『龍が如く』が届ける“荒々しく熱い”ロックライブ 初の試みで伝えたい「カッコよさ」
ドラマチックアドベンチャーゲームシリーズ『龍が如く』初のライブ「龍が如く THE LIVE -IKIZAMA-」が、5月16日と17日の2日間、東京・Kanadevia Hallにて開催される。重厚なストーリーが人気を博す『龍が如く』だが、マップ上ではバラエティー豊かな娯楽を体験することが可能で、その自由度もプレイヤーから愛される理由の一つだ。そうした娯楽の一つとして長く親しまれてきたのが、カラオケ。キャラクターたちの歌唱でシリーズファンの耳に刻み込まれてきた曲たちに加え、ゲーム内で流れてきたお馴染みの楽曲たちをバンドの生演奏で楽しめるのが、今回のライブとなる。シリーズ初の試みについて、今回のライブで総合プロデュースを担当する堀井亮佑氏に話を聞いた。

「龍が如く THE LIVE -IKIZAMA-」が都内で開催へ
ドラマチックアドベンチャーゲームシリーズ『龍が如く』初のライブ「龍が如く THE LIVE -IKIZAMA-」が、5月16日と17日の2日間、東京・Kanadevia Hallにて開催される。重厚なストーリーが人気を博す『龍が如く』だが、マップ上ではバラエティー豊かな娯楽を体験することが可能で、その自由度もプレイヤーから愛される理由の一つだ。そうした娯楽の一つとして長く親しまれてきたのが、カラオケ。キャラクターたちの歌唱でシリーズファンの耳に刻み込まれてきた曲たちに加え、ゲーム内で流れてきたお馴染みの楽曲たちをバンドの生演奏で楽しめるのが、今回のライブとなる。シリーズ初の試みについて、今回のライブで総合プロデュースを担当する堀井亮佑氏に話を聞いた。(取材・文=片村光博)
――『龍が如く』シリーズ初のライブまで、あと1か月ほどとなりました。ライブ開催に至った経緯から伺ってもよろしいでしょうか。
「シリーズを20年以上続けてきていたら、ライブくらいどこかでやっていそうなイメージがあると思うんですが(笑)、僕らにとって今回が初めてのライブになります。もちろんライブ自体は『いつかやりたいね』という話はずっとしていましたが、僕らのスタジオが短いスパンでゲームをリリースするスタジオなので、そちらで忙しかったり、それ以外にもいろいろ他に優先するべきことがあったりして、なかなか具体的に進められていなかったんです。
ただ今回、僕がディレクターとプロデューサーを務めた『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』という新作が完成し、ゲーム作りが落ち着いたタイミングに、裏でコツコツ探していた会場などの開催条件が奇跡的にマッチしそうだったので『ここを逃しちゃいけない!』と思い、一気に実現に向けて動き出したという感じですね。
シリーズを20年近くやっているので、楽曲数もたくさんありますし、主題歌などで多くのアーティストの皆さんが曲を提供してくださったりもしているので、ライブをやるにしてもどういう内容にするのかは選択肢が幅広く、悩むポイントでもありました。多くのアーティストの皆さまを呼ぶフェス、みたいな方向性も当然考えましたが、『龍が如く』の初めてのライブなわけですし、ゲームの中の音楽を20年近く作ってきたうちのサウンドチームの手掛ける楽曲をやはり中心にしたいという想いが強く。最終的に、僕がライブのプロデューサーということもありますし『今回は僕らでずっと作ってきたカラオケ曲を軸にしたロックライブにしよう』という結論に至りました」
――開催が決定して、演者の方々はどのような反応でしたか?
「かなり以前から、桐生一馬役の黒田崇矢さん、真島吾朗役の宇垣秀成さん、春日一番役の中谷一博さんには『いつかライブは絶対やりたい。だからやるときは出てくださいね』という話をしていたので、決定をお伝えした際も『おお! ついにやるんだ』というような反応でした。だから僕らも演者の皆さんも満を持して、という感じですね。歌が苦手な宇垣さんだけは『ついにこの時が来てしまったか…』と不安そうでしたが(笑)」
――ライブの構成としては歌唱がメインだとは思いますが、豪華キャストが揃うということで、キャラクターを演じるようなパートもあるのでしょうか。
「せっかくの機会なので、キャラ同士の会話みたいなものも流れの中で入れ込みたいとは思っています。ただあくまでも今回は“ロックライブ”なので、楽曲や演奏を楽しむことを軸に構成しています。キャラ同士の演技パートや映像演出ムービーで世界観を構築していく“音楽イベント”みたいに寄せることも面白いとは思うんですが、今回はずっと作ってきた、愛する楽曲たちを1曲でも多く生で披露したい、盛り上がりたい、という想いが一番強いので。とにかく曲を大事にしたいんですよね。だから構成も時間の許す限り、僕たちの自慢の曲でガンガン攻めていくような形になると思います。
『龍が如く』シリーズは毎作様々なアプローチで楽曲制作をしてきましたが、ジャンル的にもスピリッツ的にも軸となっているのはやはりロックです。だからライブとなったらイメージできるのはやっぱりロックライブだったんですよ。ロックの荒々しさ、『龍が如く』らしい熱さがファンの方々に届くような、洗練されすぎないライブを目指しています」
――荒々しさという意味では、『龍が如く』のゲームとしてのイメージにも合致します。
「そうですね。『龍が如く』という作品自体もロック精神というか『他とは違ったゲームを作るぞ』という反逆・反骨精神、カウンターカルチャー性を大事にしているタイトルです。なので、ライブにしても他の祭事にしても、そういったタイトルのイメージやスピリットとズレたことはしたくないんですよね。そういう意味でも“ロックライブ”はハマると思っています。
特に今回は一発目なので、どういうライブにするかによって、今後の僕らの音楽やライブのイメージが決まってくる部分もあります。それならば、僕らが『俺たちをこういうイメージで見てほしい』と思えるものにしたい。
すごくきらびやかな、洗練された演出をしてエンターテインメントとして押し出してもいいんですが……。やっぱり『龍が如く』はそっちじゃなくて、多少荒削りでも、喜怒哀楽がゴチャゴチャ詰まっていて、熱くて、激しくて、尖っていて、人間くささを感じられるようなもののほうが良い。実現したいのはそういうライブです」
――楽曲を中心とするなかで、今回のライブならではの特色をどう出したいと考えていますか。
「演出のコンセプトは“もし桐生や真島や春日がロックバンドのボーカルだったら”というイメージで考えています。『今日は俺たちのライブに来てくれてありがとうな! 盛り上がっていくぞ!』というようなノリですね。変に演劇仕立てにしたり、ストーリーっぽくするような感じではなく、彼らとバンドの織り成す生のロックミュージックに皆が合いの手を入れて熱狂する、みたいな……。そうした体験ができる構成や演出にしたいなと思っていますね」
――ゲーム内のカラオケでキャラクターが入れている合いの手を、生のライブでできるのは楽しみですね。
「一体感が出て、盛り上がるところですよね。実は僕が作った『龍が如く』のカラオケのゲームデザインも、発想の元はライブだったりするんです。客とのコール&レスポンスだったり、お約束のフレーズだったり。そういうノリをリズムゲームに落とし込んだら楽しいなと思って考えたが、あの激しい合いの手だったりするんですよ。だからそういう意味でも、『龍が如く』のカラオケ楽曲とライブは親和性がすごく高いと思います。お客さんも『ここでこうやって盛り上がればいいんでしょ』と分かっていますし(笑)、数千人規模で一緒に合いの手ができたら絶対楽しいですよね」
――出演者の方々と楽曲の魅力で、大きな盛り上がりが生まれそうです。
「先ほども話に出た黒田さん、宇垣さん、中谷さんに加えて、ゲストで伊波杏樹さん、上坂すみれさん、ファーストサマーウイカさん、そして最新作『龍が如く 極3』のテーマ曲を歌っていただいたROTTENGRAFFTYのN∀OKIさんにも来ていただきます。ゲストは公演ごとに変わるのですが、それぞれに持ち歌があるので、ロックフェスでの『この人がこの日に来たから、この曲が聴けるかも!』というような楽しみがありますよね。当然ゲストによって演奏する曲も変わってきますので、楽しみにしていただければと思います。
ちなみに全3公演なのですが、完全に同じセットリストの公演はありません。例えば桐生の歌う曲のラインナップも公演ごとに少しだけ変えたりしていますので、全公演参加する方でも、毎回違った楽しみや驚きを味わっていただけると思います」
「音楽の良さ、面白さ、ユニークさを体感いただけるライブに」
――とても豪華な面々が出演されますが、これだけの方々を揃えるなかで苦労などはありましたか。
「今回の演者・ゲストの方は特にそうなのですが、本当に『龍が如く』というタイトルを愛してくださっている方ばかりなんです。それもあって皆さん乗り気で参加してくださったので、そうした面での苦労はなかったですね。もともとあった予定をズラしてでも参加する、と言ってくださったゲストの方もいらっしゃって。本当に嬉しかったですし、愛を感じました。
