【あんぱん】松嶋菜々子、2度目の北村匠海の母役「本当にこんな息子がいたらいい」
俳優・松嶋菜々子が嵩の母・登美子を演じるNHK連続テレビ小説『あんぱん』(月~土曜午前8時)について、演じる役をどうとらえて演じているか、また、第2週で家を出て行った登美子に幼い嵩が会いに来たシーンなどこれまでSNSでも話題になったシーンについて思いを語った。作品は漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さんをモデルに、苦難に面しても夢を忘れず荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでの愛と勇気の物語。俳優・今田美桜が主人公・朝田のぶを、北村匠海が柳井嵩を演じる。

文化的な教養が豊かであり美しく勝ち気で利発な嵩の母・登美子を熱演
俳優・松嶋菜々子が嵩の母・登美子を演じるNHK連続テレビ小説『あんぱん』(月~土曜午前8時)について、演じる役をどうとらえて演じているか、また、第2週で家を出て行った登美子に幼い嵩が会いに来たシーンなどこれまでSNSでも話題になったシーンについて思いを語った。作品は漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さんをモデルに、苦難に面しても夢を忘れず荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでの愛と勇気の物語。俳優・今田美桜が主人公・朝田のぶを、北村匠海が柳井嵩を演じる。
演じる登美子は文化的な教養が豊かで、美しく勝ち気で利発な嵩の母。嵩が幼い頃に夫の清を亡くした設定。奔放な振る舞いで嵩を翻ろうするシーンもある。まずは登美子という人物をどう捉えて演じているのか聞いた。
「北村さんの母親役は2度目なのですが、今回はまた違った性格の母親なので、ご一緒できるのが楽しみでした。北村さんはすごく落ち着いていて、どっしり構えている方で。本当にこんな息子がいたらいいのになと思っています。登美子は、発想が少し独特なのかなと思います。子どもへの愛情がありながらも、自分の人生に迷いがあったり、葛藤を抱えていたり……。演じる上では、そうした心の揺れを理解することが大切だと感じています。実際、嵩のモデルであるやなせさんの母親も息子たちを残して姿を消したと聞きました。そうした複雑な背景を持ちながら“アンパンマン”という作品を生み出したやなせさんにとって、母親は影響力のある存在であり、発想の源だったのだろうなと。登美子の突然現れては周囲を振り回し、またいなくなってしまうという設定だけをとるとどこか冷たく感じるかもしれません。けれど、嵩に対しては母親の愛情をきちんと伝えられるよう、丁寧に演じていきたいと思っています」
第2週では出て行った登美子の元へ、まだ幼かった嵩が会いに行くシーンがあった。
「どういう塩梅で演じようか迷った部分ではありました。スタッフの方たちとは、夫である清(二宮和也)さんを早くに亡くしたことで、ぽっかりと空いた穴を埋められず、それを埋めるための愛情を求めているのではないか、だから自分のことで精いっぱいなんじゃないかとお話しして。とはいえ時代的にも、より子どもが幸せになるのであれば、置いていくことも子どもたちにとっては最良の選択であり、そこになじんでほしかったからずっと連絡を取らなかったんじゃないかとか。いろいろ想像しながら臨みましたね」
第3週では息子を捨てて町を出たものの8年ぶりに帰ってきた登美子に対し、のぶに思いをぶつけられるシーンもあった。
「どういう反応をしていいのか分からなかったですね。のぶちゃんに責められたことよりも、嵩が言った『のぶちゃんは、母親に捨てられたことないだろ』という言葉のほうが心に響きました。捨てたつもりはなかったので……。でも、のぶちゃんに言葉を返さなかった登美子を通して思うのは、自分の行動を全部説明できなくてもいいのかなと。気持ちの整理って全部が全部ついていなくてもいいんじゃないかなと思いましたね」
第4週では嵩を医者にするために登美子が後押しするシーンが描かれた。
「自分と清さんの子ならできると信じる気持ち。寛先生や千代子さんに恩返しをしたいという気持ち。自分の居心地をよくしたいという気持ち。たぶん全部本当の気持ちで、言ったことがそのままの人なのかなと。周りから見たら支離滅裂だったり、言動に驚かれたりするかもしれませんが…。それでも嵩は、どんな時もやさしく受け入れてくれるんですよね。いつも振り回してしまいますが、会うたびに、少しでも嵩が“母のやさしさ”を受け取れる瞬間があるように、表現していけたらいいなと思います」
