SM ENTERTAINMENT JAPAN所属の8人組ガールズグループ・GPP（ジーピーピー）が、今月16日に先行デジタルシングル『Bring it Back』でデビューする。SM ENTERTAINMENTは、世界的アーティストのBoA、東方神起、少女時代らの活動を手がけてきた韓国の大手音楽事務所だが、同グループは全員が試練を経験してきた日本人。そして、約1年半の鍛錬を受け、デビューをつかみ取った。もっとも、リアルな勝負はこれから。ENCOUNTがその胸中に迫った。（取材・文＝生島マキ）

歴代の“相棒”は50台超…ベレット、キャデラック、クラウン　クラシックカーを乗り継いだ大物ミュージシャンの愛車遍歴（JAF Mate Onlineへ）

　都内のオフィス。8人はやや緊張の面持ちで記者の前に並んだ。スレンダーで華やかな面々だ。平均年齢21歳で前途洋々だが、それぞれが人知れぬ苦労を重ねていた。

　元モデルのLUNA（渡辺瑠奈）は初めてつかんだ大きな仕事がコロナ禍で中止になり、MOMOKA（栗田桃花）は俳優活動をしていた高校時代に挫折。MIA（ニュービー未亜）は8歳からの英国生活で人見知りになったことを悩み、ANAMI（大園亜波）は、ケガを負って4歳から続けていたクラシックバレエを中学2年で断念した。メインダンサーのMIKA（髙宮美香）、SARA（宮崎晃）、メインボーカリストのHONOKA（伊藤帆乃花）、幼少からダンス＆ボーカルのレッスンを受けてきたRINKA（安藤梨花）は、アーティストデビューの機会をつかめずにいた。

　そんな8人が、スカウトをきっかけに集結。SM ENTERTAINMENT JAPANが手配した世界水準のプロデューサーによる特殊で過酷なレッスンを受けてきた。まずは「デビュー決定」を知った瞬間の気持ちから聞いた。

MIKA「すごくうれしい気持ちやワクワクと同時に、ちょっと不安というか…。『今まで以上にプロ意識を持ってやらなきゃいけないんだ』っていう覚悟を決めました」

LUNA「『これからみんなで頑張ろう！』っていう決意がそこで生まれました。『デビューしたら知らない世界が待っているんだ…』とも思いましたが、やっぱり、うれしさが増して、やる気スイッチが入りました」

HONOKA「喜びが大きかったです。『親に報告できる』という感謝もありますし、メインボーカルとして『もっと努力しなきゃいけない』というプレッシャーもありました」

RINKA「長く夢見てきた夢が初めて叶う瞬間だったので、本当に感激しました。ここまでお世話になってきた人たちに恩返しできるように、また新たなスイッチが入りました」

MOMOKA「『このメンバーみんなでデビューできる』ことが特別なものでした。ずっと一緒に練習をしてきたので、すぐに実感が湧いて本当にうれしかったです」

ANAMI「心の奥に『アーティストになりたい』という思いを閉じ込めてきたので、喜びと感動と感謝でいっぱいでした。と同時に『J-POPに新しい風をこの8人でなら吹かせられる』という確信が浮かびました」

SARA「私の夢だけじゃなくて、メンバー、家族、スタッフさんの夢も一緒に叶ったような感覚です。同時に『みんなの人生も背負うんだ』という責任感も芽生えました」

MIA「夢を諦めなくて良かったと思いました。デビューは一つのゴールだったけど、新しい始まり。支えてくださる人たち、見てくださる人たちが『さすがGPP』と誇れるような存在になりたいです」

　そして、命名されたGPPには、2つのパワーワード「限界突破（Genkai toppa）」と「紙飛行機（Paper Plane）」が込められている。

MOMOKA「紙飛行機って『遠くへ長く飛んでほしい』って願いながら飛ばしますが、その『限界の先の先まで飛べ』という意味もあります。私たちも、できないことを頑張ってできることに変えてきたし、“限界突破”も、まだまだ心に響いてきています。きっと、いろんな感動を届けられるグループになると思っています」

ANAMI「『夢は叶えられるんだぞ』という道しるべを示すグループだと思っています。ダンスもパフォーマンスもかっこいい系で、それも強みです」

　ここにたどりつくまではダンスと歌のハードなレッスンに加え、語学、情管理の指導も受けてきた。苦しくもあった約１年半の日々だ。

MIA「初めてダンスレッスンを受けた時、踊ったことのない振りを先生が踊ってみせてくれました。足の使い方がすっごく難しくて、みんなで必死になって何度も何度も練習をしました。でも、あのレッスンがあったからこそ、強くなれたと思っています」

