ラファエル「YouTube見ない」 9つの会社を経営、パパの顔持つ今「普通のお父さんしてる」

白い仮面をかぶったYouTuber・ラファエルが動画クリエーターを始めて約10年がたった。現在は再生回数が激減。ユーザーからは“オワコン”の声も上がる一方で複数の会社を経営し、妻と最愛の息子と幸せな家庭を築いている。そんな現在のラファエルをENCOUNTではインタビュー。後編ではこれからの配信業界について語ってもらった。

インタビューに応じたラファエル【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じたラファエル【写真:ENCOUNT編集部】

YouTube業界のピークは「3~4年前」

 白い仮面をかぶったYouTuber・ラファエルが動画クリエーターを始めて約10年がたった。現在は再生回数が激減。ユーザーからは“オワコン”の声も上がる一方で複数の会社を経営し、妻と最愛の息子と幸せな家庭を築いている。そんな現在のラファエルをENCOUNTではインタビュー。後編ではこれからの配信業界について語ってもらった。

◇ ◇ ◇ ◇

――YouTuberが長く続く職業ではないと分かった上で経営も始めたのですか。

「その焦りもありました。いろんな人との出会いもありました。東京に引っ越して良かったですよ。東京に住んでなかったらこんな風に会社広がってないですからね。シンプルに早いんですよ。『いまから飲もう』って言って、そこに○○社の社長さんも来る。そこで仲良くなったりして、それが仕事にもつながるわけですから。

 これ地方にいたら約束があれば翌日に行けますけど、そのときにはもうそのチャンスを逃しているんですよ。これが営業って考えた場合にそんなやつ絶対優秀になれないので」

――いまは何社の経営をしているのですか。

「いま法人で9個。飲食が2社、インターネットの風評被害を消すような会社、あとは不動産、YouTubeの会社、コンサルの会社は2社、ジュエリーの会社、あとはライブ配信の会社です。趣味みたいな会社が半分ですよ」

――全く違うジャンルの会社もあるのですが、すぐに始められるものなのでしょうか。

「周りありきで僕は始められます。儲かるなって思ったらやるっているだけのシンプルな理屈ではあるんですけど、そのときに動く時間があるというのと、資金もある、あとは動いてくれる人がいるっていうのがあったので動けたのはあります」

――YouTubeだと「オワコン」のイメージがついてますけど、実際はそんなことないんですね。

「定義が分からないですけどね。数字なのかなにか。稼ぎで言うと圧倒的にあるので。経営している会社の数が違う。YouTuberは全員収入激減しているので、増えてる人はたぶんいない。HIKAKINさんが動画で言ってることたぶん嘘なので。YouTubeの数字上は『オワコン』になりますよね」

――「オワコン」って言われることについてどう思いますか。

「僕はなんとも思わないし、一番平等かなと思います。これでもし稼ぎで評価しちゃうとおかしくなる。全然関係のない社長YouTuberが1位になっちゃうので。再生回数の評価でいいかなと思いますね」

――YouTube業界がきつくなったタイミングってあるんですか。

「ピークからでいうと3年~4年前。企業案件の数字って多少は落ちたとしてもほぼ変わらないんですよ。再生数に応じて入ってくるお金。数字悪くなった分、減るのは当たり前なんですけど、他の人も掛け率が減ってるので絶対減ってるんですよ。もっと言うと当時、週7日でみんな配信してたんですよ。いまは週2とか、HIKAKINさんなんて週に1日でしょ。それで売り上げ増えるなんて考えられないです。数字ってもう出せないんですよ。ネタってもう1周、2周しているので」

――家賃3万3000円の物件への引っ越しも過去にはありました。

「僕、この間一部上場企業さんからパチンコ代が出たんですよ。そのパチンコ代が出るのは3年前から決まっていたから、パチンコで1回勝ったら10万円で喜ばないとダメなので、そのためにお金なくなったキャラをやったんですよ。半年間、そういうブランディングでいったら思いのほか悪い方向にいったわけですよ。

『こいつほんまに終わった』ってなってしまって。これは良くないってなってその後にランボルギーニを買ったんです。1回ネガティブな記事が回っちゃうとそこのイメージが残ったままの人もいるわけなので。コンサルの会社とかもやってるので、そこに説得力がなくなるってことに気がつかなかったんですよ」

家族の存在についても語った【写真:ENCOUNT編集部】
家族の存在についても語った【写真:ENCOUNT編集部】

意外な発言も「お金に興味ない」

――ラファエルさんにとってお金を稼ぐってどんなことなのでしょうか。

「ヒカルさんともカメラ外で言うんですけど、お金を稼ぐのには興味ないというか。もうやりたいこともないですね。松本人志さん言ってた話なんですけど、僕らも嫌なことやらないからつまらないんですよ。誰かの請け負いなんですけど、あそこのタワマン住んでやるでって言ってやってるときが一番楽しかったって。それはタワマン住んだ人間しか分からないんですよ。お金に興味がないって言ってもそこは伝わらないでしょうね」

――いまは何をモチベーションにしているのですか。

「僕はまず家族がいます。別にリタイアしてもいいんですけど、リタイアしたらもっとつまらないじゃないですか。趣味で株やったり、ワイン好きな人間で毎晩集まったりとか。働いているのは、毎朝のジョギングみたいなもんですね。健康みたいな。こういう人間って必ず何か仕事をしたいんです。仕事を選ぶようになってはいますけど、仕事嫌いじゃないのでね」

――ラファエルさんの心を躍らせることって何かあるんですかね。

「絶対ないっすよ。いまいる立場が幸せで、自分が欲しいと思っているもので手に入らないものがないんです。満足しているので何もないです。『今日も明日も楽しい』ってやつはアホっすよ。何も考えてないっすよ」

――モチベーションにもなっている家族はどんな存在なのでしょうか。

「考えたことないですけど、他とはもちろん違いますよね。子どもは僕の存在に気が付いてないので、普通のお父さんしてると思いますね。僕の嫁も共働きなので、朝、幼稚園にどちらかが送って。事務所には午前10時から19時まで出勤しています。もうルーティンにはめているんですよ。家に帰ったらパパしてますし、子どもたちが寝たら飲みの誘いが来るので、時間あればいきますし。なにもないときは仕事したりジムに行ったりしてますよね。つまらなくて燃えるものはないんですけど、暇はないんですよね」

――仕事も育児もこなして、そのあとに会食もあるんですね。

「会食も僕の場合は特殊で会食している人とは仕事しないんです。その場に呼ばれて行っている感じが嫌なんですよ。好きで行っているんですよ。僕、おじさん好きでおじさんとよく飲むんです。タレントがタニマチに呼ばれたらすごいじゃないですか。でもそこになんの仕事も利害関係もなかったら本当に好きで行っているのは伝わる。仕事がもらえるなら、それは欲しいですけど、こっちから営業はしないですね。営業したらいくらでも取れますけど(笑)」

――YouTubeは今後、どのようになっていくと思いますか。

「僕ずっと言ってるんですけど、YouTuberが増えていっているので、単価が下がったり、再生数が下がるんですよ。これはもう絶対に避けられないんです。いまは本来あるべき形くらいの水準。さらにこれから5年くらいでこの実態が広まっていくので、YouTuberを目指そうって子どもはまずいなくなると思います。逆に言うとここから落ちることもないと思います。僕らの時代は本来あるべきステージじゃない。今後はどうですかね。ライブ配信がはやってくると僕は踏んでますね」

――なぜライブ配信がはやると。

「これはDaiGoさんに言われたんですけど、人間って最終的に楽したい生き物らしいんですよ。早く答えがほしいんですよね。ショート動画が最終的に生き残るらしいんですよ。Vineから始まって、ツイッター、インスタグラム、YouTubeっていう時代があってまたショート動画に戻っている。これは依存しちゃうんですって。僕ですらYouTube見ないです。3年ぐらい全く見てない。YouTube見るんだったらネットフリックス見ますし。

 はやく答えが欲しいので。どうしてもTikTokに代表するようなショート動画になってしまいます。すぐ答えが出るもの、演者と視聴者の距離でつながっているものっていうのがライブ配信だったりする。ファンビジネスとしてもいいんですけど、やる側は編集もいらない。いま、ここでスイッチ押してるだけでお金になるので。

 そんなことはYouTube上ではできないんで。いま、YouTubeって多少ちょっと腕に覚えがある人でないと成功できないんですけど、ライブ配信やったらそのへんの素人が可愛く笑ってるだけでお金になるので。いわゆる投げ銭っていうのがYouTubeが鈍化していくのに反比例して数値的に伸びていくと思います。それでもライブ配信がずっと続くわけではないです」

――なにかプラットフォームができたりはするのでしょうか。

「新しいプラットフォームは生まれないと思いますね。サーバーの問題で生まれないっていうのは聞きましたね。無理なんですって。サーバーを置く場所が地球上に存在しない。技術が進化しないとデータを管理できない。月とか海の底に置かないと無理なんですよ。TikTokは大したもんだなと思います。あれだけのデータ量を保存できて。ただYouTubeほどはできない。画素数いいものはあげられないですから」

――逆に言えばYouTubeは革命でもあったし、強いプラットフォームでもあるってことですね。

「元々舞台というものがあって、明石家さんまさんらの時代にテレビに移行したと。そこからダウンタウンさんの時代があって、もっとテレビが盛り上がった。これは週に1回放送じゃないですか。このあとにYouTuberがネットに入ってきて、週に7回盛り上がりを作ったわけですよね。消費のスピードが7倍になったんですけど、ライブ配信になるともっとえぐい。7倍はやく稼げるけど、7倍早く死ぬってことなんですよ。どんどんいろんな人が廃れていくので、長期的に君臨できる人間っていなくなってくる。これってテレビでも起きてる。もう僕らはそういう脳みそになってるんですよね」

(後編終)

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