バスで車いすユーザーに「席を譲れ」と怒鳴る高齢乗客 運転手のアナウンスで事態収束も SNS呆れ「意味不明やね」

バスの車内で、車いすに乗ったまま移動していた右半身まひの女性が、高齢の乗客から投げかけられた衝撃的な一言がSNSで波紋を広げている。あらかじめバス会社に連絡して車いす専用スペースを確保して調整していたのだが、「席を譲ろうとは思わないのか?」と迫られたという。詳細を聞いた。

バスの優先席(写真はイメージ)【写真:写真AC】
バスの優先席(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「理解の斜め上すぎる」ネット上で広がる驚き

 バスの車内で、車いすに乗ったまま移動していた右半身まひの女性が、高齢の乗客から投げかけられた衝撃的な一言がSNSで波紋を広げている。あらかじめバス会社に連絡して車いす専用スペースを確保して調整していたのだが、「席を譲ろうとは思わないのか?」と迫られたという。詳細を聞いた。

「車いすでバスに乗ってたんですが 高齢者に席を譲ろうとは思わないのか? 若いんだからと言われたんですが 車いすから降りて車いすに座らせろってことなんですかね」

 Xに体験談をつづったのは、脳出血により右半身まひになった唐草さん(@karakusa0827)。室内は杖歩行、野外は簡易型電動車いすを使用している。

 この投稿に対し、ネット上では「車いすが座りやすいいすに見えたとしても呆れる案件」「なんて理不尽な」「意味不明」「嫌な思いをしましたね」といった驚きと憤りの声が寄せられた。

 中には「車いすがバスの固定されたいすに見えたのか?」と、あまりの理不尽さに困惑する声も目立った。

 投稿者である唐草さんに、当時の詳しい状況を聞いた。

 出来事が起きたのは、通院のため午前中のバスに乗車した際のこと。事前にバス会社へ連絡して車いす専用スペースを確保した上で、始発駅から乗車。車内は少し混み合ってはいたものの、満席ではなかったという。

 そこへ現れた70代くらいの男性が、唐草さんに対し高圧的な口調で「席を譲れ」と言葉を投げかけてきた。唐草さんは当初、自分に言われているとは思わなかったが、振り返ると明らかに自分に向けられた言葉だった。「正直『何言ってるんだろう、この人』と目が点になりました。まわりの乗客も同様の様子でした」と振り返る。

 幸い、車内の不穏な空気を感じ取ったバス運転手が「空いている席にお座りください」とアナウンスを入れ、さらに別の乗客がその高齢者に席を勧める形で事態は収束した。しかし、唐草さんがこの時、あえて言い返さなかったのには、車いすユーザーならではの切実な理由があった。

「経験上、今回の様な最初から高圧的に話す方は静観します。事情はお話しますが、こういう方はどんな事情があっても理解はしてくれない事が多いです(自分は間違ってないという感じ)さすがに今回の様な意味不明な事は早々ありませんが、理不尽な事を言われるのは割りと多いです」

 唐草さんによると、こうした経験は一度や二度ではない。「車いすは邪魔だから畳めないのか」「(バスから)降りられないのか」と言われることもあれば、視覚障がいのある知人は、混雑した場所で「杖(白杖)が危ないから使うな」と注意されたこともあるという。

「見た目や年齢では分からない事情を持つ方がいます。目の前にいる、けがなどをしてる人、見るからに具合が悪そうな人がもし自分だったら? と考えれば、何をするのがいいか分かるのかと思います」

 今回の投稿は、社会におけるバリアフリーの精神や、目に見えない障がいへの理解のあり方を改めて問い直している。

次のページへ (2/2) 【写真】唐草さんが使用していた簡易型電動車いす
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