MIKA「私たちのパフォーマンスって本当に体力勝負で、途中で体力が切れちゃうと成立しないので、毎週、ジムでアスリートと同じメニューを行っていました。まさに“限界突破”です」

LUNA「関係者だけを呼んだショーケースをした時、セットリストを初めて見て、『激しい曲ばっかりじゃん！　歌いながらできるのか』って本気で焦りました。でも、何回も練習して体が慣れました。12月15日のショーケースは成功できる確信があります」

RINKA「ロッキング、ポッピング、タッティング、ヒールなど、いろんなジャンルのダンスを基礎からたたきこまれて、全部消化するのが大変でした」

　日常の出来事や感情を共有してきた8人。それぞれが、メンバーのキャラクターを紹介した。

SARA「ANAMIを紹介します！　ANAMIは、私のメンタルが落ちている時も、ギャグで笑わせてくれたりして、空気ごと明るくしてくれる存在です」

ANAMI「MOMOKAは本当に飛び抜けてかわいいのに、中身のギャップが最高ですい。自分でも『おじさんプリンセス』と言っていますが、仕草が大胆なんです。でも、そこもかわいかったり（笑）」

MOMOKA「RINKAはいい意味でストイックなんです。スマートフォンに自分のダンス練習動画が数え切れないほど入っていますし、本当に努力の人、尊敬しています」

RINKA「HONOKAはメインボーカルとしてグループを支えてくれています。私とはレコーディングで2人になることが多いので、すごく頼ってます。いつも支えてくれてありがとう」

HONOKA「こちらこそありがとう！　MIKAは向上心があって優しい人。どんな大変な状況でもメンバーをちゃんと見てくれるし、ラップが最高。困った時にすぐに頼れる存在です」

MIKA「LUNAはメンバー思いで、誰かのちょっとした変化にすぐ気づいて声をかけてくれます」

LUNA「MIAはクール＆ミステリアスな見た目で美声なのに、中身はギャップの宝庫。オヤジギャグを言うし、ホラー映画やサスペンス系の作品が大好きだし、変わった食べ物も好きなんです(笑)」

MIA「変わった食べ物（笑）？　私から見たSARAは、パフォーマンスがパワフルで、どこにいてもオーラを出してるすごい人。そのエネルギーのおかげでグループのパフォーマンスが、『ガン』と上がっています」

　MIAの言葉に7あ人がうなずき合うと、話題は自然と「8人としてどこへ向かっていくのか」に展開した。

SARA「まずは生パフォーマンスを見てもらって、応援してくれている皆さんへの恩を返したいです。ファンと一緒に夢を叶えていくのが目標です」

ANAMI「ファンの方も一緒に体験するようなステージ、息が上がるような感覚まで共有できるステージを作っていきたいです」

MOMOKA「パフォーマンスと歌を通して、私たちの勇気や元気、記憶に残る感情を届けたいです」

RINKA「私たちのステージを見て『いろんなことに挑戦してみよう』という気持ちになってもらえる。そんなアーティストになりたいです」

HONOKA「『GPPに出会えてよかった』って言われたいです。人生をカラフルに彩れる音楽を届けたいです」

LUNA「魂のこもったパフォーマンスで、生命力とか希望、光になるものを届け続けたいです。感謝と謙虚さを忘れずに活動していきます」

MIA「音楽や思いをいろんな国の人に届けたいし、世界の人たちに会いに行きたいです」

MIKA「J-POPに新たな革命を起こしていきます！」

　そんな彼女たちの“汗と涙のリアルな奮闘”を追ったBSフジ『GPP Fly ～崖っぷち紙ヒコーキのテイクオフ～』（土曜深夜1時）が放送中だ。国内外でガールズグループが続々と誕生し、消えてもいる戦国時代。その状況下で、8人が特別に注目されている「証し」でもある。

□GPP（ジーピーピー）　オーディション番組出身者、トップダンサー、女優、モデルなどさまざまなバックボーンを持つ8人で平均年齢21歳。デビュー曲『Bring it Back』は、今月16日にデジタル配信。来年1月14日に同曲のCDがリリースされる。

＜メンバー＞

RINKA（安藤梨花）　2004年8月18日、愛知県生まれ。

HONOKA（伊藤帆乃花）　2004年9月14日、東京都生まれ。

ANAMI（大園亜波）　2005年8月24日、東京都生まれ。

MOMOKA（栗田桃花）　2004年3月30日、静岡県生まれ。

MIKA（髙宮美香）　2002年5月4日、神奈川県生まれ。

MIA（ニュービー未亜）　2002年11月4日、埼玉県生まれ、英国育ち。

SARA（宮崎晃）　2003年6月28日、大阪府生まれ。

LUNA（渡辺瑠奈）　2005年5月15日、熊本県生まれ。