乃木坂46・遠藤さくらが語る芝居への思い 「もはや家族」と“メンバー愛”も明かす
乃木坂46の遠藤さくらがFODオリジナルドラマ『トラックガール2』(5月17日配信スタート、全6話)に主演している。2023年の前作に続く第2弾となり、約2年ぶりに女性トラックドライバー役を演じている。近年、メンバーの俳優業での躍進が目立つ中、遠藤自身、撮影現場に「緊張がつきまとう」と明かしつつ、着実にキャリアを積む。演技や仲間に対する思いを語った。

共演芸人のアドリブに「しょっちゅうNGを…」
乃木坂46の遠藤さくらがFODオリジナルドラマ『トラックガール2』(5月17日配信スタート、全6話)に主演している。2023年の前作に続く第2弾となり、約2年ぶりに女性トラックドライバー役を演じている。近年、メンバーの俳優業での躍進が目立つ中、遠藤自身、撮影現場に「緊張がつきまとう」と明かしつつ、着実にキャリアを積む。演技や仲間に対する思いを語った。(取材・文=大宮高史)
『トラックガール2』は、Xのフォロワーが35万人を超す24歳の女性トレーラー運転手・トラックめいめいのSNSを原案に、23年7月に配信された『トラックガール』の続編。遠藤は主人公の女性トラック運転手・鞍手じゅんを演じ、勤務先の運送会社『亀尾運輸』の同僚や居酒屋店長ら愉快な仲間たちとの日常を描くコメディードラマだ。
今シリーズでは、じゅんが始めたSNSにフォロワーが激増し、じゅんはインフルエンサー的存在に。地域のイベントに登場したり、SNSで同世代の女性からの相談に応えたりとパワーアップしている。前作のインタビューで「自分とは正反対のキャラクターでしたが、大きな経験になりました」と語っていた遠藤。今作もトラックで全国を駆け回り、仕事が終わればビールで疲れを癒やすじゅん役に「何でも一生懸命なところを見せていきたいです」と意気込んだ。
「じゅんちゃんの、仕事を絶対に苦に思わないところが好きです。セリフ以上に、彼女のポジティブなマインドに憧れました。私たちも日ごろ、つい『しんどいな』とめげてしまう時があると思いますが、じゅんちゃんはそんな時でも前向きな考えになれる人。私も頑張らなきゃ、と思います」
――作品はコメディーでもありますし、前作に続き、亀尾運輸のメンバーを演じる望月歩さん、きょんさん(コットン)、山野海さん、山口智充さんや、なじみの居酒屋店長役のくっきー!さん(野性爆弾)も出演し、芸人さんが多く名を連ねています。
「皆さん面白いので、とにかく本番で笑わないようにしようとしたのですが……前作と同じくやっぱり笑ってしまって、しょっちゅうNGを出してしまいました。特にきょんさんは、面白いだけではなく、林希監督からの指示をすぐ理解して、コミカルなお芝居に仕上げていくのはすごいなと思いました」
――ご自身は今作、どんなアプローチで芝居に臨んだのでしょうか。
「がっちり固めていくというよりは、場の流れに乗っていくと共演者の皆さんが演技を引き出してくれる、という感じです。今回もカメラが回っていない時でも楽しくコミュニケーションが取れたので、そのにぎやかな空気感そのままのドラマになりました。でも楽しみすぎると、今度は笑わせようとしてくるみなさんにのまれてしまうのですが(笑)」
――前作の後、昨年はテレビ東京系連続ドラマ『引っ越し探偵サクラ』(全10話)に、身近な謎にのめり込んでいく天道さくら役で主演するなど、着実に実績を積んでいます。芝居への手ごたえは変わりましたか。
「難しいですね。もともとお芝居となると身構えてしまって、まだカメラの前で感情を作ることに、緊張がつきまといます。演じながらいろいろな感覚が頭の中を行きかう時もありますし、難しいシーンにぶつかると『大丈夫です!』と答えて、(自分自身を落ち着かせて)本番に臨んでいます」
――苦戦しそうな場面では、考えるより感覚に任せて演じてみる、ということもあるのでしょうか。
「そうですね……難しくても『やらなきゃ!』と開き直って『本当にこの演技でいいんだろうか?』と考え直す余裕もないまま終わっているような感じですね。でも、お芝居をさせていただくと、役に入った時に生まれる感覚をもっと知りたいと、好奇心が湧いてきます」

「思い切り自由でいられる」ファンやメンバーといられる居心地のよさ
――一方で、音楽番組やライブではしなやかなパフォーマンスでファンらを魅了してきたと思います。お芝居も表現するという点では同じですが、違いは実感しますか?
