1016人から選ばれた苦労人俳優・中山求一郎「何度も辞めようと」 自身の性格は「器用ではなく生きづらい」

俳優の中山求一郎が14日、東京・新国立劇場小劇場で上演される演劇作品『エンドゲーム』取材会に登場した。中山は同作に対する思いを明かしていた。

演劇作品『エンドゲーム』に出演する中山求一郎【写真:ENCOUNT編集部】
演劇作品『エンドゲーム』に出演する中山求一郎【写真:ENCOUNT編集部】

中山求一郎、『エンドゲーム』のクロヴ役は「人生の中で最も共感性の高い役」

 俳優の中山求一郎が14日、東京・新国立劇場小劇場で上演される演劇作品『エンドゲーム』取材会に登場した。中山は同作に対する思いを明かしていた。

 新国立劇場の小川絵梨子演劇芸術監督が打ち出した「フルオーディション企画」のラストを飾る同作。今回、足が不自由でうまく歩けないクロヴ役を演じる中山は「動く人物は僕だけなので、立ち稽古でも立っているのは僕だけなんですね。クロヴという役はここから出て行きたいけど出られない。死にたいけど死ねないみたいなものを背負っているような役なので、同じような気持ちを持ってらっしゃる方にはシンクロしてもらえるのではないかと思っております」と語った。

 フルオーディション企画では、第1弾も受けたが落選した。第8弾となる今回、中山は1016人の応募者の中から4人のキャストのうちの1人として選ばれた。「この戯曲の本を持っていて、どうしてもやりたかった。あまりお仕事が決まっていない時期だったこともあって、なんとか自分の人生を変えたいなと思って受けました。まさか選んでいただけると思わなかったので、ものすごくうれしい気持ちと動揺が自分の中で走りました。すごいプレッシャーだなと思いましたが、楽しんでやりたいと思っています」と意気込んだ。

 2015年の映画『恋人たち』でデビューした33歳の中山は「今まで何度も役者を辞めようと思っていた」と俳優人生を振り返る。また、「器用ではなく生きづらいなど、どうしようもない気持ちを持っていて暗い面がすごくある」と自己評価。そんな中山にとってクロヴ役は「人生の中で最も共感性の高い役」だという。

「なぜか人の言うことを聞いてしまうんだよなとか、この飲み会を抜けたいのだけど抜けられないとか、本当は嫌なのだけど言えないなとか、イラついているんだけど感情を外に出せないなとか、ぶつかりきれない。本音を隠しがちですね」と自身の性格について、照れ笑いを浮かべながら明かしていた。

 同作は1957年の初演から半世紀以上を経てもなお世界中で上演され続けているサミュエル・ベケットの傑作不条理劇。荒廃的な状況下に閉じ込められた4人の登場人物の絶望的に繰り返される日常を描く。中山は「今だからこそ上演されるべき作品。人間を肯定も否定もしないなかで慈しみの愛がにじみ出ているので、そういうものをキャッチしていただければと思います」とアピールしていた。5月20日から31日まで。

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