アイドルデビューから10年…バイト暮らしも経験 30歳・二瓶有加の転機となった“素”の発信

俳優でタレントの二瓶有加が、縦型ショートドラマ『夫に抱かれながら、不倫します』(3月27日から縦型ショートドラマアプリ『タテドラ』で配信、全50話予定)に出演している。2023年、YouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」への登場をきっかけにブレイク。バラエティーで存在感を示し、俳優としては舞台やドラマなどで実績を積んできた。16年に女性3人組アイドル(21年に解散)として芸能界デビューしてから10年。本作にかける思いや芸能界を生きる、多才な30歳の今に迫った。

インタビューに応じた二瓶有加【写真:藤岡雅樹】
インタビューに応じた二瓶有加【写真:藤岡雅樹】

縦型ショートドラマ『夫に抱かれながら、不倫します』に出演

 俳優でタレントの二瓶有加が、縦型ショートドラマ『夫に抱かれながら、不倫します』(3月27日から縦型ショートドラマアプリ『タテドラ』で配信、全50話予定)に出演している。2023年、YouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」への登場をきっかけにブレイク。バラエティーで存在感を示し、俳優としては舞台やドラマなどで実績を積んできた。16年に女性3人組アイドル(21年に解散)として芸能界デビューしてから10年。本作にかける思いや芸能界を生きる、多才な30歳の今に迫った。(取材・文=大宮高史)

『夫に抱かれながら不倫します』は、一城咲ルイ氏による同名漫画が原作で、夫婦2組の歪んだ愛憎を描く。主演は剛力彩芽。二瓶演じる武藤美和は、夫の執拗な夜の要求に苦痛を感じていた時、偶然出会った配達員の久我徹(増子敦貴/GENIC)と駆け落ちしてしまう。しかしそれは久我の妻の紗奈(剛力)が仕組んだ罠で、紗奈の復讐(ふくしゅう)に美和も巻き込まれてしまう……という展開だ。

――本作の美和を演じるにあたって意識されたポイントを教えてください。

「1話が短いので、リアリティーを大切にしながらも、視聴者の方に感情がパッと伝わる表現を意識しました。美和は相手の言葉によって行動が変化していく女の子なので、自分からアクションを起こすよりも、言われた時のリアクションや、相手のセリフをどう受け取るかという、受けのお芝居を大切にしました。繊細に受け取ってしまうところは、自分の性格ともすごく似ているなと感じています。大きく喜んだり悲しんだりする彼女の起伏には、私自身も共感する部分が多かったですね」

――二瓶さんはおととしもショートドラマ『10000いいねのカラダ~3年抱かれてない、私~』に主演していますが、この時は夫とのセックスレスから裏アカ(隠しアカウント)で欲求を満たしていく役でした。繊細な男女関係を描く作品への出演が続いています。

「なぜなんでしょうね(笑)。でも今回、鈴木聡監督から『二瓶さんは悲しい芝居が似合う』と言っていただけたのがうれしくて。『10000いいねのカラダ』の文乃はセックスレスの寂しさから裏アカにのめりこんでいきましたが、今回の美和は夫から強要される役なので逆でもあります。夫婦って、友達や家族よりも繊細な関係なのかもしれないと感じていて、だから世の中には素直になれないで苦しんだりする人も多いのかなと思います。そういった点をお芝居でうまく表現できているのであればうれしいです」

これまでで一番大切だった出会いとは【写真:藤岡雅樹】
これまでで一番大切だった出会いとは【写真:藤岡雅樹】

一番大切だった出会いは「夏焼雅さんと一緒に活動できたこと」

 本作での演技も関心を引きそうだ。そんな二瓶の芸歴は変化に富んでいる。アイドル好きで、多くのオーディションを受けた中、Berryz工房の夏焼雅が率いる3人組ダンス&ボーカルグループ・PINK CRES.のメンバーに選ばれ、2016年に本格的にデビューした。同グループが21年に活動終了すると個人のタレント活動に移行。23年にYouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」でお笑いコンビのトータルテンボスやどぶろっくらとの共演が注目され、ブレイクした。その後、『踊る!さんま御殿!!』などバラエティーで存在感を示した一方で、俳優としてドラマや舞台などで活躍している。26年には「NOBROCK TV」から生まれた・DRAW♡ME(Rの正式表記は反転)のメンバーとして“アイドル再デビュー”も果たした。

――佐久間宣行さんのYouTubeチャンネルなどで見せるイメージも、今作などの大人向けの作品につながっているのでしょうか。

「きっかけはあるかもしれません。でも特別な意識はなくて、センシティブなネタに挑戦してきた、というつもりです。お芝居とはいえ、夫婦の悩みも繊細な話ではありますから、ちょっと一線を超えるような領域にも踏み込んでいけるのも、NOBROCK TVのおかげかもしれませんね。今回の美和は泣きの芝居が非常に多くて、いっぱい泣いています。バラエティーでのイメージを一度忘れて、悲しい表情のギャップを見てほしいです」

――では、これまでの歩みの中で、一番大切だった出会いを挙げるとしたら?