「実感はありますが、具体的にどう違うか言葉にするのは難しいですね。ライブはファンの方々が目の前で応援してくださるので、思い切り自由にできています。ドラマの現場は初めてお会いする方も多いので、どこまで自分を見せていこうか……と探りながらになってしまいがちです(苦笑)。グループを離れての仕事だとシャイな自分が出てくるので、緊張との戦いです」
――テレビ愛知発のテレビ東京系冠番組『乃木坂工事中』(日曜深夜0時15分)や公式YouTubeチャンネル『乃木坂配信中』の一人旅企画「さくさんぽ」などでは、かなり自由な印象を受けます。
「やっぱりメンバーと一緒にいると、素直になれるというのはあります。安心感がありすぎて、もはや家族です(笑)。打ち解けた仲になれるとぐいぐいと感情も出るようです」
乃木坂46は今春に6期生が加入したばかり。今年8月に結成15年目に入るが、先輩・後輩を問わず各メンバーが、個々の活動でも顕著な動きを見せている。仲間の活躍はやはり気になるのだろうか。
――最近はメンバーの俳優としての活躍も目立っています。今年3月公開の映画『ネムルバカ』に主演の久保史緒里さん(平祐奈とW主演)、現在放送中の関西テレビ・フジテレビ系連続ドラマ『MADDER その事件、ワタシが犯人です』(木曜深夜0時15分)で主演の五百城茉央さん、同じく放送中のフジテレビ系連続ドラマ『波うららかに、めおと日和』(木曜午後10時)に出演中の小川彩さん、ほか、別のメンバーもミュージカルや朗読劇に挑戦するなど幅広く活動しています。
「それぞれ乃木坂の名前を背負って頑張っていますし、より多くの方に見てほしいなと思っています。グループで一緒にいる時とは全然違う姿を見せているので、同じメンバーなのに新鮮です。『こんな表情をする時があるんだ!』と、興味が湧いて私自身、見入ってしまいます」
――そんな仲間の活躍に刺激を受けますか。
「あまり、『頑張らなきゃ!』と使命感や焦りを感じたりはしないですね。みんながいろいろなお仕事をいただけているので、それぞれが学んだことを乃木坂に持ち帰って、分け合うことがグループへの貢献かなと思います。私はお芝居のときは毎朝現場に行く前からドキドキしてしまうのですが、絶対にいい経験になっていると思いますので、『いただける作品すべてが貴重だ』と思い、役に向き合っていきたいです」
実はお酒も強い遠藤。今作のビールを片手に素直に喜怒哀楽を見せるじゅん役には、自身の等身大の雰囲気も漂う。自由な表現ができる“マイホーム”乃木坂46のため、より頼もしく成長した姿をドラマで見せていく。
□遠藤さくら(えんどう・さくら)2001年10月3日、愛知県出身。18年8月、坂道合同オーディションに合格し、乃木坂46の4期生としてデビュー。19年に24枚目シングル『夜明けまで強がらなくてもいい』で初センターに抜てき。20年には女性ファッション雑誌『「non-no(ノンノ)」』専属モデルに就任。23年にはNHK連続テレビ小説『らんまん』、FODオリジナルドラマ『トラックガール』などに出演した。24年に37枚目シングル『歩道橋』で3度目の単独センターを務めた。
FODオリジナルドラマ『トラックガール2』(全6話)
FODにて毎週土曜0時最新話配信中
出演:遠藤さくら(乃木坂 46)/望月歩/きょん(コットン)/くっきー!(野性爆弾)/山野海/山口智充 ほか
