山下実優が明かす海外遠征の真意と東京女子への愛「人生が終わるまで籍を置く」 武道館、そしてドームへ
3.29両国国技館大会。東京女子プロレスのリーダー・山下実優はスパーク・ラッシュ(Sareee&彩羽匠)と対戦、そのバチバチは予想を超える好勝負となった。そして山下のパートナー・遠藤有栖が大奮闘したことも、その余韻を大きなものにした。山下へのインタビュー後編は両国大会そしてこれからの東女についてのお話を。

お互いいろいろな場所で戦っているからこそ、交わったときにそれが特別になる
3.29両国国技館大会。東京女子プロレスのリーダー・山下実優はスパーク・ラッシュ(Sareee&彩羽匠)と対戦、そのバチバチは予想を超える好勝負となった。そして山下のパートナー・遠藤有栖が大奮闘したことも、その余韻を大きなものにした。山下へのインタビュー後編は両国大会そしてこれからの東女についてのお話を。(取材・文=橋場了吾)
【PR】世界の公道が舞台…ラリーの最高峰『WRC』をABEMAが全戦無料生中継
山下自身は、遠藤有栖と組みスパーク・ラッシュ(Sareee&彩羽匠)と対戦した。当初の発表ではSareeeのパートナーは元WWEのレイ・イン・リーだったが、来日中止となり急遽彩羽との待望の初対決が実現することになった。
「超面白かったですよ。めちゃくちゃ楽しかったですね。Sareeeさんとは5年ぶり……WWEに行く直前に参戦してくださったんですが、その時もめちゃくちゃ楽しかったので、Sareeeさんは面白いなと思いますね。自分の勝手な想像ですけど、戦っていて思うのは、純粋にプロレスがめちゃくちゃ好きなんだなというか、本当に今の戦いを楽しんでいらっしゃる方だなと思います。
だからこそ、自分も同じ気持ちというか、失礼ながら少しつながる部分があったからこそ楽しめたのかなと思いますね。(彩羽は)ここで来るとは思わなかったです。彩羽さんが私と戦いたいというのはインタビュー記事でも読んでいて、言葉にしてくださるタイプというか……でも私は言わないじゃないですか。それでも、巡り合わせで戦うことになったと勝手に運命を感じちゃいましたね。私は言わないで念で引き寄せるタイプなので、完全に後出しジャンケンなんですけど、いつか彩羽さんとは戦うんだろうなとは思っていました」
彩羽のラブコールと山下の念の引き寄せが実り、対戦は実現。山下が彩羽に特に興味を持ったのは、赤井沙希さんの引退ロードで行われた赤井沙希&雪妃真矢&朱崇花vs彩羽匠&山下りな&中島翔子(2023.8.13DDT@後楽園ホール)を生観戦してからだった。
「このときが初めて彩羽さんの試合を生で見たんですが、戦ったら楽しそうだな、多分いつか戦うんだろうな、という予感はあったんですよ。でも私は流れに身を任せるタイプなので……流れに抗うとうまくいかないんですよ(笑)。自分が無理やり行こうとすると、絶対にうまくいかないので、自然に任せて。言霊を信じている部分はあるんですけど、流れに任せることは任せておこうというタイプですね」
山下は、彩羽との戦いを「楽しい」と評した。試合後のバックステージでは、表情こそ悔しさしか見せなかったが、出てきた言葉は「楽しい」だった。
「めちゃくちゃ楽しかったです、雰囲気も含めて全て。(彩羽は)ずっとすごい選手だなと思っていましたし、海外でいろいろな選手と戦っていますが別格ですよ。だからこそ戦いたいと思っていましたし、実際戦ってみてやっぱりすごい選手だなと思いましたね。蹴りを受けて、痛みも感じて、その“間”とかリズムとか、全部含めてわくわくさせられるというか、すべて楽しかったですね。
彼女の場合、私と真逆なんですよ。彩羽さんは、手数がすごく多いんですよね。手数が多いのに、それらを使いこなして、試合の中で勝ちを取りに行っているイメージです。逆に私は手数が少ない、技を絞っているので。技が多ければ多いほど、タイミングで良いチョイスをしないといけないので、自分に持っていないものを持っている人だからこそ、すごいなと思いますね。(次の対戦は)別にこれでこのまま終わるならそういう運命ですし、運命的に求められればまたチャンスは生まれてくると思うので……お互いいろいろな場所で戦っているからこそ、交わったときにそれが特別になるわけで、運命ならまた交わるんじゃないかなと思います」

荒井の目指す東京ドームの前に、瑞希が目指していた日本武道館もある
そしてこの試合で大化けを果たした選手がいた。山下のパートナー、遠藤有栖である。
「(いい意味で)めちゃくちゃ、やってくれたなと思いますね。あの子も、めちゃくちゃにやられて奮起するタイプなので、この試合には合っているだろうなと。遠藤有栖が、いつも以上に遠藤有栖でしたね。私も“対抗戦”という見方をされることが普通だと思うんですけど、あんまり対抗戦という意識がなかったんですよね。シンプルにやり合いましょうよ、みたいな感じだけで。もちろん、東京女子を背負っているというか、面白くない試合をすればそういう見方をされるので、それだけは絶対に嫌でしたね。言ってしまえば、Sareeeさんや彩羽さんと私との戦いは、想像できてしまうと思うんですよ。バチバチやり合うんだろうなと。この中で一番想像できなかったのが有栖だったので、カギを握っていたんですよ。だからこそ、とことんやってくださった二人に対して有栖がやってくれたなと。そして、自分の戦いがあったからこそ、うまくかみ合ったんだろうなと思いますね」
ここ最近、山下は海外遠征が増えているが、ここにきて東京女子団体ごと海外で試合をすることも増えた。
「今年は日本に専念しようかなと思っていたんですけど、東京女子としての海外が増えてきて理想形だなと思いますね。東京女子の中の経験でしか積めないものもあるので、それはそれですごいいいことなんですけど、いろいろなものを見るのは大事だと思うので、私が海外に行ったときにパイプになれたらいいなとは思っていました。それがつながって、今は団体ごと行くことも増えたので、東京女子にとっては大きいと思うと同時に、私たちのベースは日本なので、日本での試合・活動をより大事にしなければいけないと思います。
自分たちが海外に行けるようになったのも、元々日本で応援してくれる方々がいるからですから。アメリカに行っていても、時差で朝晩が逆転しているのにWRESTLE UNIVERSEを見て、ポストもいっぱいしてくれて盛り上げてくれるので、本当に頑張らなきゃと思いますね。私は自分のプロレス人生が終わるまで、東京女子に籍を置いておきたいので」
両国国技館のメイン終了後、新王者となった荒井優希は東京ドーム興行へ向かっていくと宣言した。とはいえ、その道が平坦ではないことを山下は自覚している。
「最終的には目指していきたいなと思いますが、それまでにクリアしなければいけないものはいっぱいあって。瑞希はずっと日本武道館で試合をしたいと言い続けていますし、まずは武道館が目指すべき場所なんです。ひょっとしたら、さいたまスーパーアリーナ(現・GMOアリーナさいたま)でやるのも面白いなと私的には思っています。ただ、チャンピオンとして荒井が言ったことも正解だと思うので、東京女子で山を越えていきたいですね」
あなたの“気になる”を教えてください