「やっぱり、夏焼雅さんと一緒に活動できたことです。ハロプロが芸能への憧れの原点で、その中でもBerryz工房さんがずっと大好きでした。だからPINK CRES.のオーディションで彼女が私の名前を呼んで選んでくれたことは、もう奇跡だなって思います。私がお仕事を続けていく上での大事な部分も学ばせてもらいましたし、感謝しかありません」

――ファン時代から憧れだった“推し”と一緒に仕事をするのは、どんな感覚なのでしょうか。

「すごく不思議な感覚なんですよね。でも一度現場に入れば先輩であると同時に、一緒に作品を作る仲間になります。私が勝手に緊張したりして、私的な感情で作品を邪魔してはいけないと思って『ビビんな』って自分で言い聞かせました。今回の剛力さんとのお芝居でもそうなんですが、私がビビってしまうと紗奈と美和のシーンにもその私情が混ざってしまうかなって。先輩方への憧れのまなざしをパッと消すのは意識しています」

――しっかり切り替えられているんですね。

「でも家に帰ると、いちファンになります(笑)。Berryz工房さんの動画を見れば『私、雅ちゃんと一緒にやってたんだ』って思いますし、今も『剛力彩芽さんとバチバチやり合う役ができた!』ってうれしい気持ちになります。現場では封印しているファン心が、よくあふれ出てきます」

30歳の節目で感じた自身の新しい変化を語った【写真:藤岡雅樹】
30歳の節目で感じた自身の新しい変化を語った【写真:藤岡雅樹】

ブレイクきっかけのYouTubeも「普段の自分をそのまま世に出せたから」

――現在は活動の幅も広がりましたが、何か気づきなどはありますか?

「DRAW♡MEのメンバーに選んでいただいて、ステージも経験しましたが、すごく世話を焼きたくなる自分に気づきました(笑)。今まで年下のポジションが多かったのが、DRAW♡MEだと年下の子が多くて。後輩の悩みは自分も経験していて、自分にとっても懐かしかったりするんですよね。だからこれからはもっと、誰かに手を差しのべることもできればなと思います」

――佐久間宣行さんの「NOBROCK TV」への出演が、大きな転換点になったかと思います。ブレイク前後で、ご自身の中で「見せ方」を意識的に変えた部分はありますか?

「ファンの方への接し方や見せ方は、昔から何も変わっていないです。佐久間さんの番組に出始めたばかりの頃も、友達や昔からのファンの方から『猫被ってるよ』と言われるくらい、実は緊張していました。話題にしていただけるようになったのも、普段の自分をそのまま世に出せたからだという感覚です」

――動画で見せる、飾らないところもブレイクしたきっかけかと思います。

「素の私を佐久間さんがうまく使ってくれたのがすべてで、本当に運に恵まれました。仕事がない時はコールセンターなどアルバイトもいろいろやりましたし、お酒を飲んでやけ食いもしたりしてました(笑)。動画のおかげで明るいイメージがあるかもしれませんが、暗い日も普通にあります(笑)。最近ジムに通うことを覚えて、ダンベルを上げて筋トレしてると、めっちゃ元気が出るんです」

――さて、昨年30歳という節目を迎えましたが、ご自身の中で何か新しい変化や発見を感じることはありますか?

「一人の女性としての人生も真面目に考えるようになりました。結婚や出産も、現実的に決断しないといけないタイミングです。いろんなことを現実的に考えるようになって、仕事で会社の方と会う時も具体的に話ができるようになりました。一つずつクリアしつつ、芸能のお仕事を続けたいです」

――最後に、これからの夢を教えてください。

「いろんなチャンスをいただけて、最近はもっと上を目指したいと思うことが増えてきました。映像のお芝居も、最初はオファーがあるだけでうれしかったんですが、『次はこうしたい』と欲が出てくるんですね。自分のYouTubeチャンネルの登録者数が今は21万人なんですが、こちらも今年30万人を突破できたらと思っています」

□二瓶有加(にへい・ゆうか)1995年10月20日生まれ、東京都三鷹市出身。2016年にダンス&ボーカルグループ・PINK CRES.のメンバーとしてデビューし21年まで活動。23年に「佐久間宣行のNOBROCK TV」での出演をきっかけにブレイク。同番組から誕生したアイドルグループ・DRAW♡MEのメンバーに選ばれ、26年2月3日に開催の『NOBROCK FES 2026 ~夢を語ったら叶っちゃった夜~』で初パフォーマンスを見せた。現在は俳優・タレントとして活躍しており、地元・三鷹市の「ふるさと三鷹応援団」も務めている。YouTube「二瓶有加ch」は、登録者数20万人を超える。

次のページへ (2/2) 【写真】二瓶有加のインタビューアザーカット
1 2
あなたの“気になる”を教えてください