上白石萌歌「見えない敵と戦うのは似ている」…コロナ禍で主演舞台「ゲルニカ」開幕

女優の上白石萌歌が3日、東京・渋谷で主演するPARCO劇場オープニング・シリーズ「ゲルニカ」(長田育恵作、栗山民也演出、29日まで)の公開フォトコール&初日前会見に出席。共演する中山優馬、勝地涼、早霧せいな、キムラ緑子も登壇した。

会見に登壇した(左から)早霧せいな、中山優馬、キムラ緑子、上白石萌歌、勝地涼
会見に登壇した(左から)早霧せいな、中山優馬、キムラ緑子、上白石萌歌、勝地涼

戦時下のスペイン・ゲルニカを舞台、ヒロインの少女・サラ役

 女優の上白石萌歌が3日、東京・渋谷で主演するPARCO劇場オープニング・シリーズ「ゲルニカ」(長田育恵作、栗山民也演出、29日まで)の公開フォトコール&初日前会見に出席。共演する中山優馬、勝地涼、早霧せいな、キムラ緑子も登壇した。

 本作は、栗山氏がパブロ・ピカソの代表作「ゲルニカ」を基に20年以上にわたって構想を温めてきた企画。戦時下のスペイン・ゲルニカを舞台に、元領主の娘サラを中心にした人間模様を描く。

 コロナ禍での舞台開幕に出演者は感慨深げ。上白石は「栗山さんとご一緒するのが夢で、大学のリポートにしたくらい憧れがありました。出演できるのは、もう少し先だろうと思っていました。栗山さんは思っていた以上に柔らかい方。けいこ中、おせんべいをくださったり、優しいけれども、鋭い視線がありました。栗山さんの言葉だけを信じて、みなさんと駆け抜けていけたら」と意気込んだ。

 ドイツのスパイとして暗躍する青年役の中山は「(コロナ禍で)幕が降りるまで気は抜けないと思っています。僕は人間性のあふれる青年の役で、心の動きを意識して演じた。一人のシーンも多くて、自分での戦いもあった。見せ場は全部です」と自信をみせた。

 取材カメラマン役の勝地は「内戦中の日常が描かれている。僕は『ゲルニカ』のことはほとんど知らなかったけど、背景を知らなくても伝わる作品。『沈黙が罪人だ』というせりふが刺さった」と話した。

 また、特派記者役の早霧は「正義感、理論で武装された、どこか不器用な女性役です。カメラマンとは信頼ゆえにぶつかり合う。涼君とは役以上の信頼関係ができた」と胸を張る。

 ベテランのキムラは「客席が制限されている中、足を運んでくれるお客さんがいることがありがたいです。こんなに深く感じたのは初めてかもしれません。けいこ中も4度PCR検査していますし、毎日、検温して、万全の態勢を図っているので、安心してお越しください」とアピール。

 最後に、上白石は「80年前の爆撃とコロナ禍の状況はどちらも目に見えない敵と戦っているという意味で、通じるものがあります。この作品は苦しいこと、悲痛さに抗おうという気持ち、そこで暮らす人々の眼差し、営みが丁寧に描かれています。足を運んでいただけると、うれしいです」と訴えていた。

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