秀女優賞に輝いた。日本人での同賞受賞は史上初の快挙となる。
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同作は、世界三大映画祭すべての主要賞を獲得し、『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー賞国際長編映画賞に輝いた濱口監督の最新作。パリ郊外の介護施設「自由の庭」の施設長であるマリー=ルー・フォンテーヌは入居者を人間らしくケアすることを理想としつつ、人手不足やスタッフの無理解などに悩まされている。そんな中、フォンテーヌは森崎真理という日本人の演出家に出会う。がん闘病中の森崎が演出するのは、自閉スペクトラム症の孫・智樹と行動を共にする俳優・清宮吾朗の一人芝居。森崎の描く演劇に勇気をもらったフォンテーヌ。同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、フォンテーヌと森崎の交流が始まる。しかし、あるとき森崎は「急に具合が悪くなる」。森崎の病の進行とともに、フォンテーヌと森崎の関係は劇的に深まり、互いの魂を通わせ合うようになる。フォンテーヌと森崎が過ごす数日間を凝縮した3時間16分間は、観る者の魂をも浄化し、人生を変えてゆく。
今年は、コンペティション部門に日本映画が3作品同時に出品を果たすという、25年振りの快挙を成し遂げており、映画祭の開催前から話題となっていた。他2作品は是枝裕和監督『箱の中の羊』、深田浩司監督『ナギダイアリー』だ。
ワールドプレミアとなった公式上映後には、海外メディアから絶賛のレビューが相次ぎ、各国批評家たちの熱い視線が注がれていた。「Variety」は「見事!圧倒的な奇跡」、「The Hollywood Reporter」は「深く心を揺さぶる傑作」、「Screen Daily」は「優しさと好奇心を讃える優雅な賛歌。強烈に胸を打つ。ヴィルジニー・エフィラと岡本多緒の演技が見事だ」、「IndieWire」は「濱口竜介作品の最高到達点。映画史において、ここまで徹底的に『希望』を信じさせる作品が他にあっただろうか」と絶賛した。
今回受賞した最優秀女優賞は、コンペティション部門に出品された全22作のうち、もっとも優れた女優に贈られる賞で、本作主演のエフィラと岡本がW受賞を果たした。今回の受賞を受け、エフィラと岡本は抱き合い、ときに言葉を詰まらせながらも喜びの声を語った。
この快挙に「素晴らしい快挙」「もらい泣きしてしまった…」「おふたりのスピーチとても感動しました」「この受賞がさらなる飛躍となりますように」「あのスーパーモデルのTAOちゃんだった。モデルでも女優でも名をの残してるのすごい!」「『沈黙の艦隊』で海原の秘書・舟尾を演じてらっしゃるのですよね~。めでたや」など祝福の声が上がっている。
また、今回の受賞を記念した凱旋記者会見が26日午後1時から午後2時まで、日本記者クラブ10階ホールにて開催されることが決定した。会見には濱口監督、エフィラ、岡本が登壇する予定となっている。
受賞者2人のコメントは下記の通り。
○ヴィルジニー・エフィラ
「審査員の皆様、ティエリー・フレモーさん、ありがとうございます。そして、感謝と敬意、そして愛をすべて、濱口竜介さんに捧げます。映画の終わりに、私も涙を流したことを覚えています。私はこう言いました。『一瞬一瞬が喜びであり、光栄でした』と。この場所に立った多くの方々が、これが『チームの力』によるものだと語っていましたが、まさに私たち全員も同じです。ここにいらっしゃる音響技師のピエールさんをはじめ、撮影中、常に『撮影のあらゆる瞬間に、私たちはこれを体験してきた』と私に言い続けてくれたスタッフの方々のことを思い出します。おそらく、私が常に『一体感』を最も強く感じ、竜介が私たちに『冒険』をさせてくれた時間だったのかもしれません。いや、『冒険』という言葉では小さすぎます。一生忘れられない、いや、永遠に心に刻まれる人生経験でした。この作品が成功している点、私にとって並外れた勇気を感じるのは、相反する二つのことを同時に考えられるところです。つまり、状況がいかに絶望的でも、それを変えることを諦めないこと。濱口竜介監督は常にそこを見つめていました。彼は私たちの最高の部分を見つめてくれて、その部分がより一層存在感を増していくんです。本当にありがとうございます」
○岡本多緒
「どうもありがとうございます。とても感動しています。皆さんが選んでくださったおかげで、私のような平凡な日本人女優が、今日こうしてここに立っていられます。私が今日ここにいるのは、本当に素晴らしい監督のおかげです。そして、監督の脚本、演出、そして支えがあったからこそです。そして、ヴィルジニーがすでにすべてを語ってくれましたが、私たち二人だけでなく、スタッフ全員、そして出演者全員に対する愛と敬意がありました。毎日、撮影現場でその愛を感じることができたのは素晴らしい経験であり、この道を歩み続ける勇気を与えてくれました。私たちふたりを選んでくださったことに、心から感謝します。本当に信じられないことです。こんな映画はそう多くありません。私たちのように出会うふたりの女性を描いた映画は、ほとんどないのです。まるで夢さえも超えています。本当にありがとうございます。私の期待をはるかに超えるものでした。心から感謝します」
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