マリーゴールド退団の林下詩美、決断の理由は“焦り”と“嫉妬”「私にはあまり時間がない」

マリーゴールドの4.25後楽園ホール大会。マリーゴールド・ワールド王者の青野未来へのリベンジマッチに臨んだ林下詩美は、王座奪還に失敗。試合後のマイクで、マリーゴールドからの退団を宣言した。2024年5月の旗揚げから、マリーゴールドのエース格として屋台骨を支えてきた彼女に何があったのか、前編では退団の決意にいたるまで、そして今のマリーゴールドで期待している選手について聞いた。

マリーゴールド退団までを語った林下詩美【写真:橋場了吾】
マリーゴールド退団までを語った林下詩美【写真:橋場了吾】

他団体の選手の活躍は嬉しくもあり、嫉妬でもあり…

 マリーゴールドの4.25後楽園ホール大会。マリーゴールド・ワールド王者の青野未来へのリベンジマッチに臨んだ林下詩美は、王座奪還に失敗。試合後のマイクで、マリーゴールドからの退団を宣言した。2024年5月の旗揚げから、マリーゴールドのエース格として屋台骨を支えてきた彼女に何があったのか、前編では退団の決意にいたるまで、そして今のマリーゴールドで期待している選手について聞いた。(取材・文=橋場了吾)

 林下詩美が、マリーゴールド退団を考えたきっかけは何だったのか。

「『もっと上に行きたい』とうっすらと考えてはいましたが、私はマリーゴールドで後輩たちにもっとやらなきゃいけないことがあると思っていたので、その気持ちに蓋をしていたんですよね。それが年越し興行(12.31新宿FACE大会)で、敢闘賞をもらってその蓋が開いてしまった、という感じですね。マリーゴールドは後輩が多いので、自分のことももちろん大事だったんですけど、それよりも後輩が成長しないといけないという気持ちの方が強かったですね」

 その「うっすら」がよぎり始めたのは、他団体の選手たちの活躍だった。

「周囲の選手の活躍を見たときに、嫉妬といいますか……私もまだ(一選手として)頑張りたいという気持ちは、普通に出ましたね。私もまだ言うても8年目で、年齢も今年で28なので、まだまだ頑張れる年だなと考えていて、そういう気持ちが沸々と沸いてきました。年越し興行で蓋が開いてしまったときに、マリーゴールドでの生活は本当にすごい幸せで、かわいい後輩もたくさんいるんですけど、後輩の成長の支えになることはできますけど、これから先の自分がもっともっとプロレス界で大きくなっていくことは難しいのかなと思いましたね。できたばかりの団体なので成長過程過ぎて、28でまだやれると言いつつももう28だとも思ってしまっているので、そう考えると長い目では待てないなと。私にはあまり時間がない……みんなでこれから成長していこうというマリーゴールドでは“間に合わない”と思いました」

 もちろん、とある選手の大活躍は林下にも届いていた。

「嬉しい気持ちもありつつ、嫉妬の気持ちもありつつですね。私、こう見えて嫉妬するんですよ(笑)。あまり言わないだけで、自分に自信もないですし。でも、私もまだ頑張りたい、大きな功績を残したいという気持ちが出てきちゃいましたね。プロレス界で前人未到のことを成し遂げたわけじゃないですか。周囲から見ても納得の活躍だと思いますしね」

この入場シーンをマリーゴールドで見られるのもあと1試合【写真:(C)マリーゴールド】
この入場シーンをマリーゴールドで見られるのもあと1試合【写真:(C)マリーゴールド】

未来しかない選手がたくさんいることは団体にとってすごくいいこと

 林下の気持ちは大きく動かされ、5.23大田区の旗揚げ2周年記念大会を最後に新たな道へ進むことになった。とはいえ、林下はこの2年間に、未来が楽しみな選手にも出会った。

「やっぱり新しい後輩がたくさんいることはいいことだなと思いますし、まだできないこともあったり、がむしゃらな子たちではあったりはするんですけど、前向きに捉えれば未来しかない子達がたくさんいるということなので。それは本当に団体にとってすごくいいことですよね。プロレスを始めて、プロレスを好きになって頑張っているので、気持ちが強い子たちが多いことはいいことですよね」

 その中でも、林下が期待している3選手を挙げてもらった。

「私がゴリ推ししているのはゴチカ(後藤智香)なんですけど、不器用なところもたくさんあるんですが、私の隣で私が見ていたからには伸びてほしいというか、伸びなきゃおかしいという存在です。これまではtWintoWerで(天麗)皇希が主軸だったと思いますけど、(皇希の)欠場中にひっくり返ったと思うので、逆に皇希がどんどん前に出て行かないとまずい感じになりましたね。あと、個人的にすごく推しているのが(ザ・レディ・)AIですね。私はいちファンとして、AIが大好きです。AIの試合を見ていると、久しぶりに『だからプロレスが好きだったんだ、好きになったんだ』って思わせてくれるような試合をしているんですよ。

 めちゃめちゃ声も出ているし、がむしゃらで頑張っているという……AIを見ていると嬉しくなりますし、私が求めていた新人という感じです。AIは、本当に応援したくなるプロレスラーです。もう一人……(山岡)聖怜は何もしなくても成長するので(笑)、CHIAKIかな。CHIAKIは前の団体のときに見たことがあって、すごく動きのいい選手だなと思っていたんですよ。でも、もともとできている選手だからこそ、マリーゴールドに来てからの成長は思ったほどでもないかな……CHIAKIがここから先、もっと心を悪に染めた極悪坊主になれば、Darkness Revolutionはすごくなると思います。力もあるし、動きもいい。あともう一個ですね」

(21日配信の後編へ続く)

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