苦労というか難しかったのは、ぶっちゃけると会場選びですね(笑)。1回目のライブということで、実際どれくらいの人数の方に集まっていただけるのか分かりませんから。実は『龍が如く』では有料イベントというのはライブ以外でもほとんどやったことがないんですよ。ですから今回なら約1万円のチケット(A席:9800円/S席:1万3800円/極S席:1万9800円)で何人くらい集まってくれるのか、ある程度予測はできても正直結果はやってみないと分かりません。安易に大きな会場を取るわけにもいかないですし、かといって小さすぎてもチケットを買えない人が出てきてしまう。ちょうどよさそうな規模の会場は人気があり、土日の良い日程を確保するのは難しかったりもしますし……ああでもないこうでもないと長い検討と調整を重ねて、ようやく今回の日程と会場(Kanadevia Hall)にまとまった感じです。
このライブを成功させられれば、今までゼロだった“実績”ができるので、それを元に何かしらの次のアクションや未来につながっていけばいいなと思っています」
――まだ明かせない部分も多いかと思いますが、セットリストを作るなかで意識したことはどんなことなのでしょうか。
「カラオケの曲を中心としたライブではありますが、せっかくの初ライブなので一部の作品のテーマ曲やバトルBGMなどの楽曲も入れたいと思いました。『龍が如く』の音楽はカラオケのような歌楽曲だけではないですしね。主軸となる歌もののカラオケ曲を軸にしつつ、一部テーマ曲やBGMをうまく混ぜ込んで流れを作り、一つのロックライブとしてまとめるような形を意識しました。『龍が如く』の音楽のカッコよさや面白さ、幅広さが明確に伝わるようにしたいので、それに合った楽曲を中心に、尺の限り楽曲を詰め込んでいます」
――これだけ楽曲があると、セットリスト作りでも悩まれることが多いかと思います。
「そうですね。カラオケ曲だけでも50曲以上、BGMはリミックスや劇伴も合わせたら1000曲近くはあると思いますから。当然悩みましたが、結果的に良いセットリストになったと思います。これがラストになったとしても後悔はない、と言えるようなラインナップなので、楽しみにしていてほしいですね。
――今回中心となるカラオケ曲には、黒田崇矢さんの歌う『ばかみたい』のようにゲームをプレイしたことのない層にも知られている楽曲があります。そうした楽曲が目当ての層もライブには参加されそうですね。
「ええ。『ばかみたい』が代表例ですが、YouTubeや動画配信から『龍が如く』を好きになってくださる方は最近すごく多くて、そういった方々が最初に接触しているのがカラオケだったりするんです。ゲーム自体は難しくてできなくても、動画を見て『この曲は知っている』『なんか面白いな』となって、そこからハマってくれたりしています。『ゲームはやってないんですけど、曲がすごくいいから、いつもSpotifyで聴いています』という方もいらっしゃるんですよ。『ばかみたい』を含む『龍が如く』のカラオケ楽曲は、ゲームをまったく知らない人が聴いたときに『あ、いい曲だな』と思っていただける曲をずっと目指して作ってきたので、そういった方々の存在は本当に嬉しいです。
今回のライブは、選りすぐりのミュージシャンの方々に声をおかけして最強のバンドを組んだのですが、僕が生バンド演奏にこだわったのも、“ライブ”というJ-POPのヒットチャートやアーティストの方々の土俵にきちんと“音楽”として挑みたい、という想いからだったりします。とにかく曲を大事にしたいし『ゲーム音楽だから』とか関係なく、音楽体験としてアーティストさんの作るライブにも負けない、曲の良さがちゃんと伝わるライブにしたい。そこが一番の目指すところですね。ずっと良い曲を作ってきてくれたサウンドチームの晴れ舞台でもありますから。
ちなみに先日スタジオでバンドのリハーサルをやったんですが、本当にかっこよくて鳥肌が立ちましたよ。一曲目のあの曲のイントロで感極まる人もいるのでは……。本当、本番が楽しみです」
――最後に、ライブを楽しみにしているファンの方々へのメッセージをお願いします。
「長くお待たせしてしまいましたが、ついに初めてのライブを開催することができました。今回はカラオケの楽曲を中心に、僕たちの音楽の良さ、面白さ、ユニークさを五感でがっつり体感いただけるライブにしたいと思っています。僕らとしても『龍が如くの音楽ってすげぇだろ』という、名刺代わりになるようなライブにしたいと思っています。最強のセットリストと、最高の出演者、バンドメンバーを揃えてお待ちしています。『龍が如く THE LIVE -IKIZAMA-』、後悔させませんので、ぜひ遊びに来てください。一緒に盛り上がりましょう」
□堀井亮佑(ほりい・りょうすけ)『龍が如く2』よりプランナーとして長きにわたりシリーズの制作に携わる。2020年の『龍が如く7 光と闇の行方』以降のシリーズ作品ではディレクターを担当し、シリーズ最新作『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』ではディレクターと兼任しプロデューサーも務めた。主人公たちが熱唱したり全力の合いの手を入れることで有名なシリーズ内人気リズムゲーム「カラオケ」ではゲームデザインに加え、楽曲のプロデュースや作詞も自ら手掛けている